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【2026年版】3Dプリンター用フィラメント完全比較 PLA・PETG・TPU — 素材別の特徴と失敗しない選び方 - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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【2026年版】3Dプリンター用フィラメント完全比較 PLA・PETG・TPU — 素材別の特徴と失敗しない選び方

3DLab
2026年4月6日
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3Dプリンターを始めるとき、最初に迷うのが「どのフィラメントを選べばいいの?」という問題です。PLA、ABS、PETG、TPU……種類が多くて、違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、2026年現在の主要フィラメント4種類を徹底比較し、用途別のおすすめと失敗しない選び方をわかりやすく解説します。

フィラメントとは? — FDM方式3Dプリンターの「インク」

フィラメントとは、FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターで使用する糸状の樹脂材料のことです。直径は1.75mmが主流で、スプールと呼ばれるリールに巻かれた状態で販売されています。ノズルで加熱して溶かし、一層ずつ積み重ねることで立体物を造形します。

素材によって強度・柔軟性・耐熱性・印刷のしやすさが大きく異なるため、作りたいものに合った素材を選ぶことが成功のカギになります。1kg巻きで2,000〜5,000円程度が一般的な価格帯です。

主要4素材を一覧表で比較 — PLA・ABS・PETG・TPU

まずは主要なフィラメント4種類のスペックを一覧で見てみましょう。

項目PLAABSPETGTPU
ノズル温度190〜220℃220〜250℃230〜250℃210〜230℃
ベッド温度20〜60℃90〜110℃75〜90℃30〜60℃
強度△ やや脆い◎ 高い○ 良好○ 柔軟で丈夫
耐熱性△ 約60℃◎ 約100℃○ 約80℃○ 約80℃
柔軟性✕ 硬い△ やや硬い△ やや硬い◎ ゴム状
反り・収縮◎ 少ない✕ 大きい○ 少なめ○ 少なめ
印刷しやすさ◎ 初心者向き△ 要エンクロージャー○ 比較的簡単△ 速度調整が必要
匂い◎ ほぼ無臭✕ 強い(要換気)○ 少ない○ 少ない
価格帯(1kg)2,000〜3,500円2,500〜4,000円2,500〜4,500円3,000〜5,000円
おすすめ用途試作・フィギュア・装飾品機械部品・耐熱パーツ実用品・屋外使用品スマホケース・柔軟パーツ

素材別の特徴を詳しく解説

PLA(ポリ乳酸)— 初心者はまずこれから

PLAはトウモロコシなどの植物由来の生分解性樹脂で、3Dプリンターで最も広く使われているフィラメントです。低い温度で造形でき、反りが少ないため、初心者でも失敗しにくいのが最大の魅力。カラーバリエーションも非常に豊富で、マットやシルク風、木目調など特殊なテクスチャーのものも多数販売されています。

ただし、耐熱性が約60℃と低く、夏場の車内に放置すると変形する可能性があります。強度もやや脆い傾向があるため、強い力がかかる実用パーツには向きません。フィギュアや装飾品、試作品の造形に最適です。

ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)— 強度と耐熱性の定番

ABSはレゴブロックにも使われている素材で、耐熱性(約100℃)と耐衝撃性に優れた定番の工業用プラスチックです。アセトンで表面を溶かして滑らかに仕上げる「アセトン処理」ができるのも特徴です。

一方で、印刷時の反りが大きく、エンクロージャー(密閉カバー)がないと造形が安定しにくいという難点があります。また、加熱時に独特の匂いが発生するため、換気が必要です。印刷にはやや経験が必要なので、PLAに慣れてからステップアップするのがおすすめです。

PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)— PLAとABSのいいとこ取り

PETGは、PLAの印刷しやすさとABSの強度を兼ね備えた素材です。ペットボトルに使われるPET樹脂を改良したもので、耐水性・耐薬品性に優れています。反りも少なく、食品に触れる容器(※各製品の安全規格を確認してください)や屋外で使う実用品に向いています。

