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QIDI Q2レビュー|370度対応のコンパクトエンジニアリング機は初心者にも使えるか - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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QIDI Q2レビュー|370度対応のコンパクトエンジニアリング機は初心者にも使えるか

3DLab
2026年9月5日
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QIDI TECHから2025年8月に発売された「QIDI Q2」は、370℃対応のホットエンドと65℃加熱チャンバーを搭載しながら、499ドル(約7万3,000円)という価格に抑えたFDM方式の密閉型3Dプリンターです。ナイロンやPC(ポリカーボネート)といったエンジニアリング素材を扱えるスペックですが、はたして3Dプリンター初心者にもおすすめできるのでしょうか。実機レビューの情報を総合して、率直に解説します。

QIDI Q2の主要スペック

まずはQIDI Q2の基本スペックを整理します。

項目仕様
造形方式FDM(CoreXY構造)
造形サイズ270×270×256 mm
ノズル最高温度370℃(トライメタルホットエンド)
ベッド最高温度120℃
チャンバー最高温度65℃(アクティブ加熱)
最大印刷速度600 mm/s
最大加速度20,000 mm/s²
レイヤー解像度0.05〜0.35 mm
レベリングノズル内蔵ロードセルによるゼロオフセット自動レベリング
通信Wi-Fi 6 / 有線LAN
その他1080p AIカメラ、3-in-1エアフィルター、PEIスプリングスチールプレート
本体重量約23.5 kg
本体サイズ402×438×494 mm
価格(2026年9月時点)499ドル(単体)/649ドル(Comboセット)

CoreXY構造は高速印刷に適した機構で、造形サイズ270×270×256 mmは同価格帯の競合機(Bambu Lab P1Sの256×256×256 mm)と比べてやや広めです。最大の特徴は370℃対応のトライメタルホットエンドと65℃まで上がるアクティブ加熱チャンバー。この組み合わせにより、PLA・PETG・ABSはもちろん、ナイロン(PA)・PC・カーボンファイバー強化素材まで幅広く対応します。

密閉筐体と加熱チャンバーのメリット

QIDI Q2の密閉筐体(エンクロージャー)は、単なるカバーではなく65℃まで能動的に加熱するチャンバーヒーターを内蔵しています。これが初心者にとっても大きなメリットになります。

密閉筐体の第一の効果は反りの防止です。ABSやASAなど、温度変化に敏感な素材は、造形中に外気で急冷されると反りが発生します。加熱チャンバーで造形物の周囲温度を一定に保つことで、この問題を大幅に軽減できます。実際のレビューでも「ABS・ASAは反りなし、層間密着も申し分ない」と評価されています。

第二に安全性。密閉構造のためABSなどの揮発性物質が室内に拡散しにくく、3-in-1エアフィルター(活性炭フィルター含む)で臭いも抑えます。さらにMET認証(米国・カナダの安全規格)を取得済みで、難燃性素材で筐体が構成されています。

一方で注意点もあります。PLAを印刷する場合はチャンバー上部を開放する必要があります。PLAは低温で造形する素材のため、密閉されたチャンバーに熱がこもるとホットエンドで詰まり(ヒートクリープ)が発生しやすくなります。初心者はPLAから始めることが多いので、この点は覚えておきましょう。

初心者が注意すべきポイント

QIDI Q2はスペック上「エントリーレベル」と位置づけられていますが、実際に使う上で初心者が気をつけたいポイントがあります。

スライサー設定の調整が前提
付属のスライサー「QIDI Studio」はOrcaSlicerベースで、プリセットプロファイルが用意されています。しかし素材ごとに微調整が必要な場面が多く、「箱から出してすぐ完璧に印刷できる」タイプではありません。特にナイロンやPCなどの高温素材は、温度・速度・リトラクション設定の試行錯誤が求められます。

公式アプリの完成度
QIDI Linkアプリは接続が不安定になることがあると報告されています。ブラウザベースのFluidd(Klipper標準UI)のほうが安定して操作できるため、ネットワーク経由の操作はそちらを使うのがおすすめです。

