
12ノズルで36色印刷!CES 2026で話題のAtomForm Palette 300を徹底解説
2026年1月6日、ラスベガスで開かれたCES 2026で、AtomForm社が世界初のスマート12ノズル搭載カラー3DプリンターPalette 300を発表しました。最大36色・12種類の素材を1回のプリントで使い分けられるこの製品は、マルチカラー3Dプリンティングの常識を大きく変える存在として注目されています。この記事では、フィラメント廃棄量90%削減、AIカメラによるリアルタイム監視など、新しい機能を数多く載せたPalette 300の全体像を紹介します。
AtomForm Palette 300とは?12ノズルがもたらす革命
AtomForm Palette 300は、12個の独立したノズルを搭載したFFF(熱溶解積層)方式の3Dプリンターです。従来のマルチカラープリンターでは、1つまたは少数のノズルで色を切り替えるたびにフィラメントのパージ(排出)が必要でした。Palette 300では、各ノズルがそれぞれ1色のフィラメントを専用で受け持つ仕組みです。
この仕組みはOmniElement自動ノズルスワップシステムと呼ばれ、シリンダー型の回転機構でノズルを瞬時に切り替えます。ノズルの位置合わせ精度は±0.02mmで、色の境界がくっきり分かれた仕上がりになります。従来方式と違ってパージ工程が要らないため、フィラメント廃棄量を最大90%減らせるとAtomForm社は発表しています。
さらに、AtomForm RFD-6というフィラメントマネジメントシステムと組み合わせると、最大6スプール×6台で合計36色のフィラメントを同時に管理できます。RFD-6には個別の乾燥機能が内蔵されていて、フィラメントを良い状態に保ったまま保管・供給できます。
圧巻のスペック:速度800mm/s、造形サイズ300mm角
Palette 300の基本スペックは次のとおりです。
- 造形サイズ:300 × 300 × 300mm
- 最大プリント速度:800mm/s
- 最大加速度:25,000mm/s²
- ノズル数:12基(独立型・自動切替)
- 同時使用カラー:最大36色
- 同時使用素材:最大12種類
- ノズル精度:±0.02mm
- 動作音:48dB以下
- エアフィルター:内蔵
プリント速度800mm/sは、一般的なデスクトップ3Dプリンターの300〜500mm/sと比べて大幅に速い数値です。加速度25,000mm/s²と合わせて、マルチカラーでありながら高速に造形できます。動作音が48dB以下に抑えられているので、自宅やオフィスでも使いやすいでしょう。
フィラメントはPLA、PETG、ABSをはじめ、PC(ポリカーボネート)やPPA(ポリフタルアミド)などのエンジニアリンググレード素材にも対応しています。趣味のモデリングから機能的なプロトタイプ製作まで、幅広い用途に使える仕様です。
50以上のセンサーとAIカメラで実現するスマート監視
Palette 300には、50個以上のスマートセンサーと4台のAI搭載カメラが内蔵されています。センサーとカメラを組み合わせて、プリントの進み具合をリアルタイムで監視する仕組みです。
AIカメラの主な機能は次のとおりです。
- リアルタイム欠陥検出:造形中の異常をすぐに検知し、フィラメント詰まりや層の剥離などの問題を早めに見つける
- ノズルキャリブレーション補助:12本のノズルの位置合わせを自動で調整・監視
- プリント品質モニタリング:完成品の品質をリアルタイムで評価
こうした監視機能があるので、長時間のマルチカラープリントでも安心して放置できます。専用スライサーソフトウェア「AtomForm Studio」も用意されていて、12ノズルの制御やカラーの割り当てを直感的に設定できます。
価格と入手方法:Kickstarterで大幅割引
Palette 300の販売価格と入手方法は次のとおりです。
- 定価:2,199ドル(約33万円)
- Kickstarter VIP価格:999ドル(約15万円)※50ドルのデポジットで予約できた
- RFD-6コンボ:1,299ドル(プリンター本体 + RFD-6フィラメントボックス1台)
- 12スプールシステム:1,808ドル(プリンター本体 + RFD-6×2台)
- 出荷時期:2026年第2四半期初頭を予定(発表時点)
Kickstarterの早期割引を使えば、定価から最大1,200ドル(約18万円)安く購入できました。12ノズル搭載のマルチカラープリンターとしては、かなり競争力のある価格設定といえるでしょう。
なお、AtomForm社は2023年に設立された比較的新しい企業で、中国・蘇州を拠点とするスマートホームロボティクス企業MOVA傘下のブランドです。CEOのBird Liu氏は、MOVAでロボット芝刈り機の研究開発を率いた経歴を持っています。
従来のマルチカラープリンターとの違い
いま市場に出回っているマルチカラー3Dプリンターの多くは、1〜4本のノズルでフィラメントを切り替える方式です。この方式では色を切り替えるたびにパージタワーと呼ばれる廃棄ブロックが必要になり、フィラメントの無駄が大きな課題でした。
Palette 300の12ノズル独立方式では、この問題がもとから起きません。各ノズルが特定のフィラメントを専用で受け持つので、色を切り替えるときのパージがほぼ要らず、それが「フィラメント廃棄90%削減」という数値につながっています。
また、ノズルの切り替え速度が従来方式より50%速くなっているため、マルチカラープリントでも造形時間が大幅に短くなります。12色を超えるカラーリング(最大36色)ができる点も、フィギュアや建築模型など色数の多い造形物を作るうえで大きな強みです。
よくある質問
AtomForm Palette 300の日本での発売日はいつですか?
発表時点では、2026年第2四半期の初頭にグローバル出荷を始める予定とされていました。日本向けの正確な発売日は公式サイトで随時更新されているので、AtomForm公式サイトで確認してください。
Palette 300はどんなフィラメントに対応していますか?
PLA、PETG、ABSなどの汎用フィラメントに加え、PC(ポリカーボネート)やPPAなどのエンジニアリンググレード素材にも対応しています。使えるのは1.75mm径のフィラメントです。
12ノズル全てを毎回使う必要がありますか?
いいえ、必要な色数・素材数の分だけノズルを使えます。単色プリントにも対応しているので、用途に合わせて柔軟に使い分けられます。
Kickstarterで予約するにはどうすればいいですか?
AtomForm公式サイトで50ドルのデポジットを支払うと、VIP価格(999ドル)で購入する権利を確保できました。Kickstarterキャンペーンは2026年第1四半期に始まっています。
RFD-6フィラメントボックスは必須ですか?
RFD-6は必須ではありません。ただし、36色フルカラーで印刷する場合は最大6台のRFD-6が必要です。RFD-6には個別の乾燥機能が内蔵されていて、フィラメントの品質管理にも役立ちます。
参考リンク
- AtomForm公式サイト — AtomForm
- Palette 300 Launches at CES 2026: AtomForm Debuts Its 12-Nozzle, 36-Color 3D Printer — 3DPrint.com
- Multi-color Palette 300 3D printer by AtomForm unveiled at CES 2026 — VoxelMatters
- AtomForm Palette 300 Kickstarterキャンペーン — Kickstarter
- AtomForm Palette 300 3D Prints in 36 Colors With 12 Dedicated Nozzles — Yanko Design



