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3Dプリンターでオリジナルフィギュアを作ろう — モデリングから塗装まで完全ガイド - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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3Dプリンターでオリジナルフィギュアを作ろう — モデリングから塗装まで完全ガイド

3DLab
2026年4月24日
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「自分だけのオリジナルフィギュアを作ってみたい」——そんな夢を叶えてくれるのが、光造形3Dプリンターです。近年は家庭用の光造形機が3万円台から手に入るようになり、個人でもプロ顔負けのフィギュアを制作できる時代になりました。この記事では、3Dモデリングソフトでのデータ作成から、光造形プリント、後処理、塗装まで、フィギュア制作の全工程を初心者向けにわかりやすく解説します。

光造形3Dプリンターとは?フィギュア制作に最適な理由

光造形(SLA/MSLA)方式の3Dプリンターは、液体のレジン(光硬化性樹脂)に紫外線を照射して一層ずつ固めていく方式です。FDM(熱溶融積層)方式と比べて、表面が非常に滑らかで、髪の毛や衣装の模様といった細かいディテールを高精度に再現できます。

2026年現在、家庭用の光造形プリンターは解像度が4K〜16Kまで幅広いラインナップがあります。フィギュア制作では8K以上の解像度を持つ機種を選ぶと、表情や装飾の繊細な表現まで再現でき、満足度が高くなるでしょう。

おすすめの光造形3Dプリンター3選(2026年版)

フィギュア制作に適した光造形3Dプリンターを、レベル別にご紹介します。

初心者向け:Elegoo Mars 5(税込3万円台〜)
12K解像度を搭載し、この価格帯では十分な精細さを実現しています。セットアップも簡単で、初めての光造形機として最適です。

中級者向け:Elegoo Saturn 4 Ultra(税込5万円台〜)
12Kの高解像度に加え、大型の造形エリアを持つため、1/6スケール以上の大きなフィギュアも分割なしでプリントできます。AIカメラによるリアルタイム監視機能も搭載しています。

上級者向け:Elegoo Mars 5 Ultra / Anycubic Photon Mono M7 Pro(税込5〜8万円台)
16K解像度クラスの超高精細モデルです。加熱タンクによる安定造形や高速プリントにも対応し、ディテール勝負のフィギュア制作に威力を発揮します。

フィギュアの3Dモデリング — ZBrushとBlenderの使い分け

フィギュアを3Dプリントするには、まず3Dデータ(STLファイルなど)が必要です。デジタル造形に使われる代表的なソフトを紹介します。

ZBrush(有料・月額サブスクリプション)
ZBrushはPixologic社が開発したデジタルスカルプティングソフトで、粘土をこねるような直感的な操作で造形できます。数億ポリゴンの処理も可能で、プロのフィギュア原型師にも愛用されています。フィギュア造形に特化した機能が豊富で、本格的にフィギュア制作に取り組むなら最有力候補です。

Blender(無料・オープンソース)
Blenderは無料ながら高機能な3DCGソフトです。スカルプトモードを使えばフィギュア造形も可能で、まずは費用をかけずに始めたい方におすすめです。モデリングだけでなくレンダリングやアニメーションもできるため、汎用性が高いのが特徴です。

初心者の学習ステップ
いきなりZBrushやBlenderに挑戦するのがハードルが高いと感じる方は、ブラウザで使えるTinkercadで3Dモデリングの基礎を学び、その後Blenderのスカルプトモードに移行するのがおすすめの学習パスです。

光造形プリントから後処理まで — 7つのステップ

3Dデータが完成したら、いよいよプリントと後処理に進みます。光造形フィギュア制作の後処理は、仕上がりを大きく左右する重要な工程です。

ステップ1:スライスとサポート設定
ChituboxやLychee Slicerなどのスライスソフトで、3Dデータにサポート材を付け、レイヤーごとにスライスします。フィギュアの場合、オーバーハング(張り出し)部分にしっかりサポートを付けることが成功のコツです。

ステップ2:プリント
スライスデータをプリンターに転送して造形を開始します。レジンタンク内に空洞ができないよう、モデルに水抜き穴を設けておくことが大切です。空洞に未硬化レジンが残ると、後からひび割れや液漏れの原因になります。

