ブログ一覧に戻る
AnkerMake M5Cが売れ続ける理由 — 2026年上半期売上1位の実力を再検証 - 3Dプリンタブログ | 3DLab
3Dプリンター

AnkerMake M5Cが売れ続ける理由 — 2026年上半期売上1位の実力を再検証

3DLab
2026年7月3日
0 views

本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。Amazon.co.jp のアソシエイトとして、3DLab は適格販売により収入を得ています。掲載価格・在庫情報は2026年7月時点のものであり、変動する場合があります。

AnkerMake M5Cは、2023年の発売から2年以上が経った今もなお、価格.comの3Dプリンター売れ筋ランキングで1位をキープしています(2026年6月時点)。「なぜこの機種がここまで売れ続けるのか?」——その疑問に答えるべく、実機を使い込んだ視点からスペック・使い勝手・競合比較を改めて検証しました。

AnkerMake M5Cの基本スペックをおさらい

AnkerMake M5Cは、Ankerが2023年8月に発売したFDM方式の3Dプリンターです。上位モデルのAnkerMake M5からタッチスクリーンとAIカメラを省いたかわりに、価格を大幅に抑えたモデルとして登場しました。ただし「廉価版」と呼ぶには語弊があり、ノズル最高温度は300℃とM5の260℃を上回るなど、印刷性能自体はむしろ強化されています。

主なスペックは以下のとおりです。

  • 最大印刷速度: 500mm/s
  • 造形サイズ: 220×220×250mm
  • ノズル最高温度: 300℃
  • 対応フィラメント: PLA / PETG / ABS / PA(ナイロン)など
  • 自動レベリング: 7×7ポイント自動校正
  • ビルドプレート: PEIスプリングシート(磁気着脱式)
  • 本体重量: 約7.4kg
  • 価格: 69,990円(税込・2026年7月時点の最安価格)

セール時には42,000円前後まで下がった実績もあり、Amazonで2万円引きのクーポンが配布されることもあります。実売価格の安さも人気の一因です。

高速印刷の実力——500mm/sは実用的か

AnkerMake M5Cの最大の特徴は、最大500mm/sという印刷速度です。一般的なFDMプリンターの標準速度が50〜100mm/s程度であることを考えると、数値上は5〜10倍という圧倒的なスペックです。

ただし、500mm/sは「移動速度」の理論値であり、実際の印刷時の速度は造形物の形状や使用するフィラメントによって変わります。PLA素材で中程度の複雑さのモデルを印刷する場合、実測では200〜300mm/s前後で安定した仕上がりが得られます。これでも従来機の2〜3倍にあたるため、「同じモデルを印刷してもM5Cだと半分以下の時間で完了する」という実感があります。

高速印刷によるゴーストリング(振動による表面のうねり)については、Anker独自のカスタムファームウェアによる振動補正がある程度吸収してくれます。ベンチマークモデル(3DBenchy等)の仕上がりを見る限り、速度と品質のバランスは価格帯を考えると十分に合格点です。

静音性とアプリ連携——日常使いの使い勝手

AnkerMake M5Cは、TMC2209静音モータードライバを搭載しています。メーカー公称の平均騒音レベルは約45dBで、これは「図書館の室内」程度の静かさです。リビングに置いても、印刷中に会話が妨げられるようなことはありません。

ただし、冷却ファンが高速回転する場面ではそれなりに音が出ます。特にオーバーハングの多いモデルを印刷するときは、ファンがフル稼働するため50dB前後まで上がることがあります。夜間に寝室の隣で長時間印刷を回すような用途では、設置場所に少し配慮が必要です。

スマホアプリ「AnkerMake」は、Wi-Fi経由でプリンターを制御できます。スライスしたデータの送信、印刷の開始・停止・一時停止、進捗確認がアプリ上で完結するため、SDカードの抜き差しは不要です。M5Cにはディスプレイが搭載されていないため、基本的にすべての操作をアプリから行う設計になっています。この割り切りが「シンプルで迷わない」と好評です。

競合比較——Bambu Lab A1 mini・Creality K1Cとどう違う?

