
スマホ3Dスキャンアプリおすすめ5選|Scaniverse・Polycam・RealityScanの精度と使い方を実践比較
スマホのカメラだけで、身のまわりの物体を3Dデータにできるようになりました。専用スキャナーを買わなくても、無料アプリをインストールすれば数分でスキャンが終わります。この記事では2026年10月時点で実際にダウンロードして使える3Dスキャンアプリ5つを取り上げ、精度・操作性・エクスポート形式を比べました。スキャンしたデータを3Dプリンターで出力するまでの流れも紹介します。
スマホ3Dスキャンの仕組みと2つの方式
スマホで3Dスキャンを行う方法は大きく2つに分かれます。1つめはフォトグラメトリで、対象物をぐるりと撮影した複数の写真から3Dモデルを組み立てる方式です。iPhone・Androidのどちらでも使えるので、手元の端末ですぐ試せます。
2つめはLiDARスキャンです。iPhone Pro系やiPad Proに搭載されたLiDARセンサーが空間の奥行きを直接測り、リアルタイムにメッシュを構築します。フォトグラメトリはテクスチャの再現が得意な一方で処理に時間がかかりやすく、LiDARはスキャン速度と空間全体の把握に向いた方式です。
おすすめ3Dスキャンアプリ5選
ここからは、2026年10月時点で利用できるアプリ5つを紹介します。いずれも基本無料で使い始められるものを選びました。
1. Scaniverse(Niantic Spatial)
ポケモンGOで知られるNiantic(現Niantic Spatial)が提供するアプリで、iOS・Androidの両方に対応しています。LiDARスキャン、フォトグラメトリ、3D Gaussian Splattingの3モードを備え、無料でスキャン回数の制限がありません。FBX・PLY・OBJ・USDZ形式でエクスポートできます。
2026年4月にはPC版も登場し、一度のキャプチャからVPSマップ・メッシュ・3DGSを同時に生成できるようになりました。操作画面はシンプルで、アプリを起動してスキャンボタンを押すだけで撮影が始まるため、初めて使う方でも迷いにくい構成です。STL形式への直接エクスポートには対応しておらず、3Dプリントする場合はBlenderなどでの変換が必要になります。
2. Polycam
LiDARスキャンとフォトグラメトリの両方に対応し、間取り図の自動生成や寸法計測といった機能も備えたアプリです。iOS・Androidで利用できます。無料版ではGLTF形式のみのエクスポートに限られ、Pro版(月額制)にするとOBJ・FBX・STL・PLYなど多数の形式に対応します。
3Dプリンター用にSTLで直接書き出すにはPro版が必要です。スキャン画面にガイドが表示され、撮影の進み具合をリアルタイムに確認できるので、撮り漏れを防ぎやすい設計になっています。
3. RealityScan(Epic Games)
Unreal Engineで知られるEpic Gamesが開発したフォトグラメトリ専用アプリです。iOS・Androidの両方で使えます。スマホで撮影した写真をクラウドに送ると、テクスチャ付きの3Dモデルが生成されます。完成したモデルはSketchfabにアップロードでき、FBX・USDZ・glTF・OBJ形式でダウンロード可能です。
2026年8月リリースのバージョン1.9ではキャプチャと処理の品質が改善されました。デスクトップ版(旧RealityCapture)と連携すれば、スマホで取得したスキャンデータをPC上でさらに高精度に仕上げることもできます。処理がクラウド側で行われるため端末の性能に左右されにくい反面、ネットワーク接続は必須です。
4. KIRI Engine
フォトグラメトリに加え、Neural Surface Reconstruction(NSR)や3D Gaussian Splattingなど複数の処理方式を選べるアプリです。iOS・Androidに対応しています。光沢がある物体や模様の少ない物体はフォトグラメトリだとうまく再現できないことがありますが、NSRモードならそうした対象でもモデルを生成しやすくなります。
エクスポート形式はOBJ・STL・FBX・GLTF・PLY・USDZと幅広く、Blenderや各種スライサーへ直接読み込めるのも利点です。2026年4月のバージョン4.2では3DGSからメッシュへの変換品質が上がり、処理速度も約20%速くなりました。無料プランでは月あたりの処理回数に上限がある点に注意してください。
5. Luma AI(Luma 3D Capture)
