
Bambu Lab AMS vs 手動フィラメント交換|マルチカラー印刷システムの費用対効果を徹底比較
本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。Amazon.co.jp のアソシエイトとして、3DLab は適格販売により収入を得ています。掲載価格・在庫情報は2026年7月時点のものであり、変動する場合があります。
3Dプリンターでマルチカラー印刷を始めたいけれど、「AMS(Automatic Material System)は本当に必要?」「手動でフィラメント交換するのとどれくらい差があるの?」と迷っていませんか。Bambu LabのAMSシリーズは、フィラメントを自動で切り替えて、マルチカラー・マルチマテリアル印刷をできるようにするシステムです。
この記事では、AMS 2 Pro・AMS Lite・手動フィラメント交換の3つの方式を、導入コスト・対応素材・廃棄フィラメント量・運用のしやすさの4つの軸で比べます。他社のマルチカラーの仕組みにも触れながら、自分に合った方式を選ぶための材料をまとめました。
マルチカラー印刷の3つの選択肢
Bambu Labのプリンターでマルチカラー印刷をする方法は、大きく分けて3つあります。
1つ目のAMS 2 Pro(上位モデル)は、4スロットのフィラメント自動供給ユニットです。最大6台をデイジーチェーン接続すれば24色まで使えます。65℃のアクティブ乾燥機能があり、湿気に弱いナイロンやPVAのような素材も安定して使えます。ブラシレスPMSMサーボモーターを使っていて、フィラメントの切り替えは旧モデルより約60%速くなりました。
2つ目のAMS Lite(A1シリーズ専用)は、A1・A1 mini・A2Lに対応したオープンフレーム設計のユニットです。4スロットで1台しかつなげない構成(最大4色)ですが、動作音が静かで、段ボール製スプールとの相性も良好です。アクティブ乾燥機能はないものの、PLAやPETGを中心に使う方には十分な機能があります。
3つ目の手動フィラメント交換は、Bambu Studioのポーズ機能を使う方法です。色替えのタイミングでプリンターを一時停止させ、手作業でフィラメントを入れ替えます。追加の出費なしで始められますが、印刷中はつきっきりになり、色数が増えるほど現実的ではなくなります。
選定で見るべき4つのポイント
マルチカラー印刷の方式は、次の4つの軸で比べると後悔しにくくなります。
導入コスト:AMS 2 Proの単体価格は約59,800円(税込、SK本舗・公式ストア参考価格)。AMS Liteは単体販売がすでに終わっていて、A1 Comboセット(約93,800円)やA1 mini Comboセット(約69,800円)として買うことになります。手動交換なら追加費用はかかりません。
対応フィラメント:AMS 2 Proは65℃のアクティブ乾燥があるので、ナイロン・PVA・TPU(Bambuブランド)にも対応します。AMS Liteはアクティブ乾燥を搭載していないため、実用的に使えるのはPLA・PETG・ABS程度です。手動交換なら、プリンター本体が対応するすべての素材を使えます。
廃棄フィラメント量:色替えのたびに、ノズル内に残った前の色を押し出す「パージ」が必要になります。ユーザーの報告では、51gのモデルに対して98gのパージ廃棄が出た例もありました。AMS 2 Proではパージが旧モデルより20〜30%減りましたが、ゼロにはなりません。手動交換でも同じようにパージは要ります。Bambu Studioの「サポートにパージを流す」設定や、似た色を続けて配置する工夫で、廃棄量を60%以上減らせるとされています。
運用のしやすさ:AMSを入れるいちばんのメリットは、印刷を任せて放っておけることです。手動交換では色替えのたびに待っていなければなりませんが、AMSなら印刷を始めたあとは完成まで離れていられます。一方で、AMSではジャムやフィード不良などのトラブルが起きる可能性があります。とくに旧AMS(初代)には「最もフラストレーションの溜まるパーツ」という声もありましたが、AMS 2 Proでは信頼性が改善されています。
価格・スペック比較表(2026年7月時点)
| 項目 | AMS 2 Pro | AMS Lite | 手動交換 |
|---|---|---|---|
| 参考価格 | 約59,800円(単体) | 単体販売終了(Comboセットで購入) | 0円 |
| スロット数 | 4(最大6台接続=24色) | 4(1台のみ=最大4色) | 1(手動) |
| アクティブ乾燥 | 65℃対応 | 非搭載 | — |
| RFID自動認識 | 対応 | 対応 | — |
| 対応プリンター | X1C / X1E / P1S / P1P / P2S | A1 / A1 mini / A2L | 全機種 |
| 対応素材 | PLA / PETG / ABS / ASA / ナイロン / PVA / TPU | PLA / PETG / ABS(実用範囲) | プリンター依存 |
| パージ廃棄 | 旧モデル比20〜30%削減 | 標準的 | 同等に発生 |
| 放置印刷 | 可能 | 可能 | 不可(待機必須) |
| 静音性 | 普通 | 静か(48dB以下) | — |
| こんな人に | 多色・高品質重視、多素材を使いたい方 | A1ユーザーで手軽にマルチカラーを始めたい方 | 単色メイン、たまに2〜3色 |
AMS 2 Pro — 多色・多素材を本格運用するなら
Bambu Lab AMS 2 Proは、マルチカラー印刷を本格的に使いこなしたいユーザー向けの上位モデルです。いちばんの強みは65℃のアクティブ乾燥機能で、ナイロンやPVAなど湿気に弱い素材を、AMSの中で乾いた状態に保ったまま印刷できます。
