
Autodesk Fusion個人版の始め方2026年版|インストールから3Dプリント用データ出力までの最短ルート
「3Dプリンターを買ったけど、3Dデータはどうやって作るの?」——そんな疑問の答えとして、まず候補に挙がるのが Autodesk Fusion(旧 Fusion 360)です。プロ品質の3D CADでありながら、個人・非商用なら無料で使えるのが最大の魅力。この記事では、2026年現在の最新UIに沿って、アカウント作成からインストール、基本操作、STLエクスポートまでを最短ルートで案内します。
Autodesk Fusionとは? 旧「Fusion 360」からの変更点
Autodesk Fusionは、3Dモデリング・CAM・レンダリング・シミュレーションなどを統合したクラウドベースの3D CAD/CAMソフトです。2024年1月に「Fusion 360」から「Fusion」へブランド名が変更されましたが、機能や操作性に大きな変化はありません。名称だけの変更なので、ネット上の「Fusion 360」の情報やチュートリアルはそのまま参考にできます。
ライセンス体系は「商用版(サブスクリプション)」「教育機関版」「個人用(非商用版)」「スタートアップ版」の4種類があります。趣味のものづくりや3Dプリンター用のデータ作成が目的であれば、個人用ライセンス(無料)で十分な機能が使えます。
個人用ライセンスの条件と制限事項
個人用ライセンスを利用するための条件は以下の通りです。
- 年間収益が1,000米ドル(約15万円)未満であること
- 非商用目的で個人的にプロジェクトを行うこと
- ライセンス期間は3年間(期限後に再申請で更新可能)
商用版と比較した場合の主な制限事項は次の通りです。
- 同時に編集可能なドキュメントは最大10個(上限に達した場合は、不要なファイルを「読み取り専用」に切り替えれば新規作成が可能)
- 一部の高度なCAM機能やシミュレーション機能が制限される
- 拡張機能・アドインの一部が利用不可
ただし、3Dモデリングの基本機能、スケッチ、押し出し、フィレットといった造形操作、そして STL / 3MF エクスポートはすべて利用可能です。3Dプリンター用のデータ作成には十分すぎるほどの機能が揃っています。
ステップ1:Autodeskアカウントの作成とダウンロード
まず、Autodesk公式サイトからFusionをダウンロードします。手順は以下の通りです。
- Autodesk Fusion 個人用ダウンロードページにアクセスする
- 「個人用 Autodesk Fusion をダウンロード」ボタンをクリック
- Autodeskアカウントを持っていない場合は「アカウントを作成」を選択し、メールアドレス・名前・パスワードを入力して登録する
- 登録したメールアドレスに届く確認メールのリンクをクリックして、アカウントを有効化する
- インストーラー(Windowsは
.exe、Macは.dmg)がダウンロードされるので実行する
注意点:Windows環境ではOSのユーザー名に全角文字(日本語)が使われているとインストールエラーが発生することがあります。その場合は、半角英数字のローカルアカウントを新しく作成してからインストールしてください。
ステップ2:インストールと個人用ライセンスの適用
ダウンロードしたインストーラーを実行すると、必要なファイルの自動ダウンロードとインストールが始まります。
- インストーラーを実行し、利用規約に同意する
- インストール完了後、Fusionが自動的に起動する
- サインイン画面が表示されるので、先ほど作成したAutodeskアカウントのメールアドレスとパスワードでログインする
- 初回起動時は30日間の体験版(全機能利用可能)として開始される
体験版の30日が経過すると、ライセンス選択の画面が表示されます。ここで「個人用」を選択すれば、無料の個人用ライセンスに切り替わります。30日を待たずに切り替えることも可能です。その場合は、Fusionのメニューから「ファイル」→「ライセンス変更」や、Autodeskアカウントの管理画面から個人用ライセンスを申請できます。
ステップ3:基本操作を覚えよう——最初の3Dモデルを作る
Fusionを起動したら、まずは簡単な立体を作って操作に慣れましょう。ここでは例として、3Dプリンターで出力できるシンプルな「角丸の箱」を作ります。
- 新規デザインを作成:「ファイル」→「新規デザイン」をクリック
- スケッチを開始:ツールバーの「スケッチを作成」をクリックし、XY平面を選択
- 長方形を描く:「長方形」→「中心の長方形」を選び、原点を中心に40mm×30mmの長方形を描く。寸法はキーボードから数値を入力する
- スケッチを終了:「スケッチを終了」をクリック
- 押し出し:ツールバーの「押し出し」をクリックし、長方形の面を選択して高さを20mmに設定。「OK」で確定
- フィレット(角丸):「修正」→「フィレット」を選択し、角のエッジを選んで半径3mmを指定すると、角が丸くなる
これで最初の3Dモデルが完成です。ビュー操作は、マウスのホイールボタンのドラッグで回転、Shiftキー+ホイールドラッグで平行移動、ホイールスクロールでズームイン・アウトができます。
ステップ4:STLファイルとしてエクスポートする
作成した3DモデルをSTL形式で書き出す方法は2つあります。
方法A:「3Dプリント」機能を使う(推奨)
- メニューバーの「ファイル」→「3Dプリント」をクリック
- 出力したいボディを選択する
- 「リファインメント(メッシュの細かさ)」を調整する。通常は「中」で十分
- 「OK」をクリックするとSTLファイルの保存ダイアログが開くので、任意の場所に保存する
方法B:右クリックから「メッシュとして保存」
- 画面左のブラウザツリーでボディを右クリック
- 「メッシュとして保存(Save As Mesh)」を選択
- 形式を「STL(バイナリ)」に設定し、保存する。3MFやOBJ形式も選択可能
保存されたSTLファイルは、Cura・PrusaSlicer・OrcaSlicerなどのスライサーソフトに読み込んで3Dプリンターで出力できます。個人用ライセンスでもSTL・3MFエクスポートに制限はありません。
よくある質問
Fusionの個人用ライセンスは本当に無料ですか?
はい、年間収益1,000米ドル未満の個人・非商用利用であれば無料です。ライセンス期間は3年間で、期限が切れても再申請すれば引き続き無料で利用できます。
「Fusion 360」と「Fusion」は違うソフトですか?
同じソフトです。2024年1月にブランド名が「Fusion 360」から「Fusion」に変更されましたが、機能は同じです。ネット上の過去のチュートリアルや解説記事もそのまま参考にできます。
編集可能ドキュメント10個の制限にひっかかったらどうすればいい?
不要になったデザインを右クリックして「読み取り専用」に変更すれば、枠が空いて新しいファイルを編集できるようになります。データ自体は削除されず、必要になれば再び編集可能に戻せます。
個人用ライセンスで作ったデータを3Dプリントサービスに出して販売できますか?
個人用ライセンスは非商用利用が条件です。販売目的での利用は規約違反となるため、商用利用する場合はサブスクリプション版の契約が必要です。
Mac(Apple Silicon)でも動きますか?
はい、Apple Silicon(M1〜M4チップ)搭載のMacにもネイティブ対応しています。インストール手順はWindows版と同様で、公式サイトからdmgファイルをダウンロードして実行するだけです。
参考リンク
- Autodesk Fusion 個人用ライセンス公式ページ — Autodesk
- 個人用による使用に関する Fusion の変更について — Autodesk サポート
- Autodesk Fusion から STL/3MF ファイルをエクスポートする方法 — Autodesk ヘルプ
- Autodesk Fusionのインストール手順 — キャド研
- Autodesk Fusionで3Dプリンターに出力する方法 — キャド研



