ブログ一覧に戻る
2026年注目のエコ素材 — リサイクルPETやバイオPLAなど環境にやさしい3Dプリント用フィラメント最新ガイド - 3Dプリンタブログ | 3DLab
3Dプリンター

2026年注目のエコ素材 — リサイクルPETやバイオPLAなど環境にやさしい3Dプリント用フィラメント最新ガイド

3DLab
2026年3月23日
0 views

3Dプリンターの世界でも「サステナブル」がキーワードになりつつあります。PETボトルや産業廃棄物をリサイクルしたフィラメント、植物由来のバイオPLA、さらには海洋プラスチックから生まれた素材まで——環境にやさしい3Dプリント用フィラメントが続々と登場しています。本記事では、2026年に注目すべきエコ素材フィラメントの特徴・使い心地・入手方法を徹底比較します。

なぜ今「エコ素材フィラメント」が注目されているのか

3Dプリンティング業界では、試作や造形の過程でどうしてもプラスチック廃棄物が発生します。サポート材の除去や失敗プリントなど、素材のロスは避けられません。そうした課題に応えるかたちで、リサイクル素材を活用したフィラメントの開発が加速しています。

2025年後半からは、再生カーボンファイバーを配合したPETG系フィラメントや、100%生分解性のバイオベース素材など、より高機能なエコフィラメントが市場に登場しました。環境意識の高まりとともに、「エコだから品質が劣る」というイメージは過去のものになりつつあります。

リサイクルPETフィラメント — ペットボトルが造形素材に

リサイクルPETフィラメントは、使用済みペットボトルや産業廃棄物のPET素材を原料として製造されるフィラメントです。代表的な製品を見てみましょう。

BASF Ultrafuse rPET

化学大手BASFが手がけるリサイクルPETフィラメントです。ペットボトル由来の産業廃棄物から製造され、高い強度と紫外線耐性を備えています。透明感のあるブルーの色味が特徴で、バージンPETに匹敵する造形品質を実現しています。造形温度は220〜250℃程度で、ヒートベッドは70〜80℃が推奨されています。

FormFutura ReForm rPET

オランダのFormFuturaが製造するリサイクルPETGタイプのフィラメントです。ペットボトル製造業者の産業廃棄物を原料とし、高品質なフィラメントへと再生しています。PETGベースのため、反りが少なく扱いやすいのが魅力です。

B-Pet(Bottle PET Filament)

消費者が使用した後のPETボトルを100%原料としたフィラメントで、バージンPETと同等の物性を持ちながら、コストは約70%低いとされています。ペットボトルを選別・洗浄し、解重合・再重合のプロセスを経て高品質なフィラメントに生まれ変わります。

バイオPLA・生分解性フィラメント — 植物由来で地球にやさしい

PLA(ポリ乳酸)はトウモロコシやサトウキビなどの植物資源を原料とするバイオプラスチックで、適切な条件下では微生物によって分解される生分解性を持っています。すでに3Dプリンターの定番素材ですが、さらに環境配慮を強化した製品が増えています。

Polymaker PolyTerra PLA

Polymakerが開発した環境配慮型PLAフィラメントです。バイオベースの新素材「FBC(Fully Bio Compound)」を採用し、高品質なIngeo PLAに天然由来の成分を配合しています。スプールはリサイクル段ボール製で、ラベルや外箱もリサイクル素材を使用。さらに、1スプール購入ごとに1本の植木が行われるカーボンオフセットプログラムも実施しています。マットな質感の仕上がりが美しく、使い勝手も良好です。

colorFabb allPHA

オランダのcolorFabbが開発した、あらゆる生物環境で100%生分解される究極のバイオフィラメントです。分解後にマイクロプラスチックを残さないため、環境への影響を最小限に抑えられます。試作品や一時的な使用を想定したプロジェクトに最適な素材です。

