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AtomForm Palette 300は買いか?12ノズル36色プリンターの実力と家庭用マルチカラー機との違い - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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AtomForm Palette 300は買いか?12ノズル36色プリンターの実力と家庭用マルチカラー機との違い

3DLab
2026年9月18日
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2026年1月のCES 2026で、マルチカラー3Dプリンターの常識を覆す製品が発表されました。AtomForm(アトムフォーム)のPalette 300は、12本の独立ノズルで最大36色・12素材を1回のプリントで使い分けられるFDM方式3Dプリンターです。小売予定価格は約2,199ドル(約33万円)。Bambu Lab AMSやCreality CFSといった既存のマルチカラーシステムとは根本的に異なるアプローチで、フィラメント廃棄量を最大90%削減すると謳っています。

この記事では、Palette 300の技術的な仕組み、既存方式との違い、想定されるユースケース、そして購入判断のポイントを解説します。

OmniElement™ノズルスワップシステムとは何か

Palette 300の核となる技術は、OmniElement™自動ノズルスワップシステムです。従来のマルチカラー3Dプリンターは、1本のノズルに異なるフィラメントを順番に送り込む方式が主流でした。色を切り替えるたびにノズル内の残留フィラメントを「パージ」(押し出して捨てる)する必要があり、これが大量のフィラメント廃棄につながっていました。

Palette 300は、12本の独立したノズルを搭載し、それぞれに専用のフィラメントがセットされています。色を切り替える際はノズルごと自動で交換するため、パージがほぼ不要になります。AtomFormは、この仕組みによりカラーチェンジ時のフィラメント廃棄を最大90%削減できるとしています。

各ノズルは最高350°Cまで加熱可能で、PLA・ABS・PETG・TPU・ナイロンなど幅広い素材に対応します。1本のノズルに最大3色のフィラメントを割り当てることで、12ノズル×3色=最大36色の表現が可能です。

主要スペックと競合機種との比較

Palette 300の主要スペックは以下のとおりです。

  • 造形サイズ: 300×300×300mm
  • 最大プリント速度: 800mm/s
  • 最大加速度: 25,000mm/s²
  • ノズル数: 12本(自動スワップ)
  • 対応色数: 最大36色
  • 対応素材数: 最大12種類
  • センサー: 50個以上
  • AI監視カメラ: 4台
  • 小売予定価格: 2,199ドル(約33万円)

既存のマルチカラー方式と比較すると、それぞれの特徴は明確に異なります。

項目AtomForm Palette 300Bambu Lab AMSCreality CFS
方式12ノズル自動スワップ単一ノズル+フィラメント自動送り単一ノズル+フィラメント自動送り
最大色数36色4色(AMS 1台あたり)4色(CFS Lite 1台あたり)
パージ廃棄最大90%削減多い(600g超の場合も)やや少ない(約320g程度)
素材混在12種類まで同時対応基本的に同系素材推奨基本的に同系素材推奨
価格帯約33万円約5〜10万円(プリンター+AMS)約5〜8万円(プリンター+CFS)

Bambu Lab AMSやCreality CFSは、1本のノズルに4本のフィラメントを切り替えて供給する方式です。手軽にマルチカラーを楽しめる一方、色替えのたびにパージタワー(捨て印刷)が必要で、複雑なマルチカラーモデルでは数百グラム単位のフィラメントが無駄になることもあります。Palette 300はこの問題を物理的に解消しています。

フィラメント廃棄90%削減の仕組みと実際の影響

マルチカラー印刷で大きな課題となっているのが、パージタワーによるフィラメント廃棄です。実際のデータとして、Bambu Lab A1+AMS Liteの組み合わせでは、複雑なマルチカラーモデル1つに約648gのパージ廃棄が発生したという検証結果があります。Creality SPARKX i7+CFS Liteでも約320gとされています。