注意点としては、糸引き(ストリンギング)が発生しやすいため、リトラクション設定の調整が必要です。また、PLAに比べるとベッドへの定着が強く、造形物を剥がす際にビルドプレートを傷つけることがあります。

TPU(熱可塑性ポリウレタン)— ゴムのように曲がる柔軟素材

TPUはゴムのような弾力性を持つ柔軟フィラメントです。スマホケース、靴のインソール、ドローンのバンパーなど、衝撃吸収や柔軟性が求められるパーツの造形に最適です。耐摩耗性・耐油性にも優れています。

ただし、柔らかいがゆえにボーデン式エクストルーダーでは詰まりやすく、ダイレクト式のプリンターが推奨されます。印刷速度もゆっくり(20〜30mm/s程度)にする必要があるため、造形に時間がかかります。

用途別おすすめフィラメント — 何を作るかで選ぼう

フィギュア・模型を作りたい → PLA

ディテールの再現性が高く、色の選択肢も豊富なPLAがベストです。シルクPLAを使えば光沢のある美しい仕上がりになります。塗装との相性も良好です。

実用品・工具を作りたい → PETGまたはABS

日常的に使うフック・ホルダー・ケースなどにはPETGが扱いやすくおすすめです。耐熱性が必要な場合や、より高い強度を求める場合はABSを選びましょう。

柔軟パーツ・ケースを作りたい → TPU

曲がる・伸びる・衝撃を吸収する必要があるパーツにはTPU一択です。硬度(ショアA値)のバリエーションもあるので、用途に合わせて選べます。

とにかく初心者で最初の1本 → PLA

迷ったらPLAを選べば間違いありません。まずはPLAで3Dプリントの基本を覚え、慣れてきたらPETGやTPUにチャレンジしていくのが王道のステップです。

2026年注目の機能性フィラメント

2026年現在、従来の定番素材に加えて機能性フィラメントの選択肢が広がっています。温度で色が変わる「温度感応フィラメント(サーモクロミック)」は、アクセサリーやインテリア小物の制作で人気が高まっています。

また、カーボンファイバー配合PLAやPETGは、通常の素材より高い剛性を実現しつつ軽量で、ドローンパーツやカメラマウントなどに活用されています。ただし、ノズルの摩耗が激しいため、硬化スチール製ノズルの使用が推奨されます。

マットカラーやパステルカラーのPLAフィラメントも各メーカーから次々と新色が登場しており、造形の表現幅がますます広がっています。

よくある質問

初心者に一番おすすめのフィラメントは何ですか?

PLA(ポリ乳酸)が最もおすすめです。低い温度で印刷でき、反りが少なく失敗しにくいのが特徴です。価格も手頃で、カラーバリエーションが豊富なため、初めての3Dプリントに最適です。

フィラメントの保管方法は?湿気対策は必要ですか?

はい、湿気対策は重要です。フィラメントは吸湿すると印刷品質が低下し、気泡やざらつきの原因になります。乾燥剤(シリカゲル)を入れた密閉容器や専用のドライボックスで保管するのがおすすめです。

PLAとPETGはどちらが強いですか?

用途によります。PLAは硬くて剛性が高い反面、脆く割れやすい性質があります。PETGはPLAより柔軟性があり、衝撃に強く割れにくいです。日常的に力がかかる実用品にはPETGの方が適しています。

ABSの印刷に失敗しやすいのですが、コツはありますか?

ABSは温度管理がカギです。エンクロージャーで庫内温度を一定に保ち、ベッド温度を100℃前後に設定しましょう。ドアや窓からの風を避け、急激な温度変化を防ぐことで反りを軽減できます。

TPUフィラメントが詰まるのですが、対処法はありますか?

TPUは柔らかいため、ボーデン式エクストルーダーでは詰まりやすくなります。ダイレクト式プリンターの使用が理想的です。また、印刷速度を20〜30mm/sに落とし、リトラクション距離を短めに設定することで改善できます。

参考リンク

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