
Bambu Lab X2D徹底レビュー — デュアルノズルで変わるサポート材の常識と買い替え判断ガイド
2026年4月14日、Bambu Labから待望の新型3Dプリンター「X2D」が発売されました。X1 Carbonの実質的な後継機にあたり、最大の特徴はデュアルノズルシステムで水溶性サポート材を使えることです。この記事では、X2Dの主要スペック、デュアルノズルでのサポート材の使い勝手、X1 Carbonから買い替えるかどうかの判断基準、価格帯別の競合比較までを、ハンズオンレビューをもとに詳しく解説します。
X2Dの基本スペックと価格 — X1 Carbonからどう進化した?
Bambu Lab X2Dの日本での販売価格は、単体モデルが126,000円(税込)、AMS 2 Pro付きのComboが165,000円(税込)で、海外ではそれぞれ649ドル / 899ドルです。P2S Comboとの差額はわずか約1万7,000円です。この価格差でデュアルノズルとアクティブチャンバーが手に入ると考えると、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
造形サイズは256×256×260mm(メインノズル使用時)。デュアルノズル使用時は235.5×256×256mmとやや狭くなりますが、実用上は十分な広さがあります。最大造形速度は1,000mm/s、最大加速度は20,000mm/s²で、スピードも前世代に引けを取りません。
ノズル温度は最大300℃、ベッド温度は最大120℃に対応。さらに65℃のアクティブチャンバー加熱機能を搭載しており、ABS・ASA・ナイロンといった高温素材の反りを大幅に減らせます。3段階のHEPAフィルトレーションシステムも内蔵し、臭いとVOC(揮発性有機化合物)の除去にも配慮しています。
デュアルノズルの仕組み — 水溶性サポート材がここまで手軽に
X2Dのデュアルノズルは、1つのツールヘッドに2つのノズルを載せる方式です。左側のメインノズルはダイレクトドライブ方式で、モデル材(PLA、PETG、TPUなど)を押し出します。右側の補助ノズルはボーデン方式(エクストルーダーが背面パネルに配置)で、主にサポート材の押し出しに使われます。
この構成の最大のメリットは、PVA(ポリビニルアルコール)やBVOHといった水溶性サポート材を簡単に使えることです。従来のシングルノズル機では、AMSで色を替えるたびにフィラメントのパージ(排出)が必要で、材料の無駄が問題でした。X2Dでは2つのノズルを切り替えるだけなので、パージで捨てる量を最大70〜80%削減できるとされています。
水溶性サポート材を使えば、複雑なオーバーハング形状でもサポート痕をほぼゼロにできます。印刷後にぬるま湯に浸けるだけでサポートが溶けるため、手作業でサポートを剥がす手間も、表面が傷むことも大幅に減ります。精密な機構パーツやフィギュアなど、表面品質が重要な造形で特に役立ちます。
なお、補助ノズルの最大速度は200mm/sで、メインノズルより遅い点には注意が必要です。サポート材専用と割り切った設計で、IDEX(独立デュアルエクストルーダー)のようなミラー印刷や複製モードには対応していません。
X1 Carbonからの買い替え — 判断すべき3つのポイント
今X1 Carbonを使っているユーザーにとって、X2Dに買い替えるかどうかは悩ましいところです。次の3つのポイントを基準に判断しましょう。
1. 水溶性サポート材を使いたいか
複雑な形状をよく印刷する方や、サポート除去の手間を減らしたい方にとって、X2Dのデュアルノズルは大きな強みです。逆に、単純な形状が中心でサポート材をあまり使わない方は、今のX1 Carbonで十分でしょう。
2. アクティブチャンバー加熱が必要か
X2Dは65℃のアクティブヒーテッドチャンバーを搭載しています。ABS・ASA・ナイロンなどの高温素材をいつも使う方なら、反りが減り造形も安定すると期待できます。PLAやPETGが中心の方は、X1 Carbonのパッシブ加熱でも問題ありません。
3. LiDARの有無をどう考えるか
X2DはX1 Carbonに搭載されていたMicro LiDARを省いており、代わりに渦電流センサー(Eddy Current Sensor)でフローキャリブレーションを行います。LiDARによる初層スキャン機能に頼っていた方は、この変更点を事前に確認しておきましょう。ただし、X2DにはAIカメラが搭載され、印刷中のエラー検出機能が強化されています。
価格帯別 競合比較 — X2D・P2S・H2Dどれを選ぶ?
