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3Dプリンターで建築模型を作ろう — 設計事務所・学生のためのデータ作成から出力までの実践ガイド - 3Dプリンタブログ | 3DLab
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3Dプリンターで建築模型を作ろう — 設計事務所・学生のためのデータ作成から出力までの実践ガイド

3DLab
2026年7月16日
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建築模型は、建築コンペのプレゼンや設計の検討に欠かせません。これまではスチレンボードやバルサ材を手作業で切り出していましたが、3Dプリンターが広まり、BIMデータやCADモデルから直接立体模型を作れるようになりました。この記事では、設計事務所や建築学生の方に向けて、3Dデータの準備からプリンター選び、分割出力のコツ、コンペで差がつく仕上げ方まで、実際の作業の流れを一通り解説します。

建築模型に3Dプリンターを使うメリット

手作業で建築模型を作ると、スチレンボードのカットや接着に長い時間がかかりますが、3Dプリンターなら、データさえ用意すれば夜のうちに自動で出力でき、翌朝には模型のパーツができあがっています。曲面や複雑な形の再現も得意で、ザハ・ハディド事務所のような有機的なデザインでも忠実に立体にできます。

設計が変わったときも、データを直して出力し直すだけなので、やり直しのコストが大きく下がります。1/200から1/100への拡大のようなスケール変更をソフトウェア上で簡単にできるのも、デジタルファブリケーションならではの強みです。

3Dデータの準備 — BIM・CADからSTLへの変換

建築模型を3Dプリントするには、まず印刷できる3Dデータを用意します。手順は使うソフトウェアによって違います。

Revit からの書き出し

Autodesk Revitには、無料の「STL Exporter」アドインがあります(Revit LTは非対応)。Add-InsタブからSTL Exportを選び、出力したい3Dビューを指定するだけでSTLファイルを作れます。書き出す前に、ダクトや空調設備など模型に要らないコンポーネントを非表示にしておくと、データが軽くなり、プリントの品質も上がります。

SketchUp からの書き出し

SketchUpは、STL形式の読み込みと書き出しに対応しています。ただし、SketchUpでは「ソリッド(閉じた立体)」でない形状も自由に作れるため、面の裏返りや隙間がないかを確認しなければなりません。書き出す前に、「ソリッドインスペクター」などのプラグインで、モデルに穴がないかをチェックしましょう。

ArchiCAD・Rhinoceros からの書き出し

ArchiCADは「名前を付けて保存」からSTL形式を選べます。Rhinoceros(Rhino)はメッシュ変換の精度を細かく設定でき、NURBSモデルを高品質なSTLに変換するのに向いています。どちらの場合も、壁や床の厚みが最低1mm以上あるかを確認してください。

共通の注意点

どのソフトウェアを使っても、3Dプリント用データに求められる条件は同じです。穴のない「水密(ウォータータイト)」なメッシュであること、面の法線が外側を向いていること、印刷スケールに合った壁厚があることが大切です。1/100スケールなら実寸100mmの壁は模型上で1mmになるので、それより薄いものは再現が難しくなります。

FDM方式と光造形方式の使い分け

建築模型の3Dプリントでは、主にFDM(熱溶解積層)方式と光造形(SLA/LCD)方式の2種類が使われ、用途に合わせてどちらを使うかで模型の完成度が大きく変わります。

FDM方式が向いている場面

FDM方式は、ボリューム検討用のマスモデルや1/200以下の小スケール模型に向いています。材料費が安く(PLAフィラメント1kgで2,000〜3,000円程度)、大きな造形サイズを確保しやすいのが特長です。東京大学T-BOXの事例でも、「発表前日まで形が決まらず短時間で仕上げる必要がある場合、FDM方式のスピーディーさが非常に重要」と評価されています。

光造形方式が向いている場面

光造形方式はFDM方式の約1.5倍の精度があり、積層痕が目立ちにくいのが特長です。1/50〜1/100スケールのプレゼン模型や、窓枠・ルーバーなど細かいディテールの再現で力を発揮します。ただし、プリント後にIPA(イソプロピルアルコール)での洗浄やUV二次硬化が必要で、後処理はFDMより手間がかかります。

