
Creality SPARKX i7 vs i8どっちを選ぶ?マルチカラー入門機の違いを徹底比較
2026年1月のCES 2026でCrealityが発表したSPARKX i7は、手ごろな価格で4色マルチカラー印刷ができると話題になりました。そして2026年8月19日、後継モデルSPARKX i8が発表され、マルチカラー3Dプリンターの選択肢がさらに広がっています。
「マルチカラーを始めたいけど、i7とi8のどちらを選べばいいの?」という方に向けて、両モデルのスペック・仕組み・価格を整理し、選び方のポイントをまとめました。
SPARKX i7とは?CES 2026で登場した4色マルチカラー入門機
SPARKX i7は、Crealityの新ブランド「SparkX」の第1弾モデルとして、2026年1月のCES 2026(1月7〜10日、ラスベガス)で発表されました。「初心者でも最初の印刷を成功させる」をコンセプトに、セットアップのしやすさと4色マルチカラー印刷を両立しています。
マルチカラー印刷には外付けユニット「CFS Lite」を使います。4本のフィラメントをCFS Liteにセットし、色を切り替えるたびに1本を引き抜いて次の1本を送り込む方式です。色の切り替え時には旧色のフィラメントをパージ(排出)する必要があるため、パージタワーと呼ばれる廃棄用の柱がプレート上にできます。
AI搭載の720pカメラを内蔵しており、印刷中のスパゲッティ化(造形の失敗)を検知して自動停止する機能も備えています。
SPARKX i8とは?QuarTeks技術で1秒色替えを実現
SPARKX i8は2026年8月19日に発表された後継モデルです。最大の特徴は、Crealityが独自開発したQuarTeks(クォーテクス)と呼ばれる4チャンネル一体型ツールヘッドです。
i7のCFS Liteではエクストルーダーの手前でフィラメントを切り替えていたのに対し、i8のQuarTeksでは4本のフィラメント経路がノズル先端からわずか1.7mmの位置で合流します。共有部分が極端に短いため、色替え時のパージ量が大幅に減り、色の切り替えが1秒以下で完了するとされています。
さらに、一部のモデルではパージ材をモデル内部のインフィル(中身の充填部分)に流し込む「パージ・トゥ・インフィル」機能にも対応しており、パージタワーを不要にできる場合もあります。
スペック比較表:i7 vs i8
| 項目 | SPARKX i7 Combo | SPARKX i8 |
|---|---|---|
| 発表時期 | 2026年1月(CES 2026) | 2026年8月19日 |
| 造形サイズ | 260×260×255mm | 260×260×255mm |
| 最大印刷速度 | 500mm/s | 500mm/s |
| 最大加速度 | 10,000mm/s² | 10,000mm/s² |
| ノズル温度 | 最大300℃ | 最大300℃ |
| ベッド温度 | 最大100℃ | 最大100℃ |
| マルチカラー方式 | CFS Lite(外付け4スロット) | QuarTeks(一体型4チャンネル) |
| 色替え速度 | フィラメント引き抜き+送り込み | 1秒以下 |
| パージ量 | 従来方式(パージタワー必要) | 大幅削減(パージ・トゥ・インフィル対応) |
| オートレベリング | 自動レベリング | 81点自動レベリング+自動Zオフセット |
| カメラ | 720p AIカメラ | 720p AIカメラ(30fps) |
| 動作音 | 非公開 | 45dB以下 |
| 本体重量 | 約9.12kg | 約9.72kg |
| 対応素材 | PLA / PETG / TPU / PLA-CF など | PLA / PETG / TPU / PLA-CF など |
| 価格 | $359前後(約55,000円) | 未発表($399〜$499と推測) |
| 購入可否 | 販売中 | 未発売(メール登録受付中) |
※価格は2026年8月時点の情報です。i8の価格は公式発表前のため、業界予測にもとづく参考値です。
CFS Lite vs QuarTeks:マルチカラー方式の違い
