
TinkerCADの使い方完全ガイド|ブラウザだけで3Dモデリングを始める初心者向け徹底解説
「3Dモデリングを始めてみたいけれど、高価なソフトは買えないし、パソコンのスペックも心配……」という方に向いているのが、Autodesk社が無料で提供しているブラウザベースの3D CADソフト、TinkerCAD(ティンカーキャド)です。インストールが要らず完全無料なので、ブラウザさえあれば誰でもすぐに3Dモデリングを始められます。この記事では、アカウント作成から最初の3Dモデル制作、STLファイルのエクスポートまでを順を追って説明します。
TinkerCADとは?特徴と魅力
TinkerCADは、Autodesk社が無料で提供しているWebベースの3Dモデリングツールです。2011年のリリース以来、世界中の教育現場やものづくりの初心者に使われてきました。ブラウザ上で動くので、ソフトのインストールが一切要らないのがいちばんの特徴です。
主な特徴をまとめると、次のとおりです。
- 完全無料:サブスクリプションも有料プランもなく、すべての機能を無料で使えます
- ブラウザで動作:Chrome、Firefox、Edgeなど主要なブラウザに対応。Windows、Mac、Chromebookを問いません
- 直感的な操作:基本シェイプ(立方体・円柱・球など)をドラッグ&ドロップで置き、組み合わせるだけでモデルが作れます
- 3Dプリント対応:作ったモデルをSTL形式でエクスポートし、そのまま3Dプリンターで出力できます
- 電子工作・プログラミング:回路シミュレーションや、CodeBlocksを使ったプログラミング学習にも対応しています
2026年のアップデートで、ワークスペースの最大サイズが従来の1000×1000×1000ユニットから2000×2000×2000ユニットに広がりました。スケールオプションには1:10、1:100、1:1000が加わり、cm・m・フィートの単位も切り替えられるようになっています。
アカウント作成とログイン方法
TinkerCADを使い始めるには、まずAutodeskアカウントを作ります。手順は次のとおりです。
- 公式サイトにアクセス:ブラウザで
tinkercad.comを開きます - 「今すぐ参加」をクリック:トップページの登録ボタンから、Autodeskアカウントの作成画面に進みます
- 国と生年月日を入力:「日本」を選び、生年月日を入力します。13歳未満の場合は保護者のメールアドレスが必要です
- メールアドレスとパスワードを設定:使用条件とプライバシーポリシーに同意し、「アカウントを作成」をクリックします
- メール認証:登録したメールアドレスに届く認証メールのリンクをクリックします。リンクの有効期限は60分なので、すぐに確認してください
GoogleアカウントやApple IDを持っていれば、それを使ってログインすることも可能です。アカウントを作り終えると、TinkerCADのダッシュボードが使えるようになります。
基本操作をマスターしよう
ログインしてダッシュボード右上の「+作成」ボタンから「3Dデザイン」を選ぶと、3Dモデリングのワークスペース(作業平面)が表示されます。ここで基本操作を覚えましょう。
カメラ操作
3D空間を自由に見渡すためのカメラ操作は、次の3つを覚えておけば十分です。
- 回転:右クリック + ドラッグ(視点を回転)
- ズーム:マウスホイールを回転
- 平行移動:Shift + 右クリック + ドラッグ
画面左上のビューキューブをクリックすれば、正面・上面・側面などにワンクリックで切り替えられます。
シェイプの配置と変形
画面右側の「基本シェイプ」パネルから、使いたい図形(ボックス、円柱、球、屋根型など)を作業平面にドラッグ&ドロップします。置いたシェイプの編集方法は次のとおりです。
- 移動:シェイプをクリックしてドラッグ
- サイズ変更:シェイプの角や辺に表示される白い四角形のハンドルをドラッグ。数値を直接入力して、正確なサイズを指定することもできます
- 高さ変更:シェイプ上部の黒い三角形のハンドルを上下にドラッグ
- 回転:シェイプの周りに表示される曲線の矢印をドラッグ
- 色の変更:シェイプを選んだ状態で、右上の「ソリッド」パネルから好きな色を選択
グループ化と穴(くり抜き)
