
【2026年版】マルチカラー3Dプリント完全ガイド — AMS・CFS・マルチノズルの違いと選び方
3Dプリンターでフルカラーのフィギュアやカラフルな雑貨を作りたい。そんな願いを叶えるマルチカラー3Dプリントが、2026年に入っていよいよ身近になりました。Bambu LabのAMS、CrealityのCFS、AtomFormのマルチノズルなど、各社から個性的なシステムが登場しています。この記事では、各方式の仕組み・メリット・デメリットを初心者にもわかるように比較し、自分に合った選び方を説明します。
マルチカラー3Dプリントとは? 基本の仕組み
マルチカラー3Dプリントとは、1回の印刷で複数の色やフィラメント素材を使い分ける技術です。通常の3Dプリンターは1色のフィラメントしか使えません。マルチカラー対応の仕組みを導入すれば、塗装なしで色鮮やかな造形物を作れるようになります。
2026年現在、家庭用の主な方式は大きく3つに分かれます。フィラメント切替方式(AMS/CFS)、ツールチェンジャー方式、そしてマルチノズル方式です。対応色数やフィラメントの無駄(パージ量)、価格帯がそれぞれ異なるため、用途に合わせて選ぶことが重要です。
方式①:フィラメント切替方式(Bambu Lab AMS / Creality CFS)
最も普及しているのは、1つのノズルに複数のフィラメントを自動で切り替えて送り込む方式で、代表的な製品にBambu Lab AMS 2 ProとCreality CFSがあります。
Bambu Lab AMS 2 Proは1ユニットに4スプールを収納でき、最大4ユニットを接続すれば24色までのマルチカラー印刷が可能です。65℃のフィラメント乾燥機能を内蔵し、RFIDの自動識別でフィラメントの設定も自動で行えます。ブラシレスサーボモーターの採用でフィラメントの送り速度が従来比60%上がり、100回のフィラメント交換で約10分短くなるとされています。対応プリンターはX1E、X1C、P1S、P2S、H2D、A1シリーズなど幅広いラインナップです。
Creality CFS(CFS-C)は、1ユニット4スプール×最大4ユニットで16色に対応します。RFIDによる自動ローディング、外付けのカッターとバッファ機構、フィラメントの絡まりを検知するセンサーを搭載しています。防湿ストレージも内蔵しており、対応機種はK1シリーズ(K1 Max、K1C、K1 SEなど)です。
この方式のメリットは、今あるプリンターに後からマルチカラー機能を追加できる手軽さと、比較的手頃な価格です。一方で、色を切り替えるたびにノズル内に残ったフィラメントを押し出す「パージ」が必要になり、フィラメントの廃棄(パージタワー)が多いという課題があります。
方式②:ツールチェンジャー方式
ツールチェンジャー方式は、色ごとに独立したツールヘッド(ノズル付きの印刷ユニット)を複数積み、印刷中に自動で交換する方式です。代表例としては、Snapmakerの4ヘッドツールチェンジャーや、Bambu Lab H2Dのデュアルノズルなどが挙げられます。
この方式のいちばんの利点は、パージ(フィラメント廃棄)を大幅に減らせることです。各ヘッドが専用のフィラメントを持っているので、ノズル内を毎回洗い流す必要がありません。ある比較では、フィラメント切替方式で印刷物の数倍の廃棄が出るケースでも、ツールチェンジャーなら小さなプライムタワーだけで済むとされています。
ただし、ヘッドが複数あるぶんプリンター本体が大きくなりがちで、価格もやや高めです。Bambu Lab H2D AMS Comboは約2,299ドル(約34万円前後)で販売されています。
方式③:マルチノズル方式(AtomForm Palette 300)
2026年1月のCES 2026で注目を集めたのが、AtomForm Palette 300です。12本のノズルを搭載し、最大36色・12素材を1回の印刷で使える画期的なマシンです。独自の「OmniElement」自動ノズル交換システムによって、フィラメント廃棄を最大90%減らしながら、±0.02mmの高い寸法精度を実現するとされています。
発表時点では2026年Q2(4〜6月)に一般販売が予定されており、価格は2,199ドル(約33万円前後)とされていました。この記事を書いた時点ではまだ市場に出回っていない新製品で、実際の評価はこれからですが、マルチカラー3Dプリントの可能性を大きく広げる製品として期待されています。
3方式の比較表と選び方ガイド
| 比較項目 | フィラメント切替 (AMS / CFS) | ツールチェンジャー | マルチノズル (AtomForm) |
|---|---|---|---|
| 最大色数 | 16〜24色 | 2〜4色 | 最大36色 |
| フィラメント廃棄 | 多い | 少ない | 非常に少ない |
| 価格帯(システム) | 3〜8万円 | 20〜35万円 | 約33万円 |
| 既存機への後付け | 対応 | 一部対応 | 非対応(本体一体型) |
| 導入の手軽さ | ★★★ | ★★ | ★★ |
| おすすめ用途 | 趣味・ホビー | 中〜上級者 | プロ・多色作品 |
選び方の目安は次のとおりです。
- コストを抑えたい、手軽に試したい → Bambu Lab AMS または Creality CFS(既存プリンターに追加)
- フィラメント廃棄を減らしたい → ツールチェンジャー方式(Bambu Lab H2D など)
- とにかく多色・多素材で高品質に → AtomForm Palette 300(発表時は2026年Q2発売予定)
- 初心者で初めてのマルチカラー → Bambu Lab P2S + AMS の組み合わせがバランスに優れています
よくある質問
マルチカラー印刷にはどのくらい追加費用がかかりますか?
フィラメント切替方式のAMSやCFSなら、3万〜8万円程度で既存プリンターに追加できます。ツールチェンジャーやマルチノズル方式は、プリンター本体込みで20万〜35万円が目安です。このほか、パージで消費される分のフィラメント代も見込んでおきましょう。
AMS・CFS方式のフィラメント廃棄はどのくらい出ますか?
印刷内容や色数によって違いますが、色の切り替えが多いモデルでは、本体に使う量の数倍の廃棄が出ることもあります。パージ量を減らすには、スライサー設定を見直したり、同系色をまとめたりする工夫が有効です。
TPU(柔軟フィラメント)でマルチカラー印刷はできますか?
一部の機種は対応しています。ただ、TPUは切り替えや送り出しが難しい素材なので、対応状況はプリンターとAMS/CFSのバージョンによって異なります。購入前にメーカー公式の対応素材リストを確認しましょう。
初心者におすすめのマルチカラー3Dプリンターの組み合わせは?
2026年時点では、Bambu Lab P2SとAMSのコンボがコストパフォーマンスと使いやすさのバランスに優れ、初心者向けとして広くすすめられています。セットアップも比較的簡単で、スライサーの自動設定にも対応しています。
参考リンク
- Bambu Lab AMS 比較ページ — Bambu Lab 公式
- Creality CFS 製品ページ — Creality 公式ストア
- AtomForm Palette 300 発表記事 — 3D Printing Industry
- Best Multicolor 3D Printers of 2025 — Tom's Hardware
- Multi-Material 3D Printing: Tool Changer vs AMS (2026 Guide) — 3D Print Calculator