2026年4月時点のBambu Lab主要ラインナップを比較します。
P2S Combo(約148,000円)は、デュアルノズルなし、チャンバー加熱なし。シンプルにコスパ重視で、PLA・PETG中心に印刷する方向けです。X2D Comboとの差額はわずか約17,000円なので、予算に余裕があればX2Dがおすすめです。
X2D Combo(165,000円)は、デュアルノズル+アクティブチャンバー+HEPAフィルター。水溶性サポート材を使った高品質な造形と、エンジニアリング素材への対応を両立したバランス型です。
H2D(約370,000円〜)はプロ・業務用途向けで、より大きな造形エリア、完全なIDEXシステム、さらに高い造形精度を求める方に向いています。個人用途ではオーバースペックになりやすいものの、量産試作や業務利用なら検討の価値があります。
個人ユーザーや小規模な造形サービスなら、価格と機能のバランスでいちばん満足度が高いのはX2D Comboと言えるでしょう。
250時間使ってわかったX2Dの実力と注意点
海外レビューサイトToms Hardwareは、250時間以上のテスト印刷を行い、「印刷ごとにトラブルなく安定した品質を出し続けた」と報告しています。特にデュアルマテリアルでのサポート除去の容易さと、パージ廃棄物の少なさが高く評価されました。
一方で、注意点もあります。補助ノズルはボーデン方式のため、TPUなどの軟質フィラメントを補助ノズルで使うことは推奨されていません。また、X軸のロッドがカーボンファイバーからスチールに変わり、耐久性は上がったものの重量がわずかに増えています。
総合的に見て、X2Dは「デュアルノズルによる水溶性サポートの手軽さ」と「アクティブチャンバーによるエンジニアリング素材対応」を、15万円台という価格で実現した意欲的なモデルです。X1 Carbonからの正統な進化形として、2026年のFDMプリンター市場で有力な選択肢と言えるでしょう。
よくある質問
Bambu Lab X2Dの日本での価格はいくらですか?
X2D単体モデルが126,000円(税込)、AMS 2 Pro付きのComboモデルが165,000円(税込)です。販売は2026年4月14日に始まっています。
X2Dの水溶性サポート材はどうやって除去しますか?
PVAなどの水溶性サポート材を使った場合、印刷後にぬるま湯(約60℃)に数時間浸けるだけでサポートが溶けます。手作業で取り除く必要がなく、モデル表面を傷つけるおそれもありません。
X1 CarbonからX2Dに買い替えるべきですか?
水溶性サポート材を活用したい方や、ABS・ASA・ナイロンなどの高温素材をよく使う方には、買い替えるメリットがあります。PLA中心でサポート材をあまり使わない方は、X1 Carbonのままで十分です。
X2DとP2Sのどちらを買うべきですか?
Combo同士の差額は約17,000円です。X2Dにはデュアルノズル、アクティブチャンバー加熱、HEPAフィルターが加わり、わずかな追加投資で大きな機能向上が得られるため、予算が許すならX2Dをおすすめします。
参考リンク
- Bambu Lab X2D 公式製品ページ — Bambu Lab
- Bambu Lab X2D review: Improving a fan favorite — Toms Hardware
- X1CユーザーはX2Dに乗り換えるべきか — SK本舗
- 2026年版 Bambu Lab全機種比較 — SK本舗
- Bambu Lab X2D 3D printer review — TechRadar



