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HP Multi Jet Fusion 1200発表|産業用MJF技術のコンパクト化が中小企業にもたらすインパクト - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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HP Multi Jet Fusion 1200発表|産業用MJF技術のコンパクト化が中小企業にもたらすインパクト

3DLab
2026年10月3日
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2026年5月、米ボストンで開催されたRAPID+TCT 2026にて、HPが新型3DプリンターHP Multi Jet Fusion 1200(以下MJF 1200)を発表しました。同社のMJF技術を搭載しながら、造形容量12リットルのコンパクト筐体に収めた産業用マシンです。価格は6万ドル(約900万円)を下回る見込みで、2027年初頭に出荷が始まります。これまで大型設備を持つ企業に限られていたMJF技術が、中小製造業や設計事務所の手に届く時代が近づいています。

MJF 1200の主なスペック

MJF 1200は、HPのMJFポートフォリオで最小の産業機です。造形容量は12リットル、ビルドサイズは320×165×230mm。標準プリントモードでHP 3D High Reusability PA 12(Evonik製)を使った場合、フルハイトの造形が12時間以内に完了します。

材料コストは1kgあたり約100ドルで、粉末の再利用率は最大80%です。発売時にサポートする材料はPA 12のみですが、追加材料は発売後に順次対応する予定とされています。

特筆すべき点は、造形物の取り出し、粉末の混合、ビルド準備といった前後工程が自動化されていることです。専用のAMインフラを用意せず、標準的な電源コンセントだけで稼働します。ソフトウェアにはMaterialiseと共同開発したMagics Print for HPが付属し、パーツの配置やネスティング、ビルドレイアウトまでをカバーします。

SLS・MJF技術のコンパクト化が意味すること

粉末焼結方式の3Dプリンターは、高い造形精度と量産適性を持つ反面、本体が大型で高価なため、導入企業が限られてきました。Formlabs Fuse 1やSinterit SUZYといったデスクトップSLS機が登場し、参入障壁は下がりつつありましたが、HPという大手プレイヤーが6万ドル以下の価格帯に参入した意味は小さくありません。

MJF方式はSLSと同じく粉末床を使いますが、レーザーの代わりに赤外線ランプとインクジェットヘッドを組み合わせて造形します。面で一括処理するため、パーツ数が増えてもプリント時間が大きく延びません。この特性は、多品種少量の部品を内製したい中小企業にとって大きな利点です。

中小企業・個人事業主への影響

MJF 1200が想定するユーザーは、機械加工のショップ、デザインエージェンシー、医療機器メーカー、大学の研究室など、これまで外注に頼っていた層です。3DPrint.comの分析記事では、カスタムテニスラケットのグリップやサムスプリント、義肢装具といった具体的な用途が挙げられています。

HP SVPの Arvind Rangarajan 氏は「産業グレードの能力を、アイデアが生まれる場所のすぐそばに届ける」と説明しました。実際、MJF 1200を評価したデザインプロトタイパーの Eric Paris 氏(Anima Design)は「ワークフローを変えずに産業品質のパーツで設計検証ができる」とコメントしています。

約900万円という価格は個人事業主にとってまだ高額ですが、外注費との損益分岐を考えると検討に値するケースが出てきます。月産数十〜数百個のナイロンパーツを外注している事業者であれば、数年での投資回収も現実的でしょう。

競合製品と市場への波及

MJF 1200の直接的な競合はFormlabs Fuse 1です。同価格帯でSLS方式のFuse 1は小規模事業者やデザイナー層に強い支持を得てきましたが、HPのブランド力と保守体制が加わることで、購入検討時の選択肢が実質的に変わります。HPは年間コストの約10%にあたるサービス契約を用意し、主要市場で翌日パーツ交換、3営業日以内の技術者派遣を保証しています。

Sinterit SUZYはオープンプラットフォームとしてアカデミア・研究用途に活路を見いだすとの見方もあるものの、商業生産ではHPの信頼性が優位に働くでしょう。中国メーカーやFarsoonの小型機にとっても、エントリー層の顧客を奪われる懸念が指摘されています。

HP MJFポートフォリオ全体の動き

RAPID+TCT 2026では、MJF 1200だけでなくポートフォリオ全体のアップデートも発表されました。既存のJet Fusion 5600シリーズには新しい高生産性プリントモードが追加され、スループットが20%向上します。また、MJF Dual Tone技術により白とグレーの2色で造形でき、QRコードやテクスチャをパーツ表面に直接組み込めるようになります。Dual Toneは2026年末から利用可能です。

HPは2016年にMJF技術で3Dプリンティング市場に参入してから10年を迎えました。当初は大型産業機のみだったラインナップを、MJF 1200で中小規模の市場にも広げた形です。

よくある質問

HP MJF 1200の価格はいくらですか?

6万ドル(約900万円)未満とされています。英国では44,000ポンド未満の価格が提示されています。2027年初頭の出荷開始時に正式価格が確定する見込みです。

どのような材料が使えますか?

発売時はHP 3D High Reusability PA 12(Evonik製ナイロン12)に対応します。粉末の再利用率は最大80%で、1kgあたり約100ドルです。追加材料は発売後に順次対応予定です。

MJF方式とSLS方式の違いは何ですか?

どちらも粉末床方式ですが、SLSがレーザーで1点ずつ焼結するのに対し、MJFは赤外線ランプとインクジェットで面を一括処理します。パーツ数が増えても造形時間が延びにくい点がMJFの特徴です。

いつから購入できますか?

2027年初頭に商用出荷が開始される予定です。RAPID+TCT 2026(2026年5月)で発表されました。

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