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Raise3D T450発表|産業用4WD CoreXY機が中小製造業の内製化を加速する理由 - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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Raise3D T450発表|産業用4WD CoreXY機が中小製造業の内製化を加速する理由

3DLab
2026年8月25日
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2026年7月、東京ビッグサイトで開催された「次世代3Dプリンタ展2026(AM JAPAN 2026)」にて、Raise3Dの新シリーズ「Tシリーズ」がAPAC初公開されました。なかでも注目を集めたのが、量産型3Dプリンターとして世界初の4WD CoreXY構造を採用したRaise3D T450です。最高造形速度600mm/s、1日あたり最大3.5kgの連続造形能力を備え、中小製造業の治具・部品内製化を大きく後押しするポテンシャルを持っています。この記事では、T450の技術的な特徴と、製造現場への具体的なメリットを解説します。

4WD CoreXYとは何か? ── 四隅駆動がもたらす安定性

CoreXYは、2本のベルトをX軸・Y軸に共有させることで高速なヘッド移動を可能にする方式です。多くのCoreXY機はモーター2基で駆動しますが、T450は四隅にそれぞれモーターを配置した「4WD(四輪駆動)」構成を採用しています。

この設計により、従来のCoreXYで課題だったベルト遅延が解消され、応答速度が約30%向上したとRaise3Dは説明しています。フレームには航空宇宙グレードのジュラルミンを使用しており、最大加速度30,000mm/s²でもブレにくい剛性を確保しています。600mm/sの高速造形時でもIT11レベル(JIS規格の寸法精度等級)の精度を維持できるとされ、15万時間以上のフィールドテストで検証されたとのことです。

主要スペック ── 産業用途を見据えた設計

T450の基本スペックを整理します。

項目仕様
造形サイズ450×350×400mm(63L)
最大造形速度600mm/s
最大移動速度1,500mm/s
最大加速度30,000mm/s²
最大ノズル温度420℃
最大ベッド温度120℃
最大チャンバー温度70℃
最大吐出量(シングル)32mm³/s
最大吐出量(デュアル高流量)55mm³/s
積層ピッチ0.2mm(0.4mmノズル時)
本体サイズ710×635×785mm
重量72.9kg
1日あたり最大造形量3.5kg
造形成功率98%

ノズル温度420℃とチャンバー温度70℃の組み合わせにより、PPA CF(カーボンファイバー入りナイロン)、PPS CF、PC、TPU-95Aといったエンジニアリングプラスチックに対応しています。PEEK・LCPなどのスーパーエンプラへの対応も示されています。

TwinFlow™ ── シングルノズルでマルチ素材を実現

T450が搭載する「TwinFlow™」テクノロジーは、2本のフィラメントを1つの高流量ノズルに合流させるシングルノズル・デュアル押出方式です。従来のデュアルノズル方式で必要だったノズル間のオフセット校正が不要になり、セットアップの手間を大幅に減らせます。

デュアル高流量モードでは最大55mm³/sの吐出量を実現し、シングルモード(32mm³/s)の約1.7倍の速度で造形できます。また、片方のフィラメントが切れた場合にもう一方へ自動的に切り替わる機能もあり、長時間の連続運転を支えます。治具や検査器具のように、本体と水溶性サポート材を使い分けたい場面で特に有効です。

20超のセンサーとAI ── 無人運転を支える自律機能

T450には20個以上のセンサーとデュアルHDカメラが搭載されています。AIによるリアルタイム監視機能では、以下のような異常を自動検知します。

  • スパゲッティ検知:フィラメントが絡まる造形ミスをカメラで検出
  • ノズル詰まり検知:吐出異常をセンサーで捕捉
  • フィラメント切れ検知:残量低下時に自動で造形を一時停止

さらに電子ドアロックにより、造形中の扉の開閉を防止。チャンバー温度の急変による造形失敗を回避します。PLA等の低温材料向けには「スマートトップウィンドウ」で自動冷却も行います。物理的な緊急停止ボタンや停電復旧機能も備わっており、Raise3D社の社内テストでは「人件費を60%削減し、夜間の無人運転が可能」とされています。

中小製造業の内製化にとって何が変わるのか

これまで中小製造業が3Dプリンターで治具を内製しようとすると、「速度が遅い」「エンプラに対応できない」「造形失敗のリスクが高い」といった課題がありました。T450はこれらに対して以下のように応えています。

  • 速度:600mm/s+3.5kg/日の生産能力により、翌日には治具を現場に投入できるスピード感
  • 素材対応:420℃ノズルでCF入りナイロンやPCが使えるため、金属治具の代替候補になる
  • 運用コスト:AI監視による無人運転で、専任オペレーターを置かなくても夜間造形が可能
  • 信頼性:造形成功率98%で、やり直しの材料ロスを最小限に抑えられる

国内総代理店の日本3Dプリンター株式会社は2017年2月の取り扱い開始以来、Raise3D製品の累計導入実績が5,000台を超えたと発表しています。T450の参考価格は約140万円(税別・未確定)とされており、大型の産業用3Dプリンターと比較すると手が届きやすい価格帯です。事前受注は2026年7月1日に開始されており、出荷は2026年10月以降が予定されています。

なお、さらに大きな造形が必要な場合は、ビルドサイズ700×500×1,000mm(350L)の「T700」も2027年に正式販売が予定されています。

よくある質問

Raise3D T450の造形サイズはどのくらいですか?

造形サイズは450×350×400mm(容積63L)です。一般的なデスクトップ機より大きく、製造現場で使う治具や小型部品を十分にカバーできるサイズです。

T450はどんな素材に対応していますか?

ノズル最大420℃、チャンバー最大70℃に対応しており、PLA・ABS・PETGはもちろん、PPA CF・PPS CF・PC・TPU-95Aなどのエンジニアリングプラスチックも使用できます。PEEK・LCPへの対応も示されています。

T450の価格はいくらですか?

参考価格は約140万円(税別)とされていますが、2026年8月時点では正式価格は未確定です。事前受注は2026年7月1日に開始されており、出荷は10月以降が予定されています。詳細は国内総代理店の日本3Dプリンター株式会社にお問い合わせください。

4WD CoreXYと通常のCoreXYは何が違いますか?

通常のCoreXYはモーター2基で駆動しますが、4WD CoreXYは四隅に各1基ずつ計4基のモーターを配置します。力が均等に分散されるため、ベルト遅延が減り、高速造形時の精度と安定性が向上します。

T450は無人で運転できますか?

20以上のセンサー、AIカメラによる異常検知、電子ドアロック、停電復旧機能を備えており、夜間の無人運転を想定した設計です。ただし、安全管理は各現場の運用規定に従ってください。

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