ブログ一覧に戻る
シルクスクリーン vs アイロン転写 vs 3Dプリント — 徹底比較で見えた最適解 - 3Dプリンタブログ | 3DLab
DIY・ものづくり

シルクスクリーン vs アイロン転写 vs 3Dプリント — 徹底比較で見えた最適解

3DLab
2026年5月17日
45 views

家庭でオリジナルTシャツを作る手段としてよく挙がるのが、「シルクスクリーン」「アイロン転写」「3Dプリント」の3つです。どれも一長一短あり、ネットで調べても「結局どれが自分に合うのか」が分かりにくいのが現実でしょう。この記事では3手法を4軸で採点し、1枚あたりの原価を試算したうえで、用途別にどれを選べばよいかの判断フローを示します。読み終えるころには、迷わず作り始められるはずです。

比較する3手法の前提条件

公平に比較するため、この記事では次の条件で各手法を評価します。

  • 共通条件:綿100%の白Tシャツ/A5サイズ(148×210mm)の単色ロゴ/家庭用機材を購入済み
  • シルクスクリーン:3Dプリンターで版を自作した場合(参考記事)
  • アイロン転写:家庭用インクジェットプリンター+市販転写紙+家庭用アイロン
  • 3Dプリント:家庭用FDM 3Dプリンター+TPUフィラメントで直接プリント(参考記事)

すでに3Dプリンターを持っている方なら、3手法すべてが家庭で実践可能です。

スコアカード比較 — 4軸で評価

評価軸シルクスクリーンアイロン転写3Dプリント(TPU)
1枚あたりコスト200〜500円100〜300円150〜400円
初期費用(家庭用)1〜3万円5,000円〜5万円〜
耐久性(洗濯回数)★★★★★(100回+)★★★(20〜30回)★★★★(50回前後)
解像度(最小線幅)★★★★(0.8mm〜)★★★★★(0.2mm〜)★★★(1.0mm〜)
量産性(1日あたり)★★★★★(30枚+)★★(5〜10枚)★★(5〜10枚)
準備時間2〜3時間30分1時間
多色対応○(版を分ける)◎(フルカラー)△(色ごとに重ね刷り)
仕上がりの特徴プロっぽい平面写真品質・平面立体的・触感あり

表を見ると、それぞれの得意分野が分かります。シルクスクリーンは量産と耐久性、アイロン転写は解像度と手軽さ、3Dプリントは立体感と独自性が強みです。

1枚あたり原価を試算してみる

「機材を買って自作」と「業者に外注」のどちらが安くなるか、枚数別に試算してみましょう。デザインはA5の単色を想定しています。

枚数シルクスクリーン自作アイロン転写自作3Dプリント自作業者外注(参考)
1枚20,500円(初期費用込)5,300円(初期費用込)50,300円(初期費用込)2,500円〜
10枚2,500円/枚800円/枚5,300円/枚1,200円/枚
30枚1,000円/枚500円/枚1,900円/枚800円/枚
100枚500円/枚400円/枚900円/枚500円/枚

※自作の初期費用は「シルクスクリーン2万円」「アイロン転写5,000円」「3Dプリンター5万円」と仮定しました。業者の見積もりは時期や業者によって大きく変わります。

この試算から分かるのは、機材を持っていない状態で1〜10枚作るなら外注の方が安い、ということです。ただし、すでに3Dプリンターを持っている方や、これからも作り続ける見込みがある方なら、自作が大きく有利になります。

用途別の決定木 — あなたに最適なのはどれ?

3手法のどれを選ぶべきか、判断の流れを整理しました。

Q1. 何枚作る予定ですか?

  • 1〜5枚 → Q2へ
  • 10〜30枚 → Q3へ
  • 100枚以上 → 業者外注 or シルクスクリーン(既に機材がある場合)

Q2. デザインに立体感・触感を出したいですか?

  • はい → 3Dプリント(TPU直プリント)がベストです。1枚から、世界に1つだけの仕上がりを作れます。
  • いいえ(写真や細かい絵柄を綺麗に出したい) → アイロン転写。家庭用プリンターだけで完結します。

Q3. 同じデザインで揃えますか?それとも全員違うデザインですか?

  • 同一デザイン → シルクスクリーン。版を一度作れば、30枚以上を効率よく量産できます。
  • 1人1人デザインが違う → アイロン転写。版を作る必要がなく、デザインを自由に差し替えられます。

「組み合わせて使う」という発想

意外と知られていませんが、この3手法は同じTシャツに併用できます。たとえば次のような組み合わせが現実的です。

  • 背中はシルクスクリーン(チームロゴ)+胸元は3Dプリント(個人イニシャル):量産性と個別性を両立できます。
  • 本体はアイロン転写(写真)+ワンポイントだけTPU(立体ロゴ):精細な写真に、立体感のアクセントを加えられます。
  • シルクスクリーン版を3Dプリンターで作る:シルクスクリーンの欠点である「版作りの手間」を3Dプリンターで減らせます。手順はこちら

3DLabのワークショップでも、3手法を組み合わせたオリジナルTシャツ制作の体験プログラムを企画しています。「機材を一度も触ったことがない」という方にも講師がそばでサポートしますので、安心してご参加いただけます。

よくある質問

結局、初心者が最初に挑戦するならどれが一番おすすめですか?

家庭用プリンターをお持ちなら、初期費用が最も少なく(5,000円程度)手軽なのはアイロン転写です。3Dプリンターを既に使っている方には、追加投資ゼロで始められるTPU直プリントを強くおすすめします。シルクスクリーンは「同じデザインを30枚以上作る」見込みがある人向けです。

3手法のうち、一番見栄えがいいのはどれですか?

用途によります。「他では真似できないインパクト」を求めるなら3Dプリント、「プロっぽいクオリティ」ならシルクスクリーン、「写真のような精細さ」ならアイロン転写です。どれが優れているとは一概に言えません。

シルクスクリーン版を3Dプリンターで作るメリットは?

従来のシルクスクリーンで必要だった「感光乳剤」「露光機」「暗室」が一切不要です。3Dプリンターで版を一体造形するので、初期投資をシルクスクリーン単体より低く抑えられます。詳しくはこちらの記事で解説しています。

家庭で作るより業者外注の方がいいケースは?

「機材を持っておらず、5〜10枚しか作らない」「複雑な多色フルカラーで写真品質を求める」という場合は、コスト・品質ともに業者の方が有利です。一方、同じデザインで30枚以上作るなら、自作の方が安くなるケースが多くなります。

参考リンク

タグ

Tシャツシルクスクリーンアイロン転写3Dプリンター比較
3Dプリンター体験