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スマホだけで3Dスキャン|無料アプリ比較とスキャンデータを3Dプリントする方法 - 3Dプリンタブログ | 3DLab
初心者ガイド

スマホだけで3Dスキャン|無料アプリ比較とスキャンデータを3Dプリントする方法

3DLab
2026年7月15日
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「身の回りのモノを3Dデータにできたら面白いのに」と思ったことはありませんか。いまはスマホ1台でそれができます。LiDARセンサーやフォトグラメトリ技術が進んだおかげで、無料アプリでも驚くほど高い精度で3Dスキャンができるようになりました。この記事では、代表的なスマホ3Dスキャンアプリ3つを比べ、スキャンしたデータをSTLに変換して3Dプリンターで出力するまでの手順を、初心者向けに説明します。

スマホ3Dスキャンの仕組み——LiDARとフォトグラメトリ

スマホで3Dスキャンをする方法は、大きく2つあります。1つはLiDARスキャンです。iPhone 12 Pro以降やiPad Proに載っているLiDARセンサーがレーザー光で空間の奥行きを測り、その場で3Dメッシュを作ります。もう1つはフォトグラメトリで、対象物をいろいろな角度から撮った複数枚の写真をもとに、AIが3Dモデルを組み立てます。フォトグラメトリならLiDARが無いスマホでも使えるので、Android端末でも3Dスキャンができます。

最近のアプリには、3D Gaussian Splattingと呼ばれる新しい技術も入ってきました。従来のメッシュ(ポリゴン)表現とは違い、点群をぼかして重ね合わせることで写真のような見た目を出す手法です。見た目を重視する用途には向いていますが、3Dプリントするにはメッシュ(STL)への変換が必要になります。

無料3Dスキャンアプリ3選を比較

ここでは、スマホ3Dスキャンでよく使われるアプリ3つを比べます。それぞれ特徴が違うので、目的に合ったものを選んでください。

Scaniverse(スキャニバース)

Niantic Spatial社(旧Niantic Labs)が提供する、完全無料の3Dスキャンアプリです。iOSとAndroidの両方に対応し、無料プランでもスキャン回数に制限がありません。LiDARスキャン、フォトグラメトリ、Gaussian Splattingの3モードを備え、OBJ・FBX・GLB・USDZ・STL・PLYなど主な3Dフォーマットへ無料でエクスポートできます。処理はすべて端末の中で済むため、クラウドにデータを送らずに使え、プライバシーの面でも安心です。

対応OS:iOS / Android(7.0以上)
料金:無料(Classic)。Plus(月額約20ドル)やPro(月額約50ドル)のクラウド処理プランもあり
エクスポート:OBJ, FBX, GLB, USDZ, STL, PLY, LAS(無料で利用可能)

Polycam(ポリキャム)

Polycam Inc.が開発する高機能な3Dスキャンアプリで、800万人以上のユーザーが使っています。LiDARスキャン・フォトグラメトリ・Gaussian Splattingの3つのキャプチャモードがあり、LiDARの無いiPhoneでもフォトグラメトリで3Dスキャンができます。無料版でもスキャンと基本的なエクスポート(GLTF形式)はできます。STL・OBJ・FBXなどの形式で書き出すにはPro版(月額約26.99ドル)が必要です。3Dフロアプランを作る機能もあり、建築や不動産の分野でも使われています。

対応OS:iOS / Android
料金:無料(GLTF形式のみ)。Proは月額約26.99ドル
エクスポート:無料版はGLTFのみ、Pro版はOBJ, FBX, STL, PLY, E57など

Qlone(クローン)

EyeCue Vision Technologies社が提供する3Dスキャンアプリで、累計200万ダウンロードを超えています。いちばんの特徴は、専用のARマットを使うスキャン方式です。チェッカーボード柄のマットを印刷し、その上にスキャンしたい物を置いて360度撮影します。マットが位置の基準になるので、LiDARが無いスマホでも安定した精度が出ます。ただ、マットに収まる小物に限られるため、大きな物や空間のスキャンには向きません。

対応OS:iOS / Android
料金:スキャン無料。エクスポートは形式ごとの課金あり
エクスポート:STL, OBJ, PLY, X3D, FBXなど(課金が必要な形式あり)

3アプリ比較まとめ

項目ScaniversePolycamQlone
対応OSiOS / AndroidiOS / AndroidiOS / Android
LiDAR対応○○×(ARマット方式)
フォトグラメトリ○○○
無料でSTLエクスポート○×(Pro版のみ)△(課金が必要)
スキャン対象小物〜空間小物〜空間小物のみ
おすすめユーザー無料で完結させたい人高機能・業務利用小物を手軽にスキャンしたい人

