
TPUフレキシブルフィラメントおすすめ5選|硬度別の選び方とAmazonで買える定番製品を比較
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3Dプリンターでゴムのようにしなやかなパーツを作りたいとき、選ぶべき素材がTPU(熱可塑性ポリウレタン)フィラメントです。スマホケース、振動吸収ダンパー、ウォッチバンド、靴のインソールなど、柔軟性と耐久性が求められる用途に幅広く使えます。
しかしTPUフィラメントは「硬度」の違いによって使い勝手がまったく変わります。この記事では、Amazonで購入できる定番TPUフィラメント5製品をショア硬度別に比較し、用途に合った1本の選び方を解説します。
TPUフィラメントとは?PLAやABSとの違い
TPU(Thermoplastic Polyurethane)は熱可塑性ポリウレタンの略称で、ゴムのような弾力と耐摩耗性を兼ね備えたフィラメントです。PLA・ABSが硬いプラスチック製品を作るのに対し、TPUは曲げても割れず、元の形に戻る「弾性」が特徴です。
伸び率は製品によって300〜800%に達し、耐油性・耐薬品性にも優れます。一方で印刷の難易度はPLAより高く、柔らかい素材ゆえにエクストルーダー内で詰まりやすいという注意点があります。
ショア硬度で選ぶ — 95A・90A・87A・85Aの違い
TPUフィラメントを選ぶうえでもっとも重要な指標がショア硬度(Shore A)です。数値が小さいほど柔らかく、大きいほど硬くなります。以下が各硬度の目安です。
95A(標準・初心者向け)
もっとも流通量が多く、印刷しやすい硬度です。ボーデン式エクストルーダーでも低速であれば印刷できることがあります。スマホケース、ホイール、リビングヒンジ、保護カバーなど構造と柔軟性の両立が必要な用途に向きます。硬さのイメージとしては「硬めのゴムバンド」程度です。
90A(中間)
95Aと85Aの中間に位置する硬度で、スナップフィット留め具やケーブルのストレインリリーフなどに使われます。やや専門的な素材で、Polymaker PolyFlex TPU90などが該当します。
87A〜85A(柔軟・上級者向け)
かなり柔らかく、手で握るとふにゃりとつぶれます。ガスケット、衝撃吸収パッド、ウェアラブルデバイスのバンド、靴のインソールなど、高い柔軟性が不可欠な部品に適しています。印刷にはダイレクトエクストルーダーが必須で、印刷速度は20〜30mm/s程度に落とす必要があります。
おすすめTPUフィラメント5選 — 製品別レビュー
1. eSUN TPU 95A(定番・コスパ重視)
2002年創業のeSUNが手がけるTPUフィラメントの定番モデルです。1kgスプール・1.75mm径で、寸法精度は±0.05mm。ノズル温度210〜230℃、ベッド温度0〜60℃が推奨されています。
良い点:カラーバリエーションが豊富で、価格もTPUフィラメントのなかでは手頃です。伸び率800%以上を公称し、弾性・復元力のバランスに優れます。
気をつけたい点:湿気を吸いやすいため、開封後はドライボックスでの保管を推奨します。ボーデン式では詰まりが起きやすいとのレビューがあります。
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2. OVERTURE TPU 95A(寸法精度重視)
OVERTURE 3D JAPANが販売するTPUフィラメントです。1kgスプール・1.75mm径で、寸法精度±0.02mmと高精度を謳っています。ショア硬度95Aで、元の長さの約3倍まで伸びるとされています。
良い点:寸法精度が高く、ベッドへの定着性が良いとのレビューが多数あります。反りが少なく低臭気で、初めてのTPU印刷にも向いています。
気をつけたい点:高速印刷には対応していないため、30〜40mm/s程度での印刷が推奨されます。
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3. Polymaker PolyFlex TPU95-HF(高速印刷対応)
Polymakerの高速印刷対応TPUフィラメントです。コベストロ(Covestro)社の Addigy シリーズをベースに開発され、100mm/s以上の高速印刷が可能とされています。1kgスプール・1.75mm径・95Aです。
良い点:通常のTPUでは難しい高速印刷に対応しており、Bambu Lab などの高速プリンターとの相性が良いと言われています。柔軟性・耐衝撃性・耐UV性を兼ね備えます。
気をつけたい点:他のTPU 95Aと比べて価格がやや高めです。また高速印刷時はダイレクトエクストルーダーが推奨されます。
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4. SainSmart TPU 95A(カラー豊富・実績あり)
SainSmartのTPUフィラメントは0.8kgスプール・1.75mm径で、寸法精度±0.05mm。ノズル温度195〜230℃、ベッド温度40〜60℃が推奨です。多くのFDMプリンターに対応しています。
良い点:夜光・蛍光など特殊カラーを含む豊富なカラー展開があります。海外での実績が豊富で、長期間にわたりAmazonで販売されている安定したブランドです。
気をつけたい点:1スプールあたり0.8kgと、他社の1kgに比べてやや少なめです。コスト比較時にはkg単価で確認しましょう。
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5. SainSmart TPU 87A(柔軟性重視・上級者向け)