TinkerCADでとくに便利な機能のひとつが、「穴」を使ったくり抜きです。シェイプを選んで「穴」に変更すると、そのシェイプは削り取る領域として扱われます。穴のシェイプと通常のシェイプを重ねて「グループ化」(Ctrl+G / Cmd+G)すると、穴の部分がくり抜かれた形ができあがります。この「足し算」と「引き算」を組み合わせれば、複雑な形も作ることが可能です。
最初の3Dモデルを作ってみよう:スマホスタンド
基本操作を覚えたら、かんたんなスマホスタンドを実際に作ってみましょう。3Dプリンターで出力すれば、すぐに使える実用的なモデルです。
- 土台を作る:「ボックス」を置き、幅80mm × 奥行き60mm × 高さ8mmに設定します
- 背面の支えを作る:もうひとつ「ボックス」を追加し、幅80mm × 奥行き8mm × 高さ70mmに設定。土台の後端に置いて、75度ほど傾けます
- スマホを置く溝を作る:「ボックス」を穴モードにして、幅82mm × 奥行き12mm × 高さ10mmに設定。土台の前寄りに少し埋め込むように置いて、グループ化します
- 角を丸める:「ボックス - 丸みあり」に差し替えるか、各角に小さな円柱の穴を置いてくり抜くと、見た目がきれいになります
完成したら、すべてのパーツを選んでグループ化(Ctrl+G / Cmd+G)し、ひとつのオブジェクトにまとめてください。
STLエクスポートと3Dプリントへの流れ
作ったモデルを3Dプリンターで出力するには、STLファイルとして書き出します。手順はとてもかんたんです。
- モデルを選択:エクスポートしたいオブジェクトを選びます。すべてのオブジェクトを出力したい場合は、何も選ばずに操作するか、Ctrl+A / Cmd+Aで全選択します
- エクスポートをクリック:画面右上の「エクスポート」ボタンをクリックします
- ファイル形式を選択:「.STL」を選ぶとダウンロードが始まります。OBJ形式やGLB形式でもエクスポートできます
- スライサーソフトに読み込み:ダウンロードしたSTLファイルを、UltiMaker CuraやPrusaSlicerなどのスライサーソフトに読み込みます
- スライス設定をしてプリント:積層ピッチ(レイヤー高さ)、インフィル率、サポート材の有無などを設定してGコードを作り、SDカードやUSB経由で3Dプリンターに送って出力します
TinkerCADで書き出したSTLファイルは、一般的な3Dプリンター用スライサーソフトとの互換性が高く、特別な変換をしなくてもそのまま使えます。
よくある質問
TinkerCADは本当に完全無料ですか?
はい。TinkerCADはAutodesk社が提供する完全無料のWebアプリで、サブスクリプションや有料プラン、隠れた課金は一切ありません。商用利用もできます。
TinkerCADで作れるモデルのサイズに制限はありますか?
2026年のアップデートで、ワークスペースの最大サイズが2000×2000×2000ユニットに広がりました。実際に出力できるサイズは、スライサーソフトと3Dプリンターの造形サイズ次第です。
TinkerCADのデータは保存されますか?
はい。TinkerCADはクラウドベースなので、作ったデザインは自動的にAutodeskアカウントに保存されます。別のデバイスからでも、同じアカウントでログインすれば開けます。
TinkerCADはスマートフォンやタブレットでも使えますか?
iOS・Android向けの専用アプリがあります。2026年には、モバイルアプリの動作の速さとタッチ操作が改善されました。ただし、細かいモデリング作業にはPCが推奨されています。
FusionなどほかのCADソフトとの違いは何ですか?
TinkerCADは操作が直感的で、CAD未経験者でもすぐに使い始められるのが特徴です。一方で、パラメトリックモデリングやアセンブリの機能は無いため、より高度な設計をしたいならFusion(旧Fusion 360)などに進むのが向いています。
参考リンク
- TinkerCAD 公式サイト — Autodesk
- Tinkercadの使い方を徹底解説 — キャド研
- 無料3Dソフト「Tinkercad」を始めよう — モデログ
- Tinkercadとは?ブラウザで使える無料3DCADで3Dプリントデータを作る方法 — ShareLab NEWS
- Tinkercad の基本的な使い方 — 3Dプリンター入門