CFS Lite(i7)は、4本のフィラメントを外付けユニットに収納し、エクストルーダーの手前で1本ずつ切り替える方式です。乾燥剤による簡易的なフィラメント乾燥機能を備えており、湿気に弱いPLAの保管にも配慮されています。仕組みがシンプルなので、トラブル時の原因特定がしやすいというメリットがあります。
ただし、色替えのたびに共有チューブ内の旧色を押し出す必要があるため、パージタワーによるフィラメント消費が発生します。Crealityのアルゴリズムにより従来方式と比べて最大50%のパージ削減ができるとされていますが、ゼロにはなりません。
QuarTeks(i8)は、4本の経路をノズル直近(1.7mm)で合流させる一体型ヘッドです。各チャンネルにフィラメント検知センサーを搭載し、フィラメント切れ・滑り・押し出し不良をリアルタイムで監視します。パージ量が少ないため印刷時間も短縮でき、Crealityの発表では4色ドラゴンモデルの印刷で従来方式の約3分の1の時間・約3分の1のフィラメント使用量だったとしています。
ただし、Crealityの「ゴミゼロ」という宣伝には注意が必要です。パージ・トゥ・インフィル機能はすべてのモデルで使えるわけではなく、パージ材がなくなるのではなくインフィルに移動するだけ、という点も理解しておく必要があります。
どちらを選ぶ?ケース別おすすめ
今すぐマルチカラーを始めたい方 → SPARKX i7 Combo
i7は販売中で、$359前後(約55,000円前後)で購入できます。初心者向けに設計されたセットアップの簡単さ、CFS Liteによる4色印刷、AI失敗検知カメラなど、マルチカラー入門に必要な機能が揃っています。パージタワーによるフィラメント消費は発生しますが、PLA中心で趣味の造形を楽しむには十分な性能です。
フィラメント消費を抑えたい・大量にマルチカラー印刷する方 → SPARKX i8(発売待ち)
QuarTeks方式による少ないパージ量と高速な色替えは、マルチカラー印刷を頻繁に行う方にとって大きなメリットです。ただし、2026年8月時点では価格・発売日ともに未発表です。今すぐ必要でなければ、正式発表を待って判断するのが賢明です。
判断のポイント
- i8の価格がi7と同程度なら、i8を待つ価値は大いにあります
- i8が大幅に高額なら、コスパの良いi7を選び、将来的にヘッドのアップグレードを検討するのも手です
- ABS・ASAなど高温素材がメインなら、どちらもオープンフレームのため別機種も検討が必要です
よくある質問
SPARKX i7とi8の造形サイズに違いはありますか?
どちらも260×260×255mmで同じです。最大印刷速度(500mm/s)や最大ノズル温度(300℃)といった基本スペックも共通しています。
i8のQuarTeksは本当にパージゼロですか?
完全なゼロではありません。パージ量は従来方式より大幅に減りますが、一部のパージ材はインフィルに流し込む「パージ・トゥ・インフィル」で処理されます。この機能はすべてのモデル形状に対応しているわけではない点に注意が必要です。
SPARKX i8はいつ発売されますか?
2026年8月19日に発表されましたが、価格・発売日・販売チャンネルはいずれも未発表です(2026年8月24日時点)。公式サイトではメール登録による早期アクセス案内のみ受付中です。
i7でABSやASAは印刷できますか?
推奨されていません。i7・i8ともにオープンフレーム設計のため、印刷エリアの保温が難しく、ABSやASAでは反りや割れが起きやすくなります。PLA・PETG・TPU(高硬度)が主な対応素材です。
参考リンク
- Creality SPARKX i7 公式ページ — Creality
- Creality SPARKX I8: Specs, Price, And Which Claims Hold — Makers101
- Creality SparkX I7 Guide: Specs, Price, CFS Lite & Updates — Makers101
- Creality SPARKX i7 Review — Tom's Hardware
- Creality debuts SPARKX i7 and AI tools at CES 2026 — Engineering.com