NeRFやGaussian Splattingの技術を早い段階でスマホアプリに取り入れたアプリです。iPhone 11以降であればLiDARなしでも品質の高いキャプチャができ、風景や空間全体のスキャンに向いています。処理はクラウドで行われ、完成したシーンはWebブラウザ上で共有できます。
ただし2026年1月以降アプリの更新が止まっているため、今後の機能追加は見込めません。OBJ・PLY形式でのエクスポートに対応していますが、物体単体を3Dプリント用に切り出すにはBlenderでの後処理が前提です。風景や室内空間のビジュアル記録には使えるものの、3Dプリントが目的なら他のアプリを先に検討したほうがよいでしょう。
5アプリの機能比較
| アプリ名 | 対応OS | スキャン方式 | 無料エクスポート形式 | STL出力 | LiDAR対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| Scaniverse | iOS / Android | LiDAR・フォトグラメトリ・3DGS | FBX, PLY, OBJ, USDZ | 変換が必要 | あり |
| Polycam | iOS / Android | LiDAR・フォトグラメトリ | GLTF(無料版) | Pro版で対応 | あり |
| RealityScan | iOS / Android | フォトグラメトリ | FBX, USDZ, glTF, OBJ | 変換が必要 | なし |
| KIRI Engine | iOS / Android | フォトグラメトリ・NSR・3DGS | OBJ, STL, FBX, GLTF他 | 対応 | あり |
| Luma AI | iOS / Android | NeRF・3DGS | OBJ, PLY | 変換が必要 | なし |
スキャンデータを3Dプリンターで出力するワークフロー
スキャンしたデータをそのまま3Dプリンターに送っても、きれいに出力できないことがほとんどです。スキャンデータには穴や浮いたポリゴン、ノイズが含まれるため、印刷前にメッシュの修正が欠かせません。
まずアプリからOBJやPLY形式でエクスポートし、Blender(無料)やMeshmixer(無料)に読み込みます。Meshmixerの場合はInspector機能で穴や不正メッシュを自動検出して修復し、Make Solidでソリッド化してからReduceでポリゴン数を30万程度まで削減するのが定番の流れです。Blenderではリメッシュ機能やBoolean演算を使い、底面を平らに整える処理もできます。
修正が終わったらSTL形式で書き出し、CuraやPrusaSlicerなどのスライサーソフトに読み込んでGcodeを生成します。スキャンデータはポリゴン数が多くなりがちで、スライサーが扱える目安は100万〜300万ポリゴン程度です。FDM方式のプリンターなら積層ピッチ0.2mm、光造形なら0.05mmあたりの設定で、スキャンした形状の雰囲気を十分に再現できます。
よくある質問
LiDARがないスマホでも3Dスキャンできますか?
フォトグラメトリ方式のアプリなら、LiDARなしの端末でも3Dスキャンが可能です。Scaniverse、RealityScan、KIRI Engineはいずれもフォトグラメトリに対応しており、一般的なiPhoneやAndroidスマホで使えます。
無料アプリでSTLファイルを書き出せますか?
KIRI Engineは無料プランでもSTL形式のエクスポートに対応しています。他のアプリではOBJやFBX形式で書き出したあと、BlenderやMeshmixerでSTLに変換するのが一般的です。
スキャンデータをそのまま3Dプリントできますか?
多くの場合、メッシュの穴埋めやポリゴン数の削減が必要です。スキャン直後のデータにはノイズや欠損が含まれるため、MeshmixerやBlenderで整えてからスライサーに読み込んでください。
屋外の大きなものもスキャンできますか?
建物や車など大きな対象もスキャンできます。Scaniverseは数千平方メートル規模の空間スキャンにも対応しています。ただし対象が大きいほど撮影枚数が増え、処理にも時間がかかる点は覚えておいてください。風や人の動きなど環境の変化が少ないタイミングで撮影すると精度が上がります。
参考リンク
- Scaniverse公式サイト(Niantic Spatial)
- Polycam公式サイト(Polycam Inc.)
- RealityScan公式サイト(Epic Games)
- KIRI Engine公式サイト(KIRI Innovations)
- スキャンデータをSTLに変換して3Dプリントする手順(SK本舗)