同じSainSmartの低硬度モデルで、ショア硬度87Aのフレキシブルフィラメントです。95Aよりも明らかに柔らかく、半透明の仕上がりが得られます。1kgスプール・1.75mm径です。
良い点:95Aでは得られない柔軟性が必要な場面で力を発揮します。ガスケット・パッキン・衝撃吸収パーツなどに適しています。半透明の質感がユニークで、デザイン性のある作品にも使えます。
気をつけたい点:ダイレクトエクストルーダー搭載機が必須です。印刷速度は20〜25mm/sまで下げる必要があり、リトラクション設定も慎重な調整が求められます。TPU初心者にはおすすめしません。
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価格・スペック比較表(2026年8月時点)
| 商品名 | 硬度 | 容量 | 寸法精度 | こんな人に |
|---|---|---|---|---|
| eSUN TPU 95A | 95A | 1kg | ±0.05mm | コスパ重視の入門者 |
| OVERTURE TPU 95A | 95A | 1kg | ±0.02mm | 精度を重視したい方 |
| Polymaker PolyFlex TPU95-HF | 95A | 1kg | ±0.03mm | 高速プリンター所有者 |
| SainSmart TPU 95A | 95A | 0.8kg | ±0.05mm | 特殊カラーで作りたい方 |
| SainSmart TPU 87A | 87A | 1kg | ±0.05mm | 柔軟性最優先の上級者 |
※ 価格は変動するため、最新の販売価格は各Amazonリンク先でご確認ください。
TPU印刷に適したプリンター — ダイレクトエクストルーダー推奨機
TPUフィラメントの印刷で成功するかどうかは、エクストルーダーの方式が大きく影響します。ボーデン式(チューブが長い)はフィラメントが柔らかすぎてチューブ内で座屈しやすく、特に85A〜87Aでは事実上使えません。
TPU印刷に適したダイレクトエクストルーダー搭載の主なプリンターは以下のとおりです。
- Bambu Lab P1S / X1C — 高速ダイレクトドライブ搭載。PolyFlex TPU95-HFとの相性が良いとされています
- Creality Ender-3 S1 / S1 Pro — 「Sprite」ダイレクトエクストルーダー搭載。95A TPUは問題なく印刷可能
- Prusa MK4 — Nextruder搭載のダイレクトドライブ。TPU印刷のプロファイルが公式で提供されています
- Artillery Sidewinder X2 — ダイレクトドライブ搭載のコスパモデル。95A TPUで安定した実績があります
95A TPUであればボーデン式でも15〜25mm/s程度の低速で印刷できるケースがありますが、安定性を求めるならダイレクトエクストルーダー機の導入をおすすめします。
TPU印刷のコツ — 失敗を防ぐ5つのポイント
TPUフィラメントは正しい設定で印刷すれば安定した結果が得られます。以下の5点を押さえておきましょう。
- 印刷速度を落とす:95Aなら30〜40mm/s、87A以下なら20〜25mm/sが目安です
- リトラクションは最小限に:リトラクション距離は0.5〜2mm程度に抑え、ダイレクト式では1mm以下がおすすめです
- ベッド温度は50〜60℃:定着を助けつつ、反りを抑えます。マスキングテープやPEIシートとの相性が良好です
- フィラメントを乾燥させる:TPUは吸湿性が高い素材です。開封後はフィラメントドライヤーやドライボックスで保管してください
- 冷却ファンは控えめに:50〜70%程度に設定し、層間密着を確保しましょう
よくある質問
TPU 95Aと85Aはどちらを選べばよいですか?
初めてTPUを使う方には95Aをおすすめします。印刷しやすく、ほとんどのFDMプリンターで対応可能です。85A〜87Aはガスケットや衝撃吸収パーツなど、高い柔軟性が必須の用途に限定して選びましょう。
ボーデン式プリンターでもTPUは印刷できますか?
95A硬度であれば、15〜25mm/sの低速設定で印刷できるケースがあります。ただし詰まりのリスクが高いため、安定して使いたい場合はダイレクトエクストルーダー搭載機がおすすめです。87A以下はダイレクト式が必須です。
TPUフィラメントの保管方法は?
TPUは吸湿性が高く、湿気を吸うと印刷時に気泡や糸引きが発生します。開封後はシリカゲル入りの密閉容器やフィラメントドライヤーで保管してください。使用前に50〜60℃で4〜6時間乾燥させると品質が安定します。
TPUで作れるものにはどんなものがありますか?
スマホケース、タイヤ・ホイール、振動吸収ダンパー、ウォッチバンド、靴のインソール、ドローン用バンパー、ケーブルプロテクターなど、柔軟性と耐久性が求められるパーツ全般に使えます。
TPUの印刷温度はどのくらいですか?
製品により異なりますが、一般的にノズル温度210〜230℃、ベッド温度0〜60℃が目安です。使用するフィラメントの推奨温度をパッケージやメーカーサイトで確認してから印刷を始めましょう。
参考リンク
- eSUN公式 — TPU 95Aフィラメント製品ページ — eSUN
- Polymaker公式 — PolyFlex TPU95-HF — Polymaker
- SainSmart公式 — TPUフィラメントコレクション — SainSmart
- TPU Shore Hardness Explained: Choosing 85A vs 95A — Siraya Tech
- TPU Hardness Chart: 85A vs 90A vs 95A vs 98A — SpoolHound