GSIクレオス ソフトナチュラルフィラメント

日本のGSIクレオスが販売する生分解性フィラメントで、イタリアのNovamont社が開発した生分解性樹脂「Mater-Bi(マタビー)」を使用しています。化学物質基準A判定を取得しており、安全性の面でも信頼できる製品です。柔軟性があり、しなやかな造形物を作れるのが特徴です。

海洋プラスチック・廃棄物由来のフィラメント — ゴミを資源に変える

近年とくに注目を集めているのが、海洋プラスチックや廃棄物から生まれたフィラメントです。環境問題の解決と3Dプリンティングの可能性を同時に追求する、先進的な取り組みが世界中で進んでいます。

Refil(オランダ)

ロッテルダムのスタートアップRefilは、廃棄プラスチックから3Dプリンター用フィラメントを製造しています。自動車のダッシュボードや冷蔵庫のパーツなど、さまざまな廃棄物を原料に、ABS・PET・HIPSなど複数の素材をラインナップしています。

The New Raw — ゴーストネットの再生

ロッテルダムのデザインスタジオThe New Rawは、海洋に投棄された漁網(ゴーストネット)を回収し、粉砕して3Dプリント用の素材に再生するプロジェクトを展開しています。回収した漁網は選別・洗浄・粉砕を経てペレット化され、大型3Dプリンターで公園のベンチや都市設備に生まれ変わります。

キヤノンエコロジーインダストリー

日本のキヤノングループでは、使用済みキヤノン製品のプラスチックパーツを回収・リサイクルし、3Dプリンター用フィラメントとして再生する取り組みを行っています。製品のライフサイクル全体で資源循環を実現する、国内メーカーならではのアプローチです。

エコ素材フィラメントの選び方と比較ポイント

環境にやさしいフィラメントを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 原料の由来:リサイクルPET、バイオPLA、海洋プラスチックなど、何を原料としているかを確認
  • 造形品質:リサイクル素材でもバージン素材と遜色ない品質の製品が増えていますが、メーカーの実績や口コミを参考に
  • 造形温度:リサイクルPET系は220〜250℃、PLA系は190〜220℃が一般的。お手持ちのプリンターの対応範囲を確認しましょう
  • 生分解性の有無:allPHAのように完全生分解性の素材もあれば、リサイクルPETのように生分解しないが資源循環に貢献する素材もあります
  • 入手しやすさ:国内ではPolymaker PolyTerra PLAやGSIクレオス製品がオンラインショップで購入しやすく、海外ブランドはid.artsや3DFS経由で入手可能です
  • パッケージの環境配慮:スプールやパッケージにリサイクル素材を使用しているかも重要なチェックポイントです

よくある質問

リサイクルフィラメントはバージン素材と比べて品質が劣りますか?

近年のリサイクルフィラメントは精製技術が向上しており、BASF Ultrafuse rPETやB-Petなどはバージン素材に匹敵する造形品質を実現しています。ただし製品によって差があるため、信頼できるメーカーのものを選ぶことをおすすめします。

バイオPLAは通常のPLAプリンターでそのまま使えますか?

はい、PolyTerra PLAなど多くのバイオPLA製品は通常のPLAと同じ造形温度(190〜220℃)で使用できます。特別な設定変更なしに、お手持ちのFDMプリンターで造形可能です。

生分解性フィラメントで作った造形物は、すぐに分解されてしまいますか?

通常の室内環境では分解は非常にゆっくり進むため、日常使いの造形物が短期間で劣化する心配はありません。生分解は工業用コンポスト施設など、高温多湿の特定条件下で促進されます。

海洋プラスチック由来のフィラメントはどこで購入できますか?

日本国内ではid.artsが運営する3DFSオンラインストアでRefil製品を取り扱っています。海外の公式サイトからの直接購入も可能ですが、送料や納期を事前に確認しましょう。

参考リンク

タグ

リサイクルフィラメントエコ素材サステナブルバイオPLAリサイクルPET
3Dプリンター体験