
Bambu Lab A2Lは買いか?A1・P2Sとの違いを大型造形・マルチツール・価格で徹底比較
2026年6月1日、Bambu Labから新型3Dプリンター「A2L」が発売されました。Aシリーズ初の大型モデルとして、従来のA1から造形サイズが約105%拡大。さらにカッティングモジュールやペン描画など、3Dプリンターの枠を超えたマルチツール機能も備えています。
しかし、既存のA1やP2Sと比べてどこが違うのか、自分にはどれが合っているのか迷う方も多いでしょう。この記事では、A2L・A1・P2Sの3機種を造形サイズ・対応素材・振動補正・マルチカラー・価格の5つの軸で比較し、購入判断のポイントを整理します。
A2Lの基本スペックと特徴
A2Lは、Bambu LabのAシリーズに位置する大型FDM 3Dプリンターです。造形サイズは330×320×325mm(約34リットル)で、従来の256mmクラスのA1やP2Sと比べて約2倍の造形容量を実現しています。日本での販売価格は、A2L単体が64,800円、AMS lite同梱のA2L Comboが84,800円です(2026年6月時点、Bambu Lab JPストア価格)。
フレーム構造はA1と同じオープンフレームのベッドスリンガー方式を採用。オープン設計のため、PLA・PETG・TPU(乾燥済み)などが主な対応素材で、ABS・ASAなどのエンジニアリング素材には対応していません。
最大印刷速度は500mm/s、ノズル最高温度は300℃、静音モードでの動作音は49dB未満と、大型機ながら自宅での使用も視野に入れた設計です。
造形サイズの比較:A2Lはどれくらい大きい?
3機種の造形サイズを比較すると、A2Lの大きさが際立ちます。
| 機種 | 造形サイズ | 造形容量 |
|---|---|---|
| A2L | 330×320×325mm | 約34リットル |
| A1 | 256×256×256mm | 約17リットル |
| P2S | 256×256×256mm | 約17リットル |
A2Lは、A1やP2Sの約2倍の容量があります。コスプレ用のヘルメットやフルサイズの装飾品など、分割印刷が必要だった大型パーツを一体で造形できるのが最大の利点です。複数の小さなパーツをまとめてバッチ印刷する場合にも、ベッド面積の広さが活きてきます。
振動補正とプリント品質の違い
大型造形で重要になるのが振動対策です。ベッドスリンガー方式は、造形物が大きく・重くなるほどベッドの揺れ(リンギング)が品質に影響しやすい構造です。
A2Lは「アダプティブ振動補正」を採用しています。これは、ベッド上の造形物の重さとツールヘッドの位置をリアルタイムで監視し、造形中に補正データを動的に再計算する仕組みです。さらに2つの粒子ダンパーを内蔵し、物理的にも振動を抑えます。
一方、A1の振動補正は起動時に1回キャリブレーションを行う「入力整形(Input Shaping)」方式です。小〜中サイズの造形では十分ですが、大型・重量パーツでは造形途中で条件が変わるため、A2Lのリアルタイム補正にアドバンテージがあります。
P2Sはエンクロージャー付きのCoreXY方式を採用しています。ベッドは垂直方向にしか動かないため、そもそもベッド由来の振動が発生しにくく、高精度な造形が得意です。
対応素材とエンクロージャーの有無
3機種の大きな違いのひとつが、対応素材の範囲です。
| 機種 | フレーム | ベッド温度 | 対応素材 |
|---|---|---|---|
| A2L | オープン | 最高80℃ | PLA, PETG, TPU |
| A1 | オープン | 最高100℃ | PLA, PETG, TPU |
| P2S | エンクロージャー付き | 最高110℃ | PLA, PETG, TPU, ABS, ASA, PA, PC, PVA |
P2Sはエンクロージャー(筐体)によって庫内温度を一定に保てるため、反りやすいABS・ASA・ナイロン・ポリカーボネートなどのエンジニアリング素材にも対応します。活性炭フィルターも内蔵しており、換気しにくい環境でも使いやすい設計です。
A2LとA1はどちらもオープンフレームなので、基本的にPLA・PETG・TPUが中心になります。注意点として、A2Lのベッド最高温度はA1(100℃)より低い80℃です。PETGの造形には問題ありませんが、素材によっては定着に影響する場合があります。