実践的な使い分けの例

設計初期のエスキス段階ではFDMで素早くマスモデルを出力し、最終プレゼンやコンペでは光造形で精密な模型を仕上げる。この二段構えの進め方が効率的です。予算が限られているならFDM一台でも十分対応できますが、仕上がりにこだわるなら光造形機の導入も検討する価値があります。

分割出力のテクニック

建築模型は一般的な3Dプリンターの造形サイズ(220×220×250mm程度)に収まらないことが多いので、モデルを複数のパーツに分けて出力する必要があります。

分割の基本方針

いちばん分かりやすいのは、建物のフロアごとに分ける方法です。各階を別々にプリントして積み上げる形にすれば、内部の構造を見せるプレゼンにも使えます。接合面にダボ穴(直径2〜3mm)を開けておくと、組み立てるときに位置を合わせやすくなります。

スライスソフトでの設定ポイント

分割したパーツは、Cura・PrusaSlicer・Bambu Studioなどのスライスソフトに読み込んで印刷設定をします。建築模型では、次のような設定が一般的です。

  • 積層ピッチ:0.1〜0.2mm(FDM)、0.05mm(光造形)
  • インフィル率:10〜20%(軽量化のため)
  • 壁の厚み:外壁2〜3層(0.8〜1.2mm)
  • サポート材:オーバーハング45度以上で生成

敷地模型(地形)を別のパーツとしてプリントし、建物本体をはめ込む形にすると、建物を差し替えてデザインを比べやすくなります。

コンペで差がつく仕上げ方法

3Dプリントした模型をそのまま提出せず、仕上げの処理をすると、プレゼンテーションの完成度が大きく上がります。

表面処理

FDMで出力したものの積層痕が気になるときは、240〜400番のサンドペーパーで軽くやすりをかけてから、サーフェイサー(下地塗料)を吹き付けると滑らかに仕上がります。光造形で出力したものはほぼそのままでも表面の品質は十分ですが、サポート痕の処理は必要です。

塗装

建築模型は白一色(ホワイトモデル)がよく使われますが、用途に応じて塗り分けます。コンセプトの検討には、清潔感のあるマットホワイトのスプレー塗装が好まれます。素材感を出したいなら、コンクリート調や木目調のテクスチャ塗装も効果的です。

周辺要素の追加

模型の説得力を高めるには、建物本体だけでなく周辺環境の表現も大切で、次の要素を組み合わせると効果的です。

  • 樹木:ワイヤーツリーやスポンジ素材で表現(市販の建築模型用パーツも活用)
  • 人物フィギュア:スケールに合った添景人物を置き、建物の大きさを伝える
  • 敷地:周辺の道路や隣の建物を含めた敷地模型を台座として作る
  • 照明:LEDを内蔵して窓から光を漏らす演出(プレゼン効果が高い)

よくある質問

建築模型に適した3Dプリンターの価格帯はどれくらいですか?

FDM方式なら、3万〜8万円程度のエントリーモデルで十分対応できます。光造形方式は5万〜15万円程度が目安です。大学の研究室や設計事務所なら、FDMと光造形を1台ずつ用意すると、用途に応じて使い分けられます。

1/100スケールの住宅模型をプリントするのにどれくらい時間がかかりますか?

FDM方式(積層ピッチ0.2mm)で一般的な住宅模型を出力する場合、パーツの分け方にもよりますが、合計8〜15時間程度が目安です。夜のうちに出力をセットしておけば、翌朝にはパーツがそろっています。

BIMソフトを使っていない場合、どのソフトでデータを作ればよいですか?

入門には、無料で使えるSketchUp Free(Web版)やAutodesk Fusion(個人利用・教育機関は無料)が向いています。建築学科の学生なら、パラメトリックな形状探索に強いRhinoceros + Grasshopperの組み合わせもおすすめです。

FDMプリントの積層痕を目立たなくする方法はありますか?

積層ピッチを0.1mm以下に設定する、サンドペーパーで表面を整える、サーフェイサーを塗る、といった方法が効果的です。PLAフィラメントは研磨しやすいので、建築模型と相性の良い材料といえます。

参考リンク

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