
廃材をフィラメントに再生!Creality R1 & M1で始める3Dプリントリサイクル入門
3Dプリンターを使っていると、どうしても出てしまうのが「失敗プリント」や「サポート材」などの廃材。3Dプリントに使われるプラスチックの約30%が廃棄物になるとも言われています。「もったいないな」と思いつつ、そのままゴミ箱へ捨てている方も多いのではないでしょうか。
この悩みに正面から応える製品を、Crealityが出しました。2026年1月に発表されたShredder R1(シュレッダー)とFilament Maker M1(フィラメントメーカー)は、デスクトップサイズで「粉砕→再フィラメント化」ができるリサイクルシステムです。この記事では、このシステムの仕組み・スペック・コスト面のメリットをわかりやすく解説します。
Creality R1 & M1とは?デスクトップで完結するリサイクルシステム
Creality Shredder R1とFilament Maker M1は、2台セットで使うフィラメントリサイクルシステムです。2026年1月下旬にCrealityが発表し、同年3月6日にIndiegogoでクラウドファンディングを始めました。
Shredder R1は、失敗プリントやサポート材などのプラスチック廃材を入れると、4mm以下の小さな粒(ペレット)に粉砕する装置です。独自の「ドライクラッシュ」方式で、水を使わずに乾式で処理できます。乾燥機能も内蔵していて、粉砕したペレットの水分を取り除き、そのまま次の工程に回せる状態にします。
Filament Maker M1は、R1で粉砕したペレット(または市販のバージンペレット)を加熱して押し出し、1.75mmのフィラメントとして再生する装置です。本体サイズは570×655×245mmで、デスクの上に置けるコンパクトさ。巻き取りスプール機構も内蔵しているので、できたフィラメントをそのままスプールに巻き取れます。
注目のスペックと対応素材
M1のいちばんの魅力は、精度の高さと対応素材の幅広さです。主なスペックを整理しましょう。
押し出し速度:最大1kg/時。1スプール分のフィラメントを約1時間で作れる計算です。
径の精度:バージンペレット使用時で±0.05mm、リサイクルペレット使用時でも±0.1mm。一般的な家庭用3Dプリンターが求める精度を十分に満たしています。
最高温度:350°Cまで対応しており、高温素材も扱えます。
対応素材:PLA、ABS、PETG、ASA、PA(ナイロン)、PC(ポリカーボネート)、TPU、PETの8種類。家庭用3Dプリンターで使う主要な素材をほぼカバーしていると言えます。
空気清浄機能:HEPAフィルターと活性炭フィルターを搭載。プラスチックを加熱するときに出るにおいや微粒子を取り除き、室内でも安心して使えるよう配慮されています。
M1では、香料や木粉などの天然素材のフィラーを加えたり、1本のスプールでグラデーションカラーのフィラメントを作ったりといったカスタマイズもできるとされています。
気になる価格と入手方法
2026年3月にIndiegogoで始まったクラウドファンディングでは、次の価格が発表されました。
VIP価格(事前デポジット保持者):M1が649ドル、R1が349ドル、セットで899ドル
Super Early Bird(Indiegogo):M1が799ドル、R1が499ドル、セットで1,199ドル
一般販売価格(MSRP):M1が1,149ドル、R1が649ドル、セットで1,699ドル
出荷は2026年Q2(4〜6月)に開始予定とされていました。円に直すと、セットのSuper Early Bird価格は約18万円前後(1ドル=150円換算)です。初期投資としてはそれなりの金額ですが、長く使い続ければペレット代だけでフィラメントを作れるので、コスト面での得が出てくるでしょう。
リサイクルのメリット:コストと環境の両面から
フィラメントのリサイクルには、大きく分けて「コスト面」と「環境面」の2つのメリットがあります。
コスト面のメリット
市販のフィラメントは1kgあたり2,000〜5,000円程度が相場です。リサイクルなら、原料は自分の廃材。バージンペレットを買う場合でも、完成品のフィラメントを買うより大幅に安く済むことが多いです。プロトタイプや試作を頻繁に行うユーザーほど廃材も多く出るので、リサイクルで節約できる額も大きくなります。
環境面のメリット
研究によると、リサイクルフィラメントを使うとCO2排出量をバージン素材比で50%以上削減できるとされています。プラスチック廃棄物を埋立地や焼却場に送らずに、自分のデスクで新しい素材として再利用できるのは、個人でできるサステナブルな取り組みと言えます。
ただし、プラスチックは再溶融を繰り返すとポリマー鎖が劣化し、強度が10〜20%下がる傾向がある点には注意が必要です。そのため、リサイクル素材は構造部品より、試作品やインテリア小物など強度を重視しない用途に向いています。バージンペレットを一定の割合で混ぜて、品質を安定させるテクニックもあります。
自宅リサイクルの始め方:ワークフロー解説
R1とM1を使ったリサイクルの基本的な流れは、次の4ステップです。
ステップ1:廃材の分別
まずは素材ごとに廃材を分けましょう。PLAとABSのように異なる素材が混ざると、品質が大幅に落ちます。ラフト、サポート材、失敗プリントなど、同じ素材のものをまとめておきましょう。
ステップ2:R1で粉砕
分別した廃材をShredder R1に入れます。R1が廃材を4mm以下の均一なペレットに粉砕し、内蔵の乾燥機能で余分な水分を取り除きます。
ステップ3:M1でフィラメント化
粉砕したペレットをFilament Maker M1に入れ、素材に合った温度プロファイルを設定して押し出しを始めます。温度や速度の設定は、M1のガイド付きインターフェースが手助けしてくれます。
ステップ4:スプールに巻き取り
押し出されたフィラメントは、M1内蔵の巻き取りスプール機構で自動的にスプールに巻き取られます。完成したスプールは、そのまま3Dプリンターにセットして使えます。
この流れで、Crealityが掲げる「クローズドループ・フィラメントワークフロー」ができあがります。プリント→廃材→粉砕→再フィラメント化→プリント、というサイクルを自宅のデスクトップで完結できるのです。
よくある質問
Creality R1とM1は別々に購入できますか?
はい、R1(シュレッダー)とM1(フィラメントメーカー)はそれぞれ単体で購入できます。すでにペレットを持っているなら、M1だけでもフィラメントを作り始められます。
リサイクルフィラメントの品質は市販品と同等ですか?
M1でリサイクルペレットを使ったときの径精度は±0.1mmで、一般的な家庭用プリンターなら十分実用的です。ただし再溶融で強度が10〜20%程度落ちるので、強度が必要な部品にはバージンペレットを混ぜるのがおすすめです。
どんな素材でもリサイクルできますか?
対応素材はPLA、ABS、PETG、ASA、PA、PC、TPU、PETの8種類で、異なる素材を混ぜるとフィラメントの品質が落ちるため、必ず素材ごとに分別してからリサイクルしてください。
日本からも購入できますか?
Indiegogoのクラウドファンディングには日本からも支援できます。出荷は2026年Q2(4〜6月)開始予定とされていました。送料や関税は別途確認が必要です。
参考リンク
- How to Recycle 3D Printer Filament: Introducing Creality Filament Maker M1 & R1 — Creality公式ブログ
- Creality Filament Maker M1 & Shredder R1 – Creality Filastudio — Creality公式クラウドファンディングページ
- Creality Officially Launches Filament Maker M1 and Shredder R1 Recycling System — Fabbaloo
- Creality M1 & R1: Price, Release Timeline, Specs (Live Tracker) — Makers101
- Hands On With Creality's New M1 Filament Maker — Hackaday