同価格帯で競合となるのは、Bambu Lab A1 miniCreality K1Cの2機種です。それぞれの立ち位置を比較してみましょう。

Bambu Lab A1 mini(約29,800円〜)

Bambu Lab A1 miniは、造形サイズが180×180×180mmとM5Cより一回り小さいものの、全自動キャリブレーションと流量補正の精度は業界トップクラスです。AMS liteを追加すれば最大4色のマルチカラー印刷に対応するのも大きな魅力です。騒音レベルは48dB以下とされています。

価格はM5Cの約半額で、「コンパクトでいいから精度を求めたい」「多色印刷をやりたい」という方にはA1 miniが向いています。一方で、造形サイズを重視するならM5Cに軍配が上がります。

Creality K1C(約64,000円〜)

Creality K1Cは最大600mm/sの印刷速度と加速度20,000mm/s²を誇り、スペック上の速度ではM5Cを上回ります。フルメタルエクストルーダーでカーボンファイバー系フィラメントにも対応し、AIカメラによる監視機能も標準搭載です。筐体がフルエンクロージャーのため、ABS印刷時の反りを抑えやすいのも利点です。

価格帯はM5Cと近いですが、K1Cは「速度と素材対応の幅を重視する中級者以上向け」という性格です。初めての1台として迷っている方は、セットアップの手軽さでM5Cのほうが安心感があります。

価格・スペック比較表(2026年7月時点)

項目AnkerMake M5CBambu Lab A1 miniCreality K1C
実売価格約69,990円約29,800円約64,000円
最大印刷速度500mm/s500mm/s600mm/s
造形サイズ220×220×250mm180×180×180mm220×220×250mm
ノズル温度上限300℃300℃300℃
騒音レベル約45dB約48dB以下約45dB(静音モード)
自動レベリング7×7全自動全自動
マルチカラー非対応AMS lite対応オプション対応
エンクロージャーなし(オープン)なし(オープン)あり(密閉型)
ディスプレイなし(アプリ操作)2.4インチ4.3インチタッチ
こんな人に手軽さ重視の入門者コスパ・多色を求める方速度・素材対応の中級者

M5Cが売れ続ける3つの理由

ここまでの検証を踏まえると、AnkerMake M5Cがランキング上位を維持している理由は次の3点に集約されます。

1. Ankerブランドの信頼感
モバイルバッテリーや充電器で培った「Anker」のブランド力は大きいです。3Dプリンターに馴染みのない方でも「Ankerなら安心」と手に取りやすい。日本語サポートの充実度も購入の後押しになっています。

2. 過不足のないスペックバランス
500mm/sの高速印刷、300℃ノズル、PEIプレート、自動レベリング——2026年の基準でもエントリー機に必要な機能をひと通り備えています。「あれもこれも」と盛り込みすぎず、ディスプレイやカメラを省いて価格を下げた判断が、結果的に「迷ったらこれ」という定番ポジションを確立しました。

3. セール時の価格破壊力
定価69,990円でも競争力がありますが、Amazonセールやクーポンで4万円台前半まで下がることがあります。この価格帯に500mm/s機が入ってくると、他機種は価格面でなかなか対抗しづらいのが実情です。

気をつけたいポイント

万能に見えるM5Cですが、購入前に知っておきたい点もあります。

  • ディスプレイ非搭載: すべての操作はスマホアプリ経由です。アプリを使いたくない方や、Wi-Fi環境がない場所での運用には不向きです。
  • マルチカラー非対応: 単色印刷専用です。多色印刷をしたい場合はBambu Lab A1 mini + AMS liteのほうが適しています。
  • エンクロージャーなし: オープンフレーム設計のため、ABS印刷時の反りや臭い対策は自分で工夫する必要があります。
  • 冷却ファンの音: モーター自体は静かですが、冷却ファン使用時はそれなりに音が出ます。

よくある質問

AnkerMake M5Cは初心者でも使えますか?

はい。組み立ては約15分で完了し、自動レベリングも搭載しているため、3Dプリンター初心者の方でも問題なく使い始められます。操作はスマホアプリで完結するため直感的です。

AnkerMake M5CとM5のどちらを選ぶべきですか?

印刷性能だけで見ればM5Cのほうがノズル温度が高く、価格も安いためコスパに優れます。タッチスクリーンやAIカメラが必要な場合のみM5を選ぶとよいでしょう。

実際の印刷速度は500mm/s出ますか?

500mm/sは最大移動速度の理論値です。実際の印刷では200〜300mm/s前後が安定した品質を得やすい速度帯ですが、それでも従来機の2〜3倍の速さです。

どんなフィラメントが使えますか?

PLA・PETG・ABS・TPU・PAなど幅広い素材に対応しています。ノズル温度が300℃まで上がるため、高温を要する素材にも対応可能です。

M5Cの騒音はどの程度ですか?

メーカー公称で約45dBです。モーター駆動音自体は静かですが、冷却ファンがフル稼働する場面では50dB前後まで上がることがあります。リビングでの使用は問題ないレベルです。

参考リンク

タグ

3DプリンターAnkerMake M5Cレビュー比較2026年
3Dプリンター体験