良い点:ブラシレスサーボモーターによる速いフィラメント交換(1回あたり15〜25秒)、セラミック製インレットで摩耗しにくいこと、最大6台24色まで増やせること。RFIDでBambu純正フィラメントの設定を自動で読み込めるので、セットアップの手間も減ります。
気をつけたい点:単体で約59,800円と安くはなく、対応プリンター(X1C / P1S / P2Sなど)も別に用意しなければなりません。色替えの回数が多いプリントでは、積み重なるパージ廃棄も無視できない量になります。Bambu Studioのパージ設定を詰めれば大幅に減らせるものの、完全にゼロにはできない点は理解しておきましょう。
AMS Lite — A1シリーズで手軽にマルチカラー
Bambu Lab AMS Liteは、A1シリーズ専用に設計されたコンパクトなフィラメント自動供給ユニットです。2026年7月現在、単体販売は終了しており、A1 ComboやA1 mini Comboのセット購入が主な入手方法です。
良い点:オープンフレーム設計で詰まりを直しやすいこと、段ボール製スプールにも対応するなどスプールを選ばないこと、48dB以下の静かな動作。長く使っても安定しているという報告があり、「AMS Liteは壊れにくい」というユーザーの声も多く聞かれます。
気をつけたい点:アクティブ乾燥を搭載していないため、湿気に弱い素材(ナイロン・PVAなど)の長時間プリントには向きません。1台だけの運用(最大4色)で、AMS 2 Proのようにデイジーチェーンで増設することもできません。4色以上を使いたい場合は、別の方法を考える必要があります。
他社マルチカラーソリューションとの比較
Bambu Lab以外にも、マルチカラー印刷をする方法はいくつかあります。
Mosaic Palette 3 Pro(約$799)は、外付けのフィラメントスプライサーです。最大8色に対応し、手持ちのどのFDMプリンターにも後付けできるのがいちばんの強みです。ただしスプライス方式なので、つなぎ目の部分で素材のロスが出て、AMSより廃棄が多くなる傾向があります。
Anycubic ACE Pro(約$246)は、Kobra 3シリーズ向けのマルチカラーシステムです。200Wのデュアルヒーターによるアクティブ乾燥を搭載しながらAMS 2 Proより安く、コストを抑えたい方の選択肢になります。ただし、使えるのはAnycubicのプリンターだけです。
Creality CFS(K2 Plusなど向け)は、最大4台16色に対応するRFID搭載のシステムです。350×350×350mmの大型造形ができるK2 Plusと組み合わせられるので、大きなモデルのマルチカラー印刷に向いています。
費用対効果のシミュレーション — AMSは元が取れるのか
AMSを入れて元が取れるかどうかは、マルチカラー印刷をどれくらいの頻度でするかで大きく変わります。
月1〜2回程度のマルチカラー印刷:手動交換で十分です。色替えの回数が少なければ待つ時間も短く、AMSにかけた費用を回収するのは難しいでしょう。
週1回以上、または5色以上のプリント:AMSのメリットがはっきりします。1回の色替えにかかる手間(停止通知の確認、フィラメントの入れ替え、再開)を仮に3分とすると、10回の色替えで30分です。週に何回も印刷するなら、月に数時間の作業時間を節約できます。夜間に無人で印刷できるようになるのも大きなメリットです。
パージ廃棄のコスト:1回の色替えで約5〜10gのフィラメントが捨てられます。PLAフィラメント1kgを約3,000円とすると、1回のパージで15〜30円、100回の色替えで1,500〜3,000円程度です。この費用は使う頻度に応じて積み重なるので、時間を節約できるメリットと比べて判断してください。
よくある質問
AMS 2 ProとAMS Liteはどちらを買うべきですか?
使っているプリンターで決まります。X1C・P1S・P2SなどのユーザーならAMS 2 Proが対応しており、A1・A1 miniのユーザーはAMS Lite(Comboセット)を選ぶことになります。シリーズをまたいだ互換性はありません。
AMS導入でフィラメント廃棄はどのくらい出ますか?
色替え1回あたり約5〜10gのパージが出ます。Bambu Studioの「サポートにフラッシュ」設定や、似た色を隣り合わせに配置する工夫で、廃棄量を60%以上減らせるとされています。
AMS LiteにPETGやABSは使えますか?
PETGは問題なく使用可能です。ABSも短時間なら使えますが、アクティブ乾燥がないので、長時間(8時間以上)の印刷では湿気を吸って品質が落ちる可能性があります。ナイロン・PVAには、AMS 2 Proの乾燥機能が推奨されています。
手動フィラメント交換でマルチカラー印刷は現実的ですか?
2〜3色程度で、色替えが10回以下なら十分現実的です。Bambu Studioのポーズ機能で色替えの位置を設定しておき、通知が来たら手作業で入れ替えます。ただ、5色以上や100回を超える色替えになると、印刷中ずっと待っていなければならず実用的ではありません。
AMS 2 Proは旧AMS(初代)と何が違いますか?
主な改善点は、ブラシレスモーターによる60%の高速化、65℃のアクティブ乾燥、セラミック製インレット、パージ廃棄の20〜30%削減です。最大接続台数も4台から6台(24色)に増えました。旧AMSで報告されていたフィード不良も改善されています。
参考リンク
- Bambu Lab AMS 比較ページ(公式) — Bambu Lab
- AMS Main Functions and Workflow — Bambu Lab Wiki
- Reduce Waste during Filament Change — Bambu Lab Wiki
- AMS 2 Pro・AMS HT・AMS liteの違いと選び方 — SK本舗
- Bambu Lab AMS 2 Pro — 公式ストア — Bambu Lab JP Store