マルチカラーとマルチツール対応
A2Lの特徴的な機能のひとつが、3Dプリンター以外のツールモジュールに対応している点です。
A2Lでは、ツールヘッドのカバーを交換することで、ブレードカッティングモジュールやペン描画モジュールを装着できます。カッティングモジュールでは300×300mmの領域でビニール・レザー・布地・ステッカー・紙などの精密カットが可能。いわばCricutのようなカッティングマシンの機能が1台に統合されています。
マルチカラー造形では、A2Lは第2世代AMS(AMS lite / AMS 2 Pro)に対応し、最大4ユニットを連結して19色での造形が可能です。A1はAMS liteに対応しますが、連結は1ユニットのみで最大4色です。P2SはAMS 2 Proに対応し、1ユニットあたり4色です。
また、A2Lのマルチカラー造形はA1と比較してパージ(色替え時の無駄な排出)が約18%削減され、4色造形のベンチマークではA1の約3時間12分に対してA2Lは約1時間45分と大幅に高速化しているとされています。
価格比較と購入判断ガイド
2026年6月時点の日本国内での販売価格を比較します。
| 機種 | 単体価格 | Combo価格 |
|---|---|---|
| A2L | 64,800円 | 84,800円(AMS lite付き) |
| A1 | 約39,800円 | 約59,800円(AMS lite付き) |
| P2S | 約82,000円 | 約148,000円(AMS 2 Pro付き) |
A2Lがおすすめの方:大きな造形物を一体で出力したい方、カッティングやペン描画にも興味がある方、マルチカラー造形を本格的にやりたい方。PLA・PETGが中心の用途であれば、P2Sより低コストで大型造形環境が手に入ります。
A1がおすすめの方:256mm以内のサイズで十分な方、初めての3Dプリンターを検討中の方、コストを最優先したい方。A1は実売4万円前後でBambu Lab品質が手に入るエントリーモデルとして依然として有力な選択肢です。
P2Sがおすすめの方:ABS・ASA・ナイロンなどのエンジニアリング素材を使いたい方、静音性や臭い対策が重要な方、高精度なCoreXY方式が必要な方。造形サイズよりも素材の自由度と品質を重視するならP2Sです。
よくある質問
A2LでABSやASAは使えますか?
A2Lはオープンフレーム設計のため、ABS・ASAなどの反りやすい素材には対応していません。エンジニアリング素材を使いたい場合は、エンクロージャー付きのP2Sが適しています。
A1を持っていますが、A2Lに買い替えるべきですか?
256mmサイズで不足を感じていないなら、急いで買い替える必要はありません。大型造形やマルチツール機能に明確な用途がある場合に検討する価値があります。
A2Lのカッティングモジュールは別売りですか?
はい、カッティングアップグレードキットは別売りです。A2L本体とは別に購入する必要があります。カット領域は300×300mm、ペン描画領域は300×255mmです。
A2Lはどのくらい静かですか?
静音モードでは49dB未満で、通常モードでも約52dBです。一般的な会話(60dB程度)より静かなので、自宅のリビングでも使用しやすいレベルです。
A2LとP2Sで迷っています。どちらを選ぶべき?
PLA・PETGが中心で大きなものを作りたいならA2L、ABS・ナイロンなど多様な素材を使いたいならP2Sが向いています。造形サイズと素材の自由度、どちらを優先するかが判断の分かれ目です。
参考リンク
- Bambu Lab A2L 公式製品ページ — Bambu Lab
- Bambu Lab、新3Dプリンタ「A2L」発売開始 — CGWORLD.jp
- Bambu Lab、大型3Dプリンター「A2L」を発表 — ShareLab NEWS
- Bambu Lab A2L Vs A1 (2026): Which Should You Buy? — Makers101
- Bambu Lab A2L Vs P2S (2026): Which Should You Buy? — Makers101