動作音
印刷中の騒音レベルは50〜60 dB程度と報告されており、リビングや寝室のすぐそばに置くのには向きません。作業部屋やガレージなど、音が気にならない場所に設置しましょう。

フィラメントセンサーが別売
フィラメント切れを検知するセンサーは、QIDI Box(マルチカラーユニット)を購入しないと利用できません。前モデルQ1 Proでは標準装備だったため、コストダウンの影響が見えます。

Bambu Lab機との使い分け

QIDI Q2の最大の競合はBambu Lab P1Sです。どちらも密閉型CoreXY機で価格帯も近いため、迷う方は多いでしょう。使い分けのポイントを整理します。

比較項目QIDI Q2Bambu Lab P1S
価格499ドル449ドル
造形サイズ270×270×256 mm256×256×256 mm
ノズル最高温度370℃300℃
チャンバー加熱65℃(アクティブ)なし(パッシブ密閉のみ)
ファームウェアKlipper(オープン系)独自(クローズド)
初心者の使いやすさ中程度高い

Bambu Lab P1Sが向いている人:とにかくセットアップの手軽さ・安定性を重視する人。PLA・PETG・ABSで十分な人。エコシステム(Bambu Studio・AMS)の完成度を求める人。

QIDI Q2が向いている人:ナイロン・PC・カーボン強化素材など、300℃を超える高温素材を使いたい人。Klipperベースのオープンなファームウェアで細かくカスタマイズしたい人。将来的にエンジニアリング用途に踏み込む予定がある人。

初心者で「まずPLAから気軽に始めたい」という場合は、正直なところBambu Lab P1Sのほうがスムーズに使い始められます。一方、「いずれ高温素材にも挑戦したい」「一台で長く使いたい」という方には、QIDI Q2の370℃ノズル+加熱チャンバーは将来の拡張性として大きなアドバンテージです。

結論:初心者にも使えるが万人向けではない

QIDI Q2は、5万〜7万円台の価格で370℃ノズルと加熱チャンバーを搭載した、コストパフォーマンスに優れた一台です。自動レベリング、AIカメラ、エアフィルターなど、最近のトレンド機能もしっかり押さえています。

ただし、「初心者にとって最もかんたんな3Dプリンター」かと問われれば、答えはノーです。PLAでのチャンバー開放運用、スライサー設定の調整、アプリの不安定さなど、ある程度の試行錯誤を楽しめる姿勢が求められます。

「最初はPLAで練習しながら、半年後にはナイロンやPCにも挑戦したい」——そんなビジョンがある方には、将来買い替えなしで長く使えるQIDI Q2は合理的な選択肢です。逆に「とにかく失敗なく始めたい」という場合は、Bambu Lab P1Sや、よりシンプルなオープン型のエントリーモデルを検討するのもよいでしょう。

よくある質問

QIDI Q2でPLAは印刷できますか?

印刷できます。ただしチャンバーの上蓋を開放して内部温度を下げる必要があります。密閉したまま印刷するとホットエンドでフィラメントが詰まる「ヒートクリープ」が起きやすくなります。

QIDI Q2はマルチカラー印刷に対応していますか?

別売の「QIDI Box」を接続すると最大4スプール・16色のマルチカラー印刷が可能です。Q2 Comboセット(649ドル)にはQIDI Boxが付属します。

Bambu Lab P1Sとどちらが初心者向きですか?

セットアップの手軽さや安定性ではBambu Lab P1Sが上回ります。一方、370℃ノズルと加熱チャンバーによる素材対応力ではQIDI Q2が有利です。将来エンジニアリング素材を使う予定があるならQIDI Q2、まずは手軽に始めたいならP1Sがおすすめです。

動作音はどのくらいですか?

印刷中は50〜60 dB程度と報告されています。一般的な会話が60 dB前後なので、リビングに置くとやや気になるレベルです。別室や作業スペースへの設置をおすすめします。

参考リンク

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