ステップ3:洗浄
プリントが完了したら、IPA(イソプロピルアルコール)または水洗いレジンの場合は水で、表面に残った未硬化レジンを洗い流します。超音波洗浄機を使うとより効果的です。

ステップ4:二次硬化
UV硬化ステーションや日光で二次硬化を行います。これにより造形物の強度が増し、表面が安定します。硬化時間はレジンの種類によって異なりますが、一般的に3〜10分程度です。

ステップ5:サポート除去
大きなサポートから順にニッパーで切り取ります。サポート跡はデザインナイフで削り、精密やすりで整えましょう。一気に全部取ろうとせず、丁寧に少しずつ作業するのがポイントです。

ステップ6:研磨
サンドペーパーで段階的に研磨します。400番→800番→1500番→2000番と、粗い番手から細かい番手へ順に進めます。水研ぎを行うと表面の傷を抑えられ、より滑らかに仕上がります。

ステップ7:サーフェイサー吹き
研磨が終わったら、サーフェイサー(プライマー)を吹きます。これにより微細な傷が埋まり、塗装の食いつきも良くなります。グレーのサーフェイサーが一般的ですが、明るい色で塗装する場合はホワイトサーフェイサーがおすすめです。

塗装のコツ — プラモデル用塗料がそのまま使える

光造形レジンで造形したフィギュアには、プラモデル用の塗料がそのまま使えます。代表的な塗料メーカーとしては、GSIクレオス(Mr.カラー)やタミヤカラーがあります。

エアブラシ塗装
広い面を均一に塗るならエアブラシが最適です。グラデーション表現もでき、プロのような仕上がりが目指せます。初心者向けのコンプレッサー付きセットが1万円前後から入手できます。

筆塗り
細かい部分や、エアブラシなしで手軽に始めたい方は筆塗りがおすすめです。薄く何度も重ね塗りすることで、ムラなく仕上げるのがコツです。

仕上げのトップコート
塗装後はトップコート(クリアスプレー)を吹いて塗膜を保護します。つや消し・半光沢・光沢から、フィギュアの質感に合わせて選びましょう。肌はつや消し、金属部分は光沢、といったように部位ごとに使い分けるとリアルに仕上がります。

著作権の注意点 — オリジナル制作を楽しもう

3Dプリンターでフィギュアを制作する際、著作権には十分な注意が必要です。

アニメや漫画のキャラクターなど、他者が著作権を持つキャラクターの3Dデータを無断で作成・配布する行為は、著作権(複製権・公衆送信権)の侵害にあたります。また、そのデータを使って出力したフィギュアを販売することも違法です。

ただし、著作権法では「私的使用のための複製」が認められており、自分自身が観賞する目的で個人的にフィギュアを制作する行為は、原則として著作権侵害にはあたらないとされています。

トラブルを避けるためにも、まずは自分でデザインしたオリジナルキャラクターのフィギュア制作から始めてみることをおすすめします。

よくある質問

光造形3Dプリンターでフィギュアを作るのに最低限必要な予算は?

プリンター本体(3〜5万円)、レジン(2,000〜4,000円/本)、洗浄・硬化用機材(5,000〜1万円)、塗装道具(5,000〜1万円)で、合計5〜8万円程度から始められます。3Dモデリングソフトは無料のBlenderを使えばコストを抑えられます。

光造形のレジンは人体に有害ですか?安全に使う方法は?

未硬化のレジンは皮膚に触れるとアレルギー反応を起こす可能性があります。作業時はニトリル手袋とマスクを着用し、換気の良い場所で使用してください。硬化後のレジンは基本的に安全ですが、食品に直接触れる用途には使用しないでください。

フィギュア制作におすすめのレジンの種類は?

初心者には扱いやすい「水洗いレジン」がおすすめです。IPAを使わず水道水で洗浄でき、後片付けが簡単です。精度を重視する場合は「ABS-Likeレジン」が強度と精細さのバランスが良く、フィギュア制作に適しています。

3Dモデリングの経験がなくてもフィギュアは作れますか?

はい。MyMiniFactoryやThingiverseなどのサイトでは、クリエイターが公開しているフリーの3Dデータをダウンロードできます。また、NomadSculptなどスマホ・タブレット対応のスカルプティングアプリもあり、気軽にデジタル造形を始められます。

参考リンク

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