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TCT Japan 2026レポート — 126社が集結した国内最大級3Dプリンティング展の注目トピック - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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TCT Japan 2026レポート — 126社が集結した国内最大級3Dプリンティング展の注目トピック

3DLab
2026年3月12日
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2026年1月28日から30日までの3日間、東京ビッグサイト南3ホールにて「TCT Japan 2026 — 3Dプリンティング&AM技術の総合展」が開催されました。第12回を迎える今回は、世界7か国・地域から初出展29社を含む126社・団体が参加し、250件を超える製品・サービス・テクノロジーが展示されました。本記事では、会場で見つけた注目の新製品・技術トレンドをピックアップしてお届けします。

TCT Japan 2026の概要 — 過去最大規模の出展

TCT Japanは、2015年にスタートした国内最大級の3Dプリンティング・AM(アディティブマニュファクチャリング)技術の総合展示会です。主催はJTBコミュニケーションデザインと英国Rapid News Publications。入場は無料(事前登録制)で、製造業のエンジニアや研究者を中心に多くの来場者が訪れます。

2026年の出展社数は126社・団体と発表されており、そのうち29社が初出展です。カンファレンスでは2つのセミナー会場を使い、3日間で計41セッションが実施されました。NASAの研究員やヤマハ発動機をはじめとする業界有識者25名が登壇し、市場動向から医療応用まで幅広いテーマが語られました。

注目の新製品・新技術ピックアップ

会場で特に注目を集めていた製品・技術をご紹介します。

BambuLab H2C — Vortekシステム搭載のマルチマテリアル機

サンステラブースでは、BambuLabの最新モデル「H2C」が展示されていました。独自のVortekシステムによりマルチマテリアル造形に対応し、試作から小ロット生産まで幅広く活用できるのが特徴です。同ブースではH2D ProやP2Sも合わせて披露され、BambuLabの製品ラインナップの充実ぶりが伝わる展示でした。

EOS M4 ONYX — 有害廃棄物を最大90%削減

NTTデータ ザムテクノロジーズは、1993年からEOSの国内独占代理店を務めており、今回は金属3Dプリンター「EOS M4 ONYX」をRFS Pro技術とともに紹介しました。この新システムは有害廃棄物を最大90%削減しつつ、粉末の再利用率90%以上を実現するとされています。

Creality SPARKX i7 — AI搭載4色マルチカラー造形

中国の大手プリンターメーカーCrealityは、フラッグシップモデル「SPARKX i7」を出展しました。AI制御による4色マルチカラー造形に対応し、材料廃棄量を従来比50%削減できる点がアピールされていました。

Metal Printing Gauss MT90 — CES 2026受賞のデスクトップ金属プリンター

韓国のスタートアップMetal Printing社は、ペーストベース金属押出(Paste-based Metal Extrusion)方式の「Gauss MT90」を出展。CES 2026 Innovation Awardを受賞した本機は、約35,000ドルという価格帯でデスクトップサイズの金属3Dプリンティングを実現します。ステンレスや銅に対応しています。

大同特殊鋼 — Ni基高合金粉末を初公開

大同特殊鋼は金属AM向けのNi基(ニッケル基)高合金粉末を本展示会で初公開しました。航空宇宙分野などで求められる耐熱性の高い材料として注目を集めていました。

見えてきた5つのトレンド

展示全体を通して、以下のようなトレンドが浮かび上がりました。

1. 量産・実用化フェーズへの移行

試作用途にとどまらず、量産部品としての3Dプリンティング活用が加速しています。SOLIZEはHP Jet Fusionで製造した部品がLEXUS LC500の純正オプションパーツに採用された事例を紹介し、国内自動車産業初の実績として注目されました。

2. ワイヤDED方式による大型・高速造形

大陽日酸が展示した「AMDROiD」(レーザーワイヤDED方式)や「Arc80xシリーズ」(ワイヤアークDED方式)など、鋳造・鍛造の代替技術として大型パーツを高速に造形するワイヤDED方式が存在感を増していました。

3. AIとソフトウェアの融合

bestatは2D図面からAIで3Dモデルを自動変換するサービスを出展し、日本のものづくり現場で深刻な3Dモデリング人材不足への解決策を提示しました。CrealityのAI搭載プリンターと合わせ、AI活用は今後さらに広がりそうです。

4. 材料エコシステムの多様化

第一セラモの金属・セラミックフィラメント、Tangshan Weihao社のマグネシウム合金粉末、Phaetusのタングステンノズルなど、材料やパーツの選択肢が急速に広がっています。一般的なFDMプリンターで金属・セラミック部品を製造できるフィラメントも登場し、導入のハードルが下がりつつあります。

5. ハイブリッド製造の進化

松浦機械製作所のLUMEXシリーズは、レーザー焼結と高精度切削を1台で行えるハイブリッド方式です。複雑な冷却水管を内蔵した金型の製造など、付加製造と除去加工を組み合わせたハイブリッド製造のニーズが高まっています。

カンファレンスの見どころ

TCT Mainステージでは3日間にわたり充実したプログラムが組まれました。1日目は国内外の市場動向をテーマに、装置メーカーとユーザーによるパネルディスカッションが実施されました。2日目は自動車・航空宇宙・医療など各分野の応用事例が紹介され、3日目は研究開発の最新トレンドが語られました。

特にNASA研究員による宇宙分野でのAM活用事例や、ヤマハ発動機のモビリティ開発での3Dプリンター活用に関する講演は関心を集めていたとされています。

初心者が楽しめるポイント

TCT Japanは業務用3Dプリンターが中心ですが、初心者の方にとっても学びの多いイベントです。BambuLabやCrealityなどの家庭用プリンターも展示されており、実際に造形品を手に取って質感を確認できます。Polymakerなど各社のフィラメントを比較したり、サンステラのスタッフに直接質問したりと、購入前の情報収集にも最適です。

また、シェアラボが主催する特別企画では、3Dプリンター活用の実践者への公開取材が行われ、実際の活用ノウハウを聞くことができる貴重な機会となっていました。入場無料なので、3Dプリンターに興味がある方はぜひ来年の開催をチェックしてみてください。

よくある質問

TCT Japanとは何ですか?

TCT Japanは、2015年から毎年東京ビッグサイトで開催されている国内最大級の3Dプリンティング・AM技術の総合展示会です。世界各国のメーカーや研究機関が集まり、最新の3Dプリンター、材料、ソフトウェア、活用事例を紹介しています。入場は無料(事前登録制)です。

TCT Japan 2026にはどんな企業が出展していましたか?

世界7か国・地域から126社・団体が出展しました。NTTデータ ザムテクノロジーズ(EOS代理店)、サンステラ(BambuLab・Creality代理店)、松浦機械製作所、大同特殊鋼、SOLIZE、日本3Dプリンターなど、国内外の主要メーカー・ディストリビューターが参加しました。

TCT Japan 2026で特に注目された技術は何ですか?

AI搭載のマルチカラー造形(Creality SPARKX i7)、デスクトップ金属3Dプリンター(Metal Printing Gauss MT90)、有害廃棄物を大幅削減する金属AM技術(EOS M4 ONYX)、ワイヤDED方式による大型高速造形などが注目を集めました。

TCT Japan 2027はいつ開催されますか?

2027年の開催日程は、本記事執筆時点(2026年3月)ではまだ公式発表されていません。例年1月下旬に東京ビッグサイトで開催されているため、公式サイト(tctjapan.jp)で最新情報をご確認ください。

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