Palette 300の「90%削減」が額面どおりなら、同等のモデルで廃棄は65g前後まで下がる計算です。フィラメント1kgが2,000〜3,000円程度とすると、マルチカラーを頻繁に使うユーザーにとってはランニングコストの差が積み上がっていきます。

ただし、この90%という数値はAtomFormの自社発表であり、2026年9月時点で独立したサードパーティによる検証結果は確認できていません。実機のレビューが出揃うまでは、あくまで「メーカー公称値」として捉えるのが妥当です。

想定ユースケース:フィギュア・建築模型・プロトタイプ

Palette 300の300mm角の造形サイズと36色対応は、いくつかのユースケースで特に価値を発揮します。

フィギュア・キャラクターモデル:肌色・髪色・服の色・アクセサリーなど10色以上を使うモデルが1回のプリントで完成します。従来は色ごとにパーツを分けて印刷・接着・塗装する工程が必要でしたが、後処理の大幅な削減が期待できます。

建築模型:透明素材で窓を、マットな素材で外壁を、異なるカラーで内装パーツを、すべて1回の印刷で表現できます。ただし300mm角のサイズ制限があるため、大型の模型では分割印刷が必要です。あくまで初期検討段階の精密プロトタイプに向いています。

製品プロトタイプ:TPU(柔軟素材)のソールとPLA(硬質素材)のアッパーを同時に印刷するスニーカーの試作など、異素材の組み合わせが必要なプロトタイプに適しています。350°C対応の高温ノズルにより、ナイロンやPC(ポリカーボネート)系の素材も使用可能です。

購入判断のポイント:約33万円は誰向けか

Palette 300の小売予定価格2,199ドル(約33万円)は、家庭用FDMプリンターとしては高価格帯です。ただし、マルチツール構成のPrusa XL(約2,299ドル)と比較すれば同等の価格帯に位置します。

Palette 300が向いている人

  • 10色以上のマルチカラーモデルを頻繁に印刷する
  • フィラメント廃棄コストを長期的に抑えたい
  • 異素材(硬質+柔軟など)の同時印刷が必要
  • フィギュアや模型の後処理工程を減らしたい

AMS/CFS方式で十分な人

  • 4色以内のマルチカラーで事足りる
  • 予算を10万円前後に抑えたい
  • すでにBambu LabやCrealityのエコシステムに投資している

注意すべきリスク:2026年9月時点で、Palette 300はまだ出荷されていません。CES 2026での発表当初はQ1にKickstarterキャンペーン開始、Q2に出荷開始とアナウンスされていましたが、9月時点でKickstarterページは「Launching soon」のまま更新されていません。AtomFormは過去に3Dプリンター製品の出荷実績がないメーカーであり、クラウドファンディング特有のリスクが存在します。現段階では予約金50ドル(返金可能とされる)による予約受付のみとなっています。

よくある質問

AtomForm Palette 300はいつ発売されますか?

当初は2026年Q2出荷予定でしたが、2026年9月時点でKickstarterキャンペーンは未開始です。出荷時期は未確定のため、公式サイトの最新情報を確認してください。

Bambu Lab AMS方式とどちらが初心者に向いていますか?

現時点では、Bambu Lab A1+AMS Liteのほうが価格・入手性・サポート体制のすべてで初心者に向いています。Palette 300は出荷実績がなく、初心者の最初の1台としてはリスクが高いと言えます。

フィラメント廃棄90%削減は本当ですか?

AtomFormの公称値です。独立ノズル方式はパージタワーが不要になる原理上、大幅な廃棄削減は理にかなっていますが、独立した検証結果は2026年9月時点で確認されていません。

12ノズルのメンテナンスは大変ではありませんか?

ノズル数が多い分、詰まりなどのトラブル頻度が増える可能性はあります。AtomFormは50個以上のセンサーと4台のAIカメラによる自動監視を搭載しているとしていますが、実運用でのメンテナンス負荷は実機レビューを待つ必要があります。

参考リンク

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