
Bambu Lab A2L徹底レビュー|大型ビルドプレート×マルチカラー対応の新エントリー機は買いか?
2026年6月1日(日本は6月2日)、Bambu Labから新モデル「A2L」が発売されました。Aシリーズの大型版という位置づけで、造形サイズ330×320×325mmと、従来のA1(256×256×256mm)から造形体積が約2倍に広がりました。最大19色のマルチカラー印刷やカッティングモジュールにも対応し、サイズを大きくしただけのモデルではありません。この記事では実機スペック・印刷品質・静音性・価格の4軸でA2Lを評価し、A1やH2Sとも比べながら「買いかどうか」を判断します。
A2Lの主要スペックと特徴
まずA2Lの基本スペックを整理します。造形サイズは330×320×325mmで、造形体積は256mmクラスの機種より約105%大きくなりました。最大印刷速度は500mm/s、ノズル温度は最大300℃、ベッド温度は最大80℃。本体重量は12.8kgで、外形寸法は544×529×505mmです。
対応フィラメントはPLA・PETG・TPU・PVAが標準で、硬化スチールノズルに交換すればPLA-CFやPETG-CFなどのカーボンファイバー入り素材にも対応します。一方、ABS・ASA・PC・PAといったエンジニアリング素材は非対応です。A2Lはオープンフレーム設計で、密閉チャンバーがないためです。
AMS(Automatic Material System)は最大4台のAMSと1台のAMS Liteを接続でき、最大19色を同時に使ったマルチカラー印刷ができます。マルチカラーの切替速度も、A1の約2倍に上がったとされています。
注目の新機能:カッティングモジュールとアダプティブ振動補正
A2Lの大きな特徴のひとつが、オプションのカッティングモジュールです。ツールヘッドカバーを交換すると、ビニール・レザー・布・ステッカー・紙などを精密にカットできます。ペンモジュールを使えば絵や文字を描くこともでき、3Dプリンターの枠を超えた多機能な道具として使えます。ただし、オープンフレーム設計なので、安全上の理由からレーザーモジュールには対応していません。
もうひとつの技術的な進化が「アダプティブ振動補正」です。A2LはBambu Labのラインナップで初めて、マルチポイントキャリブレーションと荷重適応を組み合わせた振動補正を搭載しました。この補正によって、背が高く重い造形物を印刷するときに出やすいゴースティング(波打ち)やリンギング(共振痕)が自動で抑えられます。共振モデルをレイヤーごとに調整し直すので、大型モデルでも表面品質を保てます。
静音性と室内使用の安全性
A2Lの動作音はサイレントモードで49dB以下、標準モードでも約52dBで、図書館並みの静かさです。A1のサイレントモード(49dB)と同じ水準になります。静かに動くのは、本体に内蔵された2基の粒状ダンパーと、PMSM(永久磁石同期モーター)による滑らかな駆動のおかげです。
室内で使うときの安全面では、UL 2904規格の認証を取得していて、排出ガスがきわめて少ないことが確認されています。PLA・PETGを主に使うなら、リビングや書斎で動かしても安心です。
A1・H2Sとの比較表
購入を考えるときに比べる相手になりやすいA1とH2Sを並べました。A2Lがどのあたりに位置する機種か、よくわかるはずです。
| 項目 | A1 | A2L | H2S |
|---|---|---|---|
| 造形サイズ | 256×256×256mm | 330×320×325mm | 340×320×340mm |
| 最大印刷速度 | 500mm/s | 500mm/s | 1,000mm/s |
| ノズル温度 | 最大300℃ | 最大300℃ | 最大350℃ |
| ベッド温度 | 最大80℃ | 最大80℃ | チャンバー65℃ |
| 対応素材 | PLA/PETG/TPU | PLA/PETG/TPU/PVA | PLA〜PA/PC/PPS |
| マルチカラー | 最大4色(AMS Lite) | 最大19色(AMS×4+AMS Lite) | 最大19色(AMS×4+AMS Lite) |
| 振動補正 | 標準 | アダプティブ(荷重適応) | 搭載 |
| カッティング | 非対応 | 対応(オプション) | レーザー対応 |
| 筐体 | オープン | オープン | 密閉チャンバー |
| 静音性 | 49dB〜 | 49dB〜 | 非公開 |
| 本体価格 | $399(約5.5万円) | $469(約6.5万円) | $1,249(約17.5万円) |
| Combo価格 | $649 | $569 | $1,499 |
A2LはA1より造形サイズが大幅に大きいのに、本体価格の差は約70ドル(約1万円)です。H2Sは密閉チャンバーでエンジニアリング素材に対応し、印刷速度も倍ですが、価格は約2.7倍になります。「大きく作りたいけれど素材はPLA/PETGで十分」という方には、コストパフォーマンスの面でA2Lが最適な選択肢になるでしょう。
結論:A2Lはこんな人におすすめ
A2Lは「大型造形×マルチカラー×手頃な価格」を同時にそろえた、Aシリーズの正統な後継モデルです。特におすすめできるのは、次のような方です。
- コスプレ小道具やフィギュアなど大きめの造形をしたい方。330mmの造形幅があれば、分割せずに作れるものが大幅に増えます
- マルチカラー印刷に興味がある初〜中級者。AMS Lite付きComboが$569で、19色対応は同価格帯で唯一です
- カッティングや描画など3Dプリント以外にも使いたい方。クラフト趣味と組み合わせやすい機種です
- 静かな環境で使いたい方。49dBのサイレントモードなら、リビングで動かしても十分静かです
逆に、ABS・PA・PCなどのエンジニアリング素材を多用する方や、速度最重視の方はH2S以上のモデルを検討した方がよいでしょう。また、造形サイズが256mmで足りている方は、価格差を考えるとA1のままで十分です。
よくある質問
A2LでABSやナイロン(PA)は使えますか?
A2Lはオープンフレーム設計のため、ABSやPA(ナイロン)などの高温・密閉チャンバーが必要な素材には対応していません。PLA・PETG・TPU・PVAが推奨素材です。
A1からA2Lに買い替えるメリットはありますか?
最大のメリットは造形サイズの拡大(体積約2倍)とアダプティブ振動補正です。大きな造形物を分割せずに印刷したい方や、マルチカラーの切替速度を重視する方には買い替えの価値があります。
A2Lのカッティングモジュールはどこで買えますか?
Bambu Lab公式ストアでBlade Cutting Upgrade Kit(カッティングモジュール・ペンモジュール・カッティングマット・アクセサリー一式)として販売されています。A2L本体とは別売りです。
A2L ComboとA2L単体、どちらを買うべきですか?
マルチカラー印刷に少しでも興味があるなら、Combo(AMS Lite付き)がおすすめです。単体との差額は約100ドル(約1.5万円)なので、後からAMS Liteを単品で買うよりお得になります。
参考リンク
- Bambu Lab A2L: Creative Playground. Extra Large. — Bambu Lab 公式ブログ
- Bambu Lab A2L and A2L Combo: Large-Format A-Series 3D Printer from $469 — 3DPrinting.com
- Bambu Lab Launches the A2L: A Creative Playground with Larger Build Volume — 3Dnatives
- Bambu Labが「A2L」を発売、本体6万4800円から — FabScene
- Bambu Lab A2L Vs A1: Bigger, Smarter, And One Catch — Makers101