きれいにスキャンするための5つのコツ

スキャンの出来は、アプリの性能だけで決まるわけではありません。撮影のときのちょっとした工夫で大きく変わるので、次の5つの点に気をつけてください。

1. 明るい場所で撮影する
フォトグラメトリでは、写真の画質がそのまま精度に表れます。自然光が入る場所や、照明を十分に当てた環境で撮影しましょう。影が強すぎると色ムラが出ます。

2. ゆっくり一定の速度で動く
スマホを急に動かすとブレが出て、メッシュが崩れます。対象物の周りを、一定の距離を保ちながらゆっくり移動してください。

3. さまざまな角度から撮影する
水平方向だけでなく、上からや斜め下からなどいろいろな角度で撮ると、死角が減って穴の無いモデルになります。

4. 反射・透明な素材を避ける
ガラス、鏡、光沢の強い金属は、LiDARでもフォトグラメトリでもうまく読み取れません。どうしてもスキャンしたいときは、マスキングテープやベビーパウダーで表面の反射を抑える方法があります。

5. 背景をシンプルにする
背景がごちゃごちゃしていると、対象物と背景の区別がつきにくくなります。無地の布や紙を敷くだけでも精度が上がります。

スキャンデータをSTLに変換して3Dプリントする手順

3Dスキャンしたデータをそのまま3Dプリンターに送っても、ほとんどの場合うまく出力できません。スキャンデータを修正し、変換する作業が要ります。ここでは、Scaniverseでスキャンしたデータを3Dプリントするまでの流れを紹介します。

ステップ1:スキャンデータをエクスポートする

Scaniverseでは、スキャンが終わったら共有ボタンからSTL形式を選んでエクスポートします。ファイルはAirDrop、メール、クラウドストレージ(Google Drive、iCloud等)でPCに送れます。Polycam(Pro版)やQloneでも、同じようにSTL形式で書き出せます。

ステップ2:メッシュを修復・編集する

スキャンデータには、穴(非多様体メッシュ)や要らない部分がよく含まれています。次の無料ソフトで直せます。

  • Meshmixer(Autodesk製・無料):穴の自動修復、不要部分の削除、スムージングを直感的に操作できます
  • 3D Builder(Windows標準搭載):STLファイルを読み込むだけで自動修復してくれる手軽さがあります
  • Blender(オープンソース・無料):高機能な3Dモデリングソフト。メッシュ編集の自由度が高い反面、操作を覚えるのにやや時間がかかります

修復では「穴をふさぐ」「不要な面を削除する」「底面を平らにする」の3つを押さえます。とくに底面が平らでないと、プリント中にモデルが安定しません。

ステップ3:スライサーソフトで印刷設定をする

修復したSTLファイルをスライサーソフトで開き、3Dプリンター用のGコード(機械語)に変換します。よく使われるスライサーソフトは次のとおりです。

  • UltiMaker Cura:多くのFDM機に対応する定番スライサー
  • PrusaSlicer:Prusa機だけでなく汎用的に使える高機能スライサー
  • Bambu Studio:Bambu Lab製プリンター向けの使いやすいスライサー

スライサーでは、モデルのサイズ、置く向き、積層ピッチ(レイヤー高さ)、インフィル(内部充填率)などを設定します。スキャンデータは細かい凹凸が多いので、積層ピッチを0.1〜0.15mmにするときれいに仕上がります。

ステップ4:3Dプリンターで出力する

設定が済んだらGコードをプリンターに送り、出力を始めます。スキャンデータは形が複雑なことが多いので、サポート材の設定を忘れないようにしましょう。出力が終わったらサポート材をていねいに取り除き、必要に応じてヤスリがけや塗装で仕上げます。

よくある質問

LiDARがないスマホでも3Dスキャンできますか?

はい、できます。Scaniverse・Polycam・Qloneはどれもフォトグラメトリに対応しているので、LiDARの無いiPhoneやAndroid端末でも3Dスキャンができます。ただ、LiDARがある場合と比べると、スキャンの速さや暗い場所での精度に差が出ることがあります。

完全無料でSTLエクスポートまでできるアプリはどれですか?

Scaniverseなら、無料プラン(Classic)でSTLを含む主なフォーマットへ書き出せます。Polycamの無料版はGLTF形式のみで、QloneはSTLのエクスポートに課金が必要です。無料で済ませたいならScaniverseがおすすめです。

スキャンしたデータをそのまま3Dプリントできますか?

多くの場合、そのままではうまく出力できません。スキャンデータには穴や不要な面がよく含まれています。MeshmixerやBlenderなどの無料ソフトでメッシュを修復し、底面を平らに整えてからスライサーに読み込むのがおすすめです。

人物の3Dスキャンはスマホでもできますか?

できますが、モデルになる人に静止してもらう必要があります。人の体は動きやすいので、できるだけ動かずにポーズを保ってもらい、その間に手早く周りを撮影します。ScaniverseのフォトグラメトリモードやPolycamのLiDARモードは比較的うまく撮れますが、業務用スキャナーほどの精度は期待できません。

参考リンク

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