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Bambu Lab X2D徹底レビュー — デュアルノズルで変わるサポート材の常識と買い替え判断ガイド - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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Bambu Lab X2D徹底レビュー — デュアルノズルで変わるサポート材の常識と買い替え判断ガイド

3DLab
2026年4月26日
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2026年4月14日、Bambu Labから待望の新型3Dプリンター「X2D」が発売されました。X1 Carbonの実質的な後継機として位置づけられる本機の最大の特徴は、デュアルノズルシステムによる水溶性サポート材への対応です。この記事では、X2Dの主要スペック、デュアルノズルによるサポート材の使い勝手、X1 Carbonからの買い替え判断基準、そして価格帯別の競合比較まで、ハンズオンレビューをもとに徹底的に解説します。

X2Dの基本スペックと価格 — X1 Carbonからどう進化した?

Bambu Lab X2Dの日本での販売価格は、単体モデルが126,000円(税込)、AMS 2 Pro付きのComboが165,000円(税込)です。海外ではそれぞれ649ドル / 899ドルとなっています。P2S Comboとの差額はわずか約1万7,000円で、この価格差でデュアルノズルとアクティブチャンバーが手に入ると考えると、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。

造形サイズは256×256×260mm(メインノズル使用時)。デュアルノズル使用時は235.5×256×256mmとやや狭くなりますが、実用上は十分な造形エリアを確保しています。最大造形速度は1,000mm/s、最大加速度は20,000mm/s²と、前世代に引けを取らないスピードです。

ノズル温度は最大300℃、ベッド温度は最大120℃に対応。さらに、65℃のアクティブチャンバー加熱機能を搭載しており、ABS・ASA・ナイロンといった高温素材の反りを大幅に軽減します。3段階のHEPAフィルトレーションシステムも内蔵され、臭いとVOC(揮発性有機化合物)の除去にも配慮されています。

デュアルノズルの仕組み — 水溶性サポート材がここまで手軽に

X2Dのデュアルノズルは、1つのツールヘッドに2つのノズルを搭載する方式です。左側のメインノズルはダイレクトドライブ方式で、モデル材(PLA、PETG、TPUなど)の押し出しを担当します。右側の補助ノズルはボーデン方式(エクストルーダーが背面パネルに配置)で、主にサポート材の押し出しに使われます。

この構成の最大のメリットは、PVA(ポリビニルアルコール)やBVOHといった水溶性サポート材を簡単に使えることです。従来のシングルノズル機では、AMSを使った色替えのたびにフィラメントのパージ(排出)が発生し、材料の無駄が問題でした。X2Dでは2つのノズルを切り替えるだけなので、パージ廃棄量を最大70〜80%削減できるとされています。

水溶性サポート材を使えば、複雑なオーバーハング形状でもサポート痕をほぼゼロにできます。印刷後にぬるま湯に浸けるだけでサポートが溶けるため、手作業でサポートを剥がす手間と表面のダメージが大幅に減ります。精密な機構パーツやフィギュアなど、表面品質が重要な造形に特に効果的です。

なお、補助ノズルの最大速度は200mm/sとメインノズルより遅い点には注意が必要です。サポート材専用と割り切る設計になっており、IDEX(独立デュアルエクストルーダー)のようなミラー印刷や複製モードには対応していません。

X1 Carbonからの買い替え — 判断すべき3つのポイント

現在X1 Carbonを使っているユーザーにとって、X2Dへの買い替えは悩ましい選択です。以下の3つのポイントを基準に判断しましょう。

1. 水溶性サポート材を使いたいか
複雑な形状を頻繁に印刷する方、サポート除去の手間を減らしたい方にはX2Dのデュアルノズルは大きなアドバンテージです。逆に、単純な形状が中心でサポート材をあまり使わない方は、現行のX1 Carbonで十分でしょう。

2. アクティブチャンバー加熱が必要か
X2Dは65℃のアクティブヒーテッドチャンバーを搭載しています。ABS・ASA・ナイロンなどの高温素材を常用する方には、反りの軽減と造形安定性の向上が期待できます。PLAやPETGが中心の方は、X1 Carbonのパッシブ加熱でも問題ありません。

3. LiDARの有無をどう考えるか
X2DはX1 Carbonに搭載されていたMicro LiDARを非搭載としており、代わりに渦電流センサー(Eddy Current Sensor)でフローキャリブレーションを行います。LiDARによる初層スキャン機能に依存していた方は、この変更点を事前に確認しておきましょう。ただし、X2DにはAIカメラが搭載され、印刷中のエラー検出機能が強化されています。

価格帯別 競合比較 — X2D・P2S・H2Dどれを選ぶ?

2026年4月時点のBambu Lab主要ラインナップを比較します。

P2S Combo(約148,000円):デュアルノズルなし、チャンバー加熱なし。シンプルにコスパ重視でPLA・PETG中心に印刷する方向け。X2D Comboとの差額はわずか約17,000円なので、予算に余裕があればX2Dがおすすめです。

X2D Combo(165,000円):デュアルノズル+アクティブチャンバー+HEPAフィルター。水溶性サポート材を使った高品質な造形と、エンジニアリング素材への対応を両立するバランス型です。

H2D(約370,000円〜):プロ・業務用途向け。より大きな造形エリア、完全なIDEXシステム、さらに高い造形精度を求める方向け。個人用途ではオーバースペックになりやすいですが、量産試作や業務利用なら検討の価値があります。

個人ユーザーや小規模な造形サービスであれば、X2D Comboが価格と機能のバランスで最も満足度が高い選択肢と言えるでしょう。

250時間使ってわかった X2Dの実力と注意点

海外レビューサイトToms Hardwareでは、250時間以上のテスト印刷を経て「印刷ごとにトラブルなく安定した品質を出し続けた」と報告されています。特にデュアルマテリアルでのサポート除去の容易さと、パージ廃棄物の少なさが高く評価されました。

一方で、注意点もあります。補助ノズルはボーデン方式のため、TPUなどの軟質フィラメントを補助ノズルで使うことは推奨されていません。また、X軸のロッドがカーボンファイバーからスチールに変更されており、耐久性は向上しましたが重量がわずかに増加しています。

総合的に見て、X2Dは「デュアルノズルによる水溶性サポートの手軽さ」と「アクティブチャンバーによるエンジニアリング素材対応」を、15万円台という価格で実現した意欲的なモデルです。X1 Carbonからの正統進化として、2026年のFDMプリンター市場における有力な選択肢と言えるでしょう。

よくある質問

Bambu Lab X2Dの日本での価格はいくらですか?

X2D単体モデルが126,000円(税込)、AMS 2 Pro付きのComboモデルが165,000円(税込)です。2026年4月14日から販売が開始されています。

X2Dの水溶性サポート材はどうやって除去しますか?

PVAなどの水溶性サポート材を使用した場合、印刷後にぬるま湯(約60℃)に数時間浸けるだけでサポートが溶解します。手作業での除去が不要で、モデル表面を傷つけるリスクもありません。

X1 CarbonからX2Dに買い替えるべきですか?

水溶性サポート材を活用したい方、ABS・ASA・ナイロンなどの高温素材を頻繁に使う方には買い替えのメリットがあります。PLA中心でサポート材をあまり使わない方は、X1 Carbonのまま十分に活用できます。

X2DとP2Sのどちらを買うべきですか?

Combo同士の差額は約17,000円です。デュアルノズル、アクティブチャンバー加熱、HEPAフィルターが追加されるX2Dは、わずかな追加投資で大きな機能向上が得られるため、予算が許すならX2Dをおすすめします。

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