
Bambu Lab AMS vs 手動フィラメント交換|マルチカラー印刷システムの費用対効果を徹底比較
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3Dプリンターでマルチカラー印刷を始めたいけれど、「AMS(Automatic Material System)は本当に必要?」「手動でフィラメント交換するのとどれくらい差があるの?」と迷っていませんか。Bambu Labが提供するAMSシリーズは、フィラメントの自動切り替えによってマルチカラー・マルチマテリアル印刷を実現するシステムです。
本記事では、AMS 2 Pro・AMS Lite・手動フィラメント交換の3つの方式を、導入コスト・対応素材・廃棄フィラメント量・運用のしやすさの4つの軸で比較します。さらに他社のマルチカラーソリューションにも触れながら、あなたに合った選択肢を見つけるための判断材料を提供します。
マルチカラー印刷の3つの選択肢
Bambu Labのエコシステムでマルチカラー印刷を行う方法は、大きく3つあります。
1. AMS 2 Pro(上位モデル)は、4スロットのフィラメント自動供給ユニットです。最大6台をデイジーチェーン接続して24色に対応します。65℃のアクティブ乾燥機能を搭載し、湿気に弱いナイロンやPVAといった素材も安定して使えます。ブラシレスPMSMサーボモーターにより、旧モデル比で約60%高速なフィラメント切り替えを実現しています。
2. AMS Lite(A1シリーズ専用)は、A1・A1 mini・A2Lに対応するオープンフレーム設計のユニットです。4スロット・1台のみの構成(最大4色)ですが、静音性が高く、段ボール製スプールとの互換性も良好です。アクティブ乾燥機能はありませんが、PLAやPETGを中心に使う方には十分な機能を備えています。
3. 手動フィラメント交換は、Bambu Studioのポーズ機能を使い、色替えのタイミングでプリンターを一時停止させて手作業でフィラメントを入れ替える方法です。追加投資ゼロで始められますが、印刷中つきっきりになる必要があり、色数が増えるほど現実的ではなくなります。
選定で見るべき4つのポイント
マルチカラー印刷システムを比較する際、以下の4つの軸で判断すると後悔しにくい選択ができます。
導入コスト:AMS 2 Proの単体価格は約59,800円(税込、SK本舗・公式ストア参考価格)。AMS Liteは現在単体販売が終了しており、A1 Comboセット(約93,800円)やA1 mini Comboセット(約69,800円)として購入する形になります。手動交換は追加費用ゼロです。
対応フィラメント:AMS 2 Proは65℃アクティブ乾燥によりナイロン・PVA・TPU(Bambuブランド)にも対応します。AMS Liteはアクティブ乾燥非搭載のため、PLA・PETG・ABS程度が実用的な対象です。手動交換はプリンター本体が対応するすべての素材を使えます。
廃棄フィラメント量:色替えのたびにノズル内の前色を押し出す「パージ」が発生します。実際のユーザー報告では、51gのモデルに対して98gのパージ廃棄が出た例もあります。AMS 2 Proは旧モデル比で20〜30%のパージ削減を実現していますが、ゼロにはなりません。手動交換でも同様のパージは必要です。Bambu Studioの「サポートにパージを流す」設定や、類似色の連続配置で廃棄量を60%以上削減できるとされています。
運用のしやすさ:AMS導入の最大のメリットは「放置印刷」が可能になることです。手動交換では色替えのたびに待機する必要がありますが、AMSなら印刷開始後は完成まで離れていられます。一方、AMSはジャムやフィード不良といったトラブルが発生する可能性があり、特に旧AMS(初代)では「最もフラストレーションの溜まるパーツ」という声もありました。AMS 2 Proではこの信頼性が改善されています。
価格・スペック比較表(2026年7月時点)
| 項目 | AMS 2 Pro | AMS Lite | 手動交換 |
|---|---|---|---|
| 参考価格 | 約59,800円(単体) | 単体販売終了(Comboセットで購入) | 0円 |
| スロット数 | 4(最大6台接続=24色) | 4(1台のみ=最大4色) | 1(手動) |
| アクティブ乾燥 | 65℃対応 | 非搭載 | — |
| RFID自動認識 | 対応 | 対応 | — |
| 対応プリンター | X1C / X1E / P1S / P1P / P2S | A1 / A1 mini / A2L | 全機種 |
| 対応素材 | PLA / PETG / ABS / ASA / ナイロン / PVA / TPU | PLA / PETG / ABS(実用範囲) | プリンター依存 |
| パージ廃棄 | 旧モデル比20〜30%削減 | 標準的 | 同等に発生 |
| 放置印刷 | 可能 | 可能 | 不可(待機必須) |
| 静音性 | 普通 | 静か(48dB以下) | — |
| こんな人に | 多色・高品質重視、多素材を使いたい方 | A1ユーザーで手軽にマルチカラーを始めたい方 | 単色メイン、たまに2〜3色 |
AMS 2 Pro — 多色・多素材を本格運用するなら
Bambu Lab AMS 2 Proは、マルチカラー印刷を「本格的に」運用したいユーザーに向けた上位モデルです。最大の強みは65℃のアクティブ乾燥機能で、ナイロンやPVAなど湿気に弱い素材をAMS内で乾燥状態に保ちながら印刷できます。
良い点:ブラシレスサーボモーターによる高速フィラメント交換(1回あたり15〜25秒)、セラミック製インレットによる摩耗耐性、最大6台24色の拡張性。RFIDでBambu純正フィラメントの設定を自動読み込みでき、セットアップの手間が少なくなります。
