造形速度500倍・コスト90%減!日本発スタートアップSUN METALONが挑む金属3Dプリンターの革命
日本発のスタートアップが、金属3Dプリンターの世界を大きく変えようとしています。SUN METALON(サンメタロン)が開発した新原理の金属3Dプリンターは、従来比で造形速度500倍、コスト90%減という驚異的な性能を掲げています。2026年には、最大造形サイズ1メートル四方の「PLUTO XL」を販売する予定です。
従来技術の限界を突破する「面」固化方式
現在主流の金属3Dプリンターは、レーザーで金属粉末を「点」で溶かしながら積み上げていくPBF(Powder Bed Fusion)方式が一般的です。この方式は精度が高い反面、1点ずつ加工するため、造形速度に限界がありました。
SUN METALONが採用したのは、特殊な電磁波を使い、敷き詰めた金属粉末を「面」で一括して固める新原理です。点ではなく面で処理することで、約500倍の造形速度を実現しました。1分間で約2mmの高さを積層でき、固化後に約8時間の焼結処理をして強度を確保します。
PLUTOシリーズのロードマップ
SUN METALONは、製品ラインナップを段階的に広げています。
- PLUTO(初号機):造形サイズ 150×150×400mm
- PLUTO L:造形サイズ 500×500×500mm
- PLUTO XL(2026年販売予定):造形サイズ 1000×1000×1000mm
最大1メートル四方まで造形できるようになれば、自動車部品や航空宇宙分野など、大型パーツの製造にも使えるようになります。
創業メンバーは元・日本製鉄のエンジニア
SUN METALONは2021年2月に川崎市で設立されました。創業メンバーは日本製鉄(旧・新日鉄住金)出身のエンジニアたちで、鉄鋼業界で積み上げた金属材料の知識を3Dプリンター技術に生かしています。代表の西岡和彦氏は「我々の製造プロセスは既存の3Dプリンティングとは根本的に異なる」と述べており、アディティブマニュファクチャリング市場を大きく変えることを目指しています。
2026年の金属3Dプリンター市場
3Dプリンティング市場全体は2025年に310億米ドル規模と評価され、2035年には2,564億米ドルに達するとの予測もあります(年平均成長率23.5%)。中でも金属3Dプリンターでは、量産部品への適用が進む「コモディティ化」と、航空宇宙・防衛向けの「ハイエンド化」という二極化が進んでいます。
SUN METALONの技術は高速で低コストなため、量産部品の製造を大きく変える可能性があります。
3Dワークショップの視点から
私たち3Dワークショップも、こうした金属3Dプリンター技術の進化に大きな関心を持っています。現在は樹脂を中心にワークショップを開いていますが、将来金属造形が身近になれば、ものづくりの可能性はさらに広がるはずです。最新の業界動向を追いかけながら、ワークショップの内容も進化させていきます。
まとめ
SUN METALONの新原理金属3Dプリンターは、速度とコストという金属造形の二大課題を同時に解決する画期的な技術です。2026年のPLUTO XL販売によって大型金属部品の量産が現実的になれば、製造業の在り方そのものが変わるかもしれません。日本発のスタートアップが世界市場に挑む動きに、今後も注目していきたいところです。
情報ソース:日経クロステック