気をつけたい点:単体で約59,800円と決して安くはなく、対応プリンター(X1C / P1S / P2Sなど)を別途用意する必要があります。また、色替え回数が多いプリントではパージ廃棄の積み重ねが無視できません。Bambu Studioのパージ設定を最適化することで大幅に削減できますが、完全にゼロにはできない点は理解しておきましょう。
AMS Lite — A1シリーズで手軽にマルチカラー
Bambu Lab AMS Liteは、A1シリーズ専用に設計されたコンパクトなフィラメント自動供給ユニットです。2026年7月現在、単体販売は終了しており、A1 ComboやA1 mini Comboのセット購入が主な入手方法です。
良い点:オープンフレーム設計で詰まりの解消が容易、段ボール製スプールにも対応する柔軟なスプール互換性、48dB以下の静音動作。長期使用でも安定した信頼性が報告されており、「AMS Liteは壊れにくい」というユーザーの声が多いのも特徴です。
気をつけたい点:アクティブ乾燥非搭載のため、湿気に弱い素材(ナイロン・PVAなど)の長時間プリントには向きません。また、1台のみの運用(最大4色)で、AMS 2 Proのようなデイジーチェーン拡張はできません。4色以上を使いたい場合は別の方法を検討する必要があります。
他社マルチカラーソリューションとの比較
Bambu Lab以外にも、マルチカラー印刷を実現する方法はいくつかあります。
Mosaic Palette 3 Pro(約$799)は、外付けのフィラメントスプライサーです。最大8色に対応し、既存の任意のFDMプリンターに後付けできるのが最大の強みです。ただし、スプライス方式のため接合部分での素材ロスが発生し、AMS以上の廃棄が出る傾向があります。
Anycubic ACE Pro(約$246)は、Kobra 3シリーズ向けのマルチカラーシステムです。200Wデュアルヒーターによるアクティブ乾燥を搭載しながらAMS 2 Proより低価格で、コストを抑えたい方の選択肢になります。ただしAnycubicプリンター専用です。
Creality CFS(K2 Plusなど向け)は、最大4台16色に対応するRFID搭載システムです。350×350×350mmの大型造形に対応するK2 Plusとの組み合わせが特徴で、大きなモデルのマルチカラー印刷に向いています。
費用対効果のシミュレーション — AMSは元が取れるのか
AMS導入の費用対効果は「どれくらいの頻度でマルチカラー印刷をするか」に大きく依存します。
月1〜2回程度のマルチカラー印刷:手動交換で十分対応できます。色替え回数が少なければ待機時間も限定的で、AMS投資の回収は難しいでしょう。
週1回以上、または5色以上のプリント:AMSのメリットが明確になります。1回の色替えにかかる手間(停止通知の確認→フィラメント入れ替え→再開)を仮に3分とすると、10回の色替えで30分。週に複数回となれば、月に数時間の作業時間を節約できます。夜間の無人印刷が可能になる点も大きなメリットです。
パージ廃棄のコスト:1回の色替えで約5〜10gのフィラメントが廃棄されます。PLAフィラメント1kgを約3,000円とすると、1回のパージで15〜30円のコスト。100回の色替えで1,500〜3,000円程度です。これは使用頻度に応じて積み重なりますが、時間節約のメリットと天秤にかけて判断しましょう。
よくある質問
AMS 2 ProとAMS Liteはどちらを買うべきですか?
お使いのプリンターで決まります。X1C・P1S・P2Sなどのユーザーは AMS 2 Pro が対応。A1・A1 miniユーザーは AMS Lite(Comboセット)が選択肢です。異なるシリーズ間での互換性はありません。
AMS導入でフィラメント廃棄はどのくらい出ますか?
色替え1回あたり約5〜10gのパージが発生します。Bambu Studioの「サポートにフラッシュ」設定や類似色の隣接配置で、廃棄量を60%以上削減できるとされています。
AMS LiteにPETGやABSは使えますか?
PETGは問題なく使用可能です。ABSも短時間なら使えますが、アクティブ乾燥がないため長時間(8時間以上)の印刷では吸湿による品質低下が起きる可能性があります。ナイロン・PVAにはAMS 2 Proの乾燥機能が推奨されます。
手動フィラメント交換でマルチカラー印刷は現実的ですか?
2〜3色程度かつ色替え回数が10回以下なら十分現実的です。Bambu Studioのポーズ機能で色替え位置を設定し、通知が来たら手作業で入れ替えます。ただし5色以上や100回を超える色替えでは、印刷中ずっと待機する必要があり実用的ではありません。
AMS 2 Proは旧AMS(初代)と何が違いますか?
ブラシレスモーターによる60%高速化、65℃アクティブ乾燥、セラミック製インレット、パージ廃棄20〜30%削減が主な改善点です。さらに最大接続台数が4台→6台(24色)に拡張されています。旧AMS で報告されていたフィード不良も改善されています。
参考リンク
- Bambu Lab AMS 比較ページ(公式) — Bambu Lab
- AMS Main Functions and Workflow — Bambu Lab Wiki
- Reduce Waste during Filament Change — Bambu Lab Wiki
- AMS 2 Pro・AMS HT・AMS liteの違いと選び方 — SK本舗
- Bambu Lab AMS 2 Pro — 公式ストア — Bambu Lab JP